表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
[注目度ランキング75位]異世界転生したらチート能力で最強になって、気づいたら美女たちに囲まれて国まで作ってた件  作者: 自ら(Youtubeで朗読ver投稿中‼️)
第3章 - ツンデレ令嬢と敏腕商人

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/43

第16話:敏腕商人の本音

 それから数日、レイラは頻繁に屋敷を訪れるようになった。


 最初は週に一度程度だったのが、二日に一度になり、やがて毎日のように姿を見せるようになった。その度に、彼女は「商談があってさ」と言いながら笑顔で現れる。


 だが、実際の商談は十分程度で終わってしまう。残りの時間は、屋敷で俺たちと過ごしているのだ。


「また来たのか」


 クレアが、少し呆れたように言う。だが、その表情には嫌悪感はなく、むしろどこか親しみすら感じられた。


「悪い? あたしも仲間に入れてよ」


 レイラは、堂々とした態度でリビングのソファに座る。その姿は、まるで昔からこの屋敷の住人だったかのような自然さだった。


「別に構わないが...お前、本当に商人か? 仕事はいいのか?」


「大丈夫大丈夫。あたしの仕事は効率的だから、時間に余裕があるんだ」


 レイラは、自信満々に胸を張る。


「効率的...」


 リリエルが、興味深そうにレイラを観察する。


「あなたは、時間管理が優れているのか?」


「まあね。商人ってのは、時間も金も無駄にできないからさ」


「興味深い。私も、時間管理には苦労している」


「へぇ、研究者なのに?」


「ああ。研究に没頭すると、時間の感覚を失う」


「分かる分かる。あたしも商売に夢中になると、食事も忘れるからね」


 レイラとリリエルは、意外にも話が合うようだった。二人とも、自分の仕事に情熱を注いでいる点で共通しているのだろう。


 ミーナは、レイラの周りをくるくると回っている。


「レイラおねえちゃん、かっこいい!」


「おう、ありがとな」


 レイラは、ミーナの頭を豪快に撫でる。


「ミーナも可愛いな。将来、いい女になるぞ」


「ほんと!?」


「ああ。あたしが保証する」


 ミーナは、嬉しそうに尻尾を振った。


 シャルロットは、少し離れたところでレイラを観察している。最初は商人に対して警戒していたが、今では徐々に興味を持ち始めているようだった。


「シャルロット、どうした? そんなところで突っ立って」


 レイラが、シャルロットに声をかける。


「...別に」


「ははっ、素直じゃないね。まぁ、お嬢様だからしょうがないか」


「お嬢様って...」


 シャルロットは、少し不機嫌そうな表情になる。


「悪い意味じゃないよ。品があって、綺麗だって意味さ」


「...そう」


 シャルロットは、頬を赤らめて視線を逸らした。


「でもさ、あんまり堅苦しくしてると疲れるぞ。もっと楽にしなよ」


「楽に...?」


「ああ。こっち来て、一緒に座ろうぜ」


 レイラが、隣の席を示す。


 シャルロットは、少し迷ってから、ゆっくりとレイラの隣に座った。


「ほら、そうそう。これでいいんだよ」


 レイラは、満足そうに笑った。


 こうして、レイラは徐々に屋敷に馴染んでいった。クレアとは冒険の話で盛り上がり、リリエルとは仕事の効率化について議論し、ミーナとは遊び、シャルロットとは貴族社会と商人社会の違いについて語り合う。


 その姿は、まるで元々この屋敷の一員だったかのようだった。


 ある日の夕方、レイラは俺を庭に呼び出した。


「なぁ、レン。ちょっと話があるんだ」


「どうした?」


 俺たちは、庭のベンチに座った。夕日が、空をオレンジ色に染めている。風が優しく吹いて、木々の葉を揺らしていた。


「あのさ...」


 レイラが、珍しく言葉に詰まる。


「あたし、あんたのこと...」


 彼女の声が、震えている。いつもの豪快な態度とは違う、どこか繊細な雰囲気が漂っていた。


「どうした? らしくないぞ」


「...いや、何でもない」


 レイラは、急に話題を変えた。


「ただ...あんたと一緒にいると、楽しいんだ」


「俺もだよ」


「商売だけじゃなくて、もっと色々...一緒にやりたいんだ」


 レイラの目が、俺を真っ直ぐ見つめる。その目には、何か言いたいことがあるようだったが、結局言葉にはならなかった。


「レイラ...」


「ああ、もう! あたし、こういうの苦手なんだよ!」


 レイラは、頭を抱えた。


「普段は、何でもはっきり言えるのに、こういう時だけは...」


「こういう時?」


「...バカ」


 レイラは、照れたように顔を背けた。その横顔は、夕日に照らされて、いつもより柔らかく見えた。まるで、普段は見せない彼女の本当の姿が、そこにあるかのようだった。


「レン、あんたって鈍感だよな」


「え?」


「いや、何でもない。忘れてくれ」


 レイラは、立ち上がった。


「そろそろ帰るわ。また明日来るから」


「ああ」


 レイラは、屋敷を後にした。その背中を見送りながら、俺は何となく彼女の気持ちに気づいていた。


 だが、それを言葉にすることは、まだできなかった。


 翌日、レイラはいつも通り屋敷を訪れた。


「よぉ、相棒」


「おはよう、レイラ」


 彼女は、昨日のことを何も言わず、いつもの調子で振る舞っている。だが、時々俺を見る目が、いつもより優しいことに気づいた。


「今日は、商談なしでいいだろ?」


「ああ。今日は休みだ」


「よし、じゃあみんなで遊ぼうぜ!」


 レイラの提案で、俺たちは庭で遊ぶことになった。


 クレアとレイラは、剣の稽古をしている。レイラも、商人とはいえ護身術として剣を習っているらしい。


「なかなかやるじゃないか」


「お前こそ。さすが騎士だな」


 二人は、笑いながら剣を交えている。その姿は、まるで長年の友人のようだった。


 リリエルは、魔法の実験をしている。レイラも興味深そうに見守っている。


「すげぇな。魔法って、こんなに繊細なのか」


「ああ。一つ一つの魔力制御が重要だ」


「商売と似てるな。細かい計算が大事なんだ」


 ミーナとシャルロットは、花壇で花を摘んでいる。


「この花、綺麗!」


「ええ。とても美しいわね」


 二人は、仲良く花を集めている。


 レイラは、その光景を見て、満足そうに微笑んだ。


「いいな、こういうの」


「ん?」


「こうやって、みんなで過ごす時間。あたし、こういうの好きなんだ」


 レイラの声には、どこか寂しさが混じっていた。


「レイラ、一人暮らしなのか?」


「ああ。商売が忙しくてさ、家族とも疎遠になっちまった」


「そうか...」


「でも、ここに来ると、家族みたいな温かさを感じるんだ」


 レイラは、俺を見つめた。


「あんたのおかげだよ、レン」


「俺は、何もしてないけど」


「いや、あんたがいるから、みんなが集まってる。あんたが、この場所を作ってるんだ」


 レイラの言葉は、真摯で、心から出たものだと分かった。


「ありがとう、レイラ」


「礼を言うのは、あたしの方だよ」


 レイラは、また豪快に笑った。


 夕方になり、レイラが帰る時間になった。


「じゃあな、相棒。また明日」


「ああ。気をつけて帰れよ」


「心配してくれるの? 嬉しいね」


 レイラは、いたずらっぽく笑った。


「じゃ、また」


 彼女は、手を振りながら去っていった。


 クレアが、俺の隣に立つ。


「レイラ、いい奴だな」


「ああ」


「お前のこと、好きなんじゃないか?」


「...そうかもな」


「お前、どう思ってるんだ?」


 クレアの問いに、俺は少し考えてから答えた。


「俺も、レイラのことが好きだ」


「...そうか」


 クレアは、複雑そうな表情を浮かべた。


「また、家族が増えるな」


「怒ってるか?」


「いや。もう慣れた」


 クレアは、小さく笑った。


「それに、レイラはいい奴だ。仲間として、歓迎する」


「ありがとう、クレア」


「礼を言われることじゃない」


 クレアは、俺の肩を叩いた。


 その夜、俺は自分の部屋で窓の外を眺めていた。星が、綺麗に輝いている。


 レイラのことを考えていた。彼女は、いつも明るくて、強くて、でもどこか寂しさを抱えている。そんな彼女を、支えてあげたい。


 ノックの音が聞こえた。


「レン、起きてる?」


 シャルロットの声だ。


「ああ、入れよ」


 シャルロットが、部屋に入ってくる。


「レイラのこと...考えてたんでしょ?」


「...分かるのか?」


「ええ。あなたの表情を見れば」


 シャルロットは、俺の隣に座った。


「レイラは、いい人よ。私も、最初は警戒してたけど、今では友達だと思ってる」


「そうか」


「だから...レイラが仲間になるなら、私は歓迎するわ」


 シャルロットは、微笑んだ。


「ありがとう、シャルロット」


「どういたしまして」


 シャルロットは、俺の手を握った。


「私たち、みんな家族よね」


「ああ」


「これからも、ずっと一緒よ」


「ああ。約束する」


 シャルロットは、満足そうに微笑んで、部屋を出ていった。


 俺は、再び窓の外を眺めた。


 レイラも、きっといつかこの家族の一員になる。


 そう確信していた。

読んで下さりありがとうございました!

★★★★★評価と[[[ブックマーク]]]、リアクションお願いします!

Youtubeにて作品公開中!

http://www.youtube.com/@mizukara-h2z

ご感想やご質問など、ぜひコメントでお聞かせください。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ