周りの雰囲気で酔ってるよね…。
十二月…。それは受験生にとって大事になってくる月である。
「やはや、君たち中三だなんてねぇ。凄い度胸だよほんと!」白部さんは笑いながら言う。
「や、やっぱり、可笑しいですよね。」朝奈さんは苦笑する。おそらく質問に対してではなく白部さんに対して…。
「ナハハ!」居酒屋にて白部さんは大声で笑う。そう居酒屋で。そんな様子を見ながら僕は朝奈さんに小声で話しかける。
「あの人、お酒一杯も飲んでないですよね…?」
「うん…。一杯も飲んでない…飲んでるのグレープソーダだし…。なんか周りの雰囲気で酔ってるよね…。」
「やっぱりそうなりますよね…。」僕達は白部さんをじっと見つめた。
「おいおい、なんだよぉ。私の顔になにかついているかい?というかぁ君たちも飲みなよぉ~。」まじでだるい酔っ払いだ…。飲んでないのに…。そう思った僕は言う。
「白部さん…。もう行きましょ?ご馳走になっちゃってますしこれ以上は…。」
「夜野君…!君はなんていい子なんだ!」よし、ようやく終わりか…。
「遠慮せずにもっと注文したらいいさぁ!ガハハ!」
「えぇ?」本当にお酒飲んでないんだよね…?
「すいますぅえ~ん!!唐揚げと…焼き鳥のももの…たれ!たれ追加で!」
「はいよぉ!」注文を受けた店員はノリノリで作り始める。もういいのに…。
「白部さん、次来たの食べ終わったらもう終わりにしましょ?私たちそんな食べれませんよ。」朝奈さんが白部さんに伝えた。すると、ようやく正気に戻ったのか白部さんは言った。
「あーごめんごめん。そんな食べれないよねぇ。確かに次来たら終わりにしようか。あ!でも、食べ盛りだからいけるよ!うん!大丈夫!」
「唐揚げに焼き鳥もものたれ!お待ちッ!」
「ありがと~ございます。」届いた二品を早速いただく。唐揚げを噛んだ瞬間、サクッという食感とともに肉汁が溢れ出す。
「お米が食いたい…。」思わず声を漏らす。
「お米かい?頼む?」白部さんは気を利かせて言ったが僕は「大丈夫です」と丁重にお断りした。
「いやぁ美味かったねぇ。」白部さんはお腹を軽く叩きながら言った。
「今日はありがとうございました。」僕はお礼を言う。すると、朝奈さんも「ありがとうございました。」と続けてお礼を言った。
「気にしないで、一緒に飲んで食べて楽しかったしまた行こぉ。そういや今日はもう解散するの?」
「そうですね。明日は模試があるんで、いつもより早く集合して早く解散でって話てたんですよ。」僕は白部さんに伝えた。
「そっかそっかぁ、受験生だもんねぇ。ま、私は応援するくらいしかできないけど、頑張ってね。」
「「はい!」」感謝も含め、元気な声で返事をする。
「じゃあ、最後に質問。今夜は夜に魅せられたかな?大人の夜に。」
「「はい!」」またもや元気な声で応える。そう僕たちは居酒屋に初めて行った。初めて飲み会の雰囲気を味わったのだ。
「ふぅ、疲れた…。」自宅に帰った私は椅子に座り軽く伸びをする。パソコンを開き、カタカタと音を鳴らしながら作業を進める。白部探偵事務所の探偵、白部汐として…。あの子たちには、暗い顔を見せちゃだめだ。二人に会う時はあの子たちの思う"白部さん"でいい。だが今はひたすら調べる、家族を殺した犯人を見つけるために…。
白部さんは周りの雰囲気に流されやすいのです!白部さんの二面性にもご注目!次回は模試の話です。




