表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
[注目度ランキング75位]異世界転生したらチート能力で最強になって、気づいたら美女たちに囲まれて国まで作ってた件  作者: 自ら(Youtubeで朗読ver投稿中‼️)
第7章 - 魔王城への進軍と最終決戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/57

第52話:影との戦い

 扉の向こうに広がっていたのは、広大なホールだった。


 その天井は遥か高く、まるで大聖堂のような荘厳さを持っている。無数の石柱が立ち並び、床には複雑な魔法陣が刻まれていた。だが、その全てが禍々しい気配に満ちていて、まるで死者を祀る墓所のような、冷たく重い空気が漂っている。


 そのホールの中央に、一人の男が立っていた。


 巨大な盾を構え、全身を重厚な鎧で覆っている。その鎧は、まるで要塞そのものが人の形を取ったかのような、圧倒的な重量感を放っていた。身長は三メートル近くあり、盾だけでも人一人分の大きさがある。


「我が名は、ゴルディアス」


 男の声が、ホール全体に響く。


 それは、低く、重く、まるで大地の奥底から響いてくるような声だった。その声を聞くだけで、この男の持つ力の大きさが分かる。


「魔王四天王、第四天王」


 ゴルディアスが、盾を地面に打ち付ける。ゴン、という音が響き、床が震えた。


「不死の守護者」


 その言葉に、俺たちは息を呑む。


 不死——それが本当ならば、これまでの敵とは比べ物にならない厄介な相手だ。


「来い」


 ゴルディアスが、一言だけ言う。


 それは挑発でも、侮蔑でもない。ただの事実の提示だった。お前たちが来ようと来まいと、結果は変わらない、という絶対的な自信。


 クレアが、一歩前に出る。


「行くぞ!」


 クレアの剣が、炎を纏う。そして、ゴルディアスに向かって突進した。


「【覇王炎剣】!」


 炎の刃が、ゴルディアスの鎧を斬る。金属を切り裂く音が響き、火花が散った。


 傷が入る。


 だが、次の瞬間——


 傷が消えた。


「何!?」


 クレアが、驚きの声を上げる。


 鎧の傷が、まるで時間を巻き戻したかのように、瞬時に修復されている。いや、修復というよりも、最初から傷などなかったかのように、完全に元通りになっていた。


「リリエル!」

「はい!」


 リリエルが、魔法を放つ。


「【創世の魔法陣・雷撃】!」


 巨大な魔法陣から、無数の雷がゴルディアスを襲う。雷が鎧を焼き、その衝撃でゴルディアスの体が揺れた。


 だが、雷が収まると、そこには無傷のゴルディアスが立っている。


 焼けた痕も、傷も、何もない。


「不死...本当に不死なのか...?」


 リリエルが、信じられないという表情で呟く。


 ミーナが、矢を放つ。


「【必中の矢】!」


 矢が、ゴルディアスの鎧の隙間を狙って飛ぶ。それが鎧の継ぎ目に刺さり、中の肉に到達した。


 だが、ゴルディアスは動じない。


 そして、矢がゆっくりと体から押し出されていく。まるで体そのものが異物を拒絶しているかのように、傷口から矢が出てきて、地面に落ちた。傷口は、すぐに塞がる。


「我が体は、魔王様の魔力で不死となった」


 ゴルディアスが、淡々と言う。


「お前たちでは、倒せぬ」


 その言葉は、脅しではない。ただの事実だった。


 俺も、創造魔法を試してみる。


「【創造魔法・破壊の剣】!」


 巨大な剣を創造し、それでゴルディアスを斬りつける。剣がゴルディアスの肩を切り裂き、鎧が砕け、肉が裂けた。


 だが、それも一瞬のことだった。


 傷が塞がり、鎧が元通りになる。


「くそっ...!」


 どうすればいい。


 倒せない敵と、どう戦えばいい。


 戦いは、持久戦となった。


 俺たちは、何度も何度も、ゴルディアスを攻撃する。クレアの炎、リリエルの雷、ミーナの矢、レイラの影縫い、セレスティアの聖なる光、アリシアの瞬影。


 だが、全てが無駄だった。


 どんな攻撃をしても、ゴルディアスは再生する。その再生速度は、攻撃の速度を上回っていた。


 そして、俺たちの魔力が、徐々に尽きていく。


 クレアの剣の炎が弱まり、リリエルの魔法陣が小さくなり、ミーナの矢の数が減っていく。兵士たちも、疲弊の色が濃くなっていた。


「このままでは...」


 シャルロットが、苦い表情で呟く。


 その時、ゴルディアスが動いた。


 これまで、ただ守っているだけだったゴルディアスが、初めて攻撃に転じる。


 巨大な盾を構えて、突進してきた。


 その速度は、あの巨体からは想像できないほど速い。まるで巨大な岩が転がってくるかのような、圧倒的な質量を持った突進だった。


「逃げろ!」


 俺が叫ぶ。


 兵士たちが、散る。だが、間に合わなかった者もいる。盾が兵士を跳ね飛ばし、彼らは壁に叩きつけられて動かなくなった。


 そして、ゴルディアスの盾が、七人に向かってくる。


「させない!」


 アリシアが、前に出た。


「【瞬影】!」


 アリシアが、ゴルディアスの前に立ちはだかる。その細い体で、巨大な盾を受け止めようとした。


「アリシア! 駄目だ!」


 俺が叫ぶ。だが、間に合わない。


 盾が、アリシアを襲う。


 アリシアは、剣で盾を受け止めた。だが、その衝撃は余りにも大きすぎた。


 ゴキッ、という嫌な音がする。


 アリシアの体が、吹き飛ばされた。壁に激突し、地面に崩れ落ちる。


「アリシア!」


 俺が駆け寄る。


 アリシアの腕が、明らかにおかしな方向に曲がっている。骨が折れている。それだけでなく、体中に打撲の痕があり、口から血を吐いていた。


「セレスティア!」

「すぐに!」


 セレスティアが、アリシアに治療魔法をかける。だが、アリシアの傷は深い。完全には治らない。


「私は...大丈夫です...」


 アリシアが、無理に笑おうとする。だが、その顔は苦痛に歪んでいた。


「無理するな!」


 俺が、アリシアの手を握る。


 怒りが、込み上げてくる。


 創造魔法が、暴走しそうになる。この怒りを、そのままゴルディアスにぶつけたい。


 だが——


「落ち着け!」


 クレアが、俺の肩を掴む。


「怒りに任せて戦っても、勝てない。必ず、方法がある!」


 その言葉に、俺は深呼吸をする。


 そうだ。落ち着け。冷静にならなければ。


 その時、シャルロットの声が聞こえた。


「待って...何かおかしい」


 シャルロットが、ゴルディアスを見つめている。その目は、まるで複雑な数式を解いているかのような、鋭い集中力を持っていた。


「再生に、わずかな時間差がある」


 シャルロットが、呟く。


「クレアの攻撃の後、0.3秒。リリエルの魔法の後、0.5秒。ミーナの矢の後、0.2秒」


 シャルロットが、指を折りながら計算している。


「攻撃の種類によって、再生速度が違う。ということは...」


 シャルロットの目が、輝く。


「再生には、魔力が使われている!」


 その言葉に、俺たちは顔を上げる。


「そして、その魔力の源は...」


 シャルロットが、ゴルディアスの胸を指す。


「あそこだ。胸の中央に、魔力の核がある」


 よく見ると、ゴルディアスの鎧の胸の部分が、わずかに光っている。それは、まるで心臓が鼓動するかのように、規則的に明滅していた。


「あの核を破壊すれば、再生能力を失う!」


 シャルロットの声に、希望が宿る。


「だが、あの核は厚い鎧の奥にある」


 クレアが、現実的な問題を指摘する。


「通常の攻撃では、届かない」

「どうする...」


 みんなが、俺を見る。


 俺は、決断した。


「俺が、核を破壊する」


 創造魔法を発動させる。だが、今回作るのは、これまでとは違う。


「【創造魔法・貫通の槍】」


 俺の手の中に、一本の槍が現れる。


 それは、まるで光そのものが固まったかのような、美しい槍だった。だがその先端には、あらゆる防御を貫くという、恐るべき力が込められている。この槍は、盾も、鎧も、魔法障壁も、全てを貫通する。


「作戦を立てる」


 シャルロットが、素早く指示を出す。


「みんなで、ゴルディアスの注意を引きつける。その隙に、レンが槍を放つ」

「分かった」


 七人が、頷く。


 作戦が、開始された。


 クレアが、炎の剣を振るう。リリエルが、雷の魔法を放つ。ミーナが、矢を連射する。


 ゴルディアスが、それらの攻撃に対処するために、盾を動かす。その注意が、七人に向いた。


 今だ!


 俺は、全ての魔力を槍に注ぎ込む。


 槍が、まるで太陽のように輝き始める。その光は眩しく、目を開けていられないほどだった。


「行け!」


 俺が、槍を投げる。


 槍が、音速を超える速度で飛んでいく。その軌跡が、空気を裂き、衝撃波を生み出す。


 ゴルディアスが、気づいて盾を構える。だが、遅い。


 槍が、盾を貫いた。


 まるでバターを切るナイフのように、槍は盾を貫通し、鎧を貫通し、そして——核に到達した。


 核が、砕ける。


「グッ...!」


 ゴルディアスが、初めて苦痛の声を上げる。


 その体から、光が漏れ出す。再生能力が、止まる。


「今だ、クレア!」

「ああ!」


 クレアが、最後の力を振り絞る。


「【覇王炎剣・極】!」


 クレアの剣が、これまでで最大の炎を纏う。それは、まるで太陽の化身のような、圧倒的な熱量を持つ炎だった。


 その剣が、ゴルディアスを斬る。


 ゴルディアスの体が、真っ二つになった。


 鎧が砕け、その中から、一人の老人が現れる。


 白い髪、皺だらけの顔、だが穏やかな表情をしている。


「俺も...かつては王国騎士だった...」


 ゴルディアスが、地面に倒れながら言う。


「主君を守るため、戦った」


 その声は、もう戦士のものではない。ただの老人の、穏やかな声だった。


「だが、守れなかった。主君は死に、俺だけが生き残った」


 ゴルディアスの目から、涙が流れる。


「その罪悪感に、ずっと苛まれていた」

「魔王様が、俺に不死の体を与えてくれた」

「二度と、守れなかったという後悔をしないように...」


 ゴルディアスが、俺たちを見る。


「だが...お前たちを見ていると...」

「守るべきものがある者は、強いのだな...」


 ゴルディアスが、微笑む。


「魔王様を...頼む...」


 その言葉を最後に、ゴルディアスの体が光となって消えていく。


 後には、砕けた盾だけが残されていた。


 三人の天王を倒した。


 だが、犠牲も大きい。遊撃隊は、三十人ほどに減っていた。アリシアも負傷し、七人全員が疲弊している。


 だが、まだ終わらない。


「次は...グランバロスだ」


 クレアが、呟く。


 ホールの奥から、強大な魔力の気配が漏れてくる。それは、これまでの天王たちとは比べ物にならない、圧倒的な力だった。


 巨大な扉が、そこにある。


 その向こうから、赤い光が漏れていた。


読んで下さりありがとうございました!

★★★★★評価と[[[ブックマーク]]]、リアクションお願いします!

Youtubeにて作品公開中!

http://www.youtube.com/@mizukara-h2z

ご感想やご質問など、ぜひコメントでお聞かせください。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ