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始めようか。
私はとある夜を舞台にした作品にとてもとてもハマってしまいまして、似た部分が出てくるかもしれませんが楽しんで頂ければ嬉しいです。
「はぁ…はぁ…」
鳴り止まない心拍音がようやく落ち着いてきた。「やっぱり何回やっても慣れないなぁ。」
こっそりと家から出た僕は呟きながらゆっくりと歩く。
夜野真、中学三年生。彼は一人空を見上げ美しい星空を、夜の空気を、堪能していた。
僕はとある人を待っていると、「あ!いたいた!」と出来るだけ声を押し殺しながら"とある人"が来た。彼女の声は夜とは思えないほど元気な声だった。彼女も自覚しているからか声を出来るだけ押し殺したのだろう。だが、あまりいつもと変わらないように感じた。彼女は僕に微笑んだ。
「こんばんは。夜野くん。」
そして、僕は彼女に微笑み返した。
「こんばんは。朝奈さん。」
朝奈真美。真と同じ中学三年生だ。
真美さんは何かを期待したような目でこちらを見つめてくる。
「いつものやらないんですか?」と僕は尋ねる。真美さんはやはりこの質問を期待していたようで嬉しそうに口を開いた。
「それじゃあ始めようか。夜を見に。魅せられに…!」
真美さんの朝の明るさを彷彿とさせる笑顔に僕も負けないように笑顔で応えた。
「はい!行きましょう!」
こうして今日も…いや、今夜も僕達の夜魅が始まった。




