表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
[注目度ランキング75位]異世界転生したらチート能力で最強になって、気づいたら美女たちに囲まれて国まで作ってた件  作者: 自ら(Youtubeで朗読ver投稿中‼️)
第3章 - ツンデレ令嬢と敏腕商人

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/42

第12話:王都のパーティーとツンデレ令嬢

翌朝、俺たちは王都へと向かう馬車に乗り込んだ。


公爵家が用意してくれた豪華な馬車は、内装も素晴らしく、クッションの効いた座席が長時間の移動でも快適だった。窓からは、街を抜けて草原へと続く景色が流れていく。


「王都か...久しぶりだな」


クレアが、窓の外を眺めながら呟いた。彼女は以前、王都の騎士団に所属していたことがあるらしい。


「クレア、王都に住んでたのか?」


「ああ。騎士としての修行を積んでいた頃にな。だが、あまりいい思い出はない」


クレアの表情が、少しだけ曇る。何か辛いことがあったのだろうか。俺は、それ以上聞くのはやめておいた。


「私は、王都は初めてだ」


リリエルが、興味深そうに言う。


「貴族社会というものを、実際に観察できる貴重な機会だ」


相変わらず、研究者らしい視点だ。だが、その目には、少しだけ期待の光が宿っているように見えた。


「わたしも初めて! ドキドキする!」


ミーナは、座席で落ち着きなく動き回っている。尻尾がぱたぱたと揺れていて、興奮が隠せないようだ。


「リーナさんは?」


「私も初めてです! こんな豪華な馬車に乗るのも初めてで...」


リーナは、少し緊張した様子で周囲を見回している。だが、その目は楽しみに満ちていた。


馬車は、順調に進んでいく。途中、いくつかの街や村を通り過ぎた。どこも活気があり、人々が平和に暮らしている様子が見える。


「この国、平和でいいな」


「ああ。だが、それも魔物がいなければの話だ」


クレアが、少し険しい表情で言う。


「魔物は、いつどこから現れるか分からない。だからこそ、俺たちのような冒険者が必要なんだ」


「そうだな」


俺は、クレアの言葉に頷いた。この世界には、まだまだ危険が潜んでいる。だが、それを守るために、俺たちがいる。


数時間後、馬車は王都の城門前に到着した。


「着いたぞ」


クレアが、窓の外を指差す。


そこには、巨大な石造りの城壁と、その中央に聳え立つ門があった。門の上には、王国の紋章が掲げられている。衛兵が、馬車を確認してから門を開けてくれた。


城門をくぐると、目の前に広がったのは、想像以上に豪華な街並みだった。


石畳の道路が整然と続き、両側には立派な建物が立ち並んでいる。商店も、街で見たものとは比べ物にならないほど高級そうだ。人々も、皆きちんとした服装をしていて、洗練された雰囲気を漂わせている。


「すごい...これが王都...」


ミーナが、目を輝かせながら窓に張り付いている。


「本当に、素敵な街ですね...」


リーナも、感嘆の声を上げる。


馬車は、街の中心部へと進んでいく。やがて、一際大きな邸宅の前で止まった。


「ここが、アーベントロート公爵家か...」


俺は、その邸宅を見上げた。


三階建ての豪華な建物で、正面には大きな噴水がある。庭も広く、手入れの行き届いた花壇が美しい。まさに、貴族の館という雰囲気だ。


馬車から降りると、すぐに執事らしき老人が出迎えてくれた。


「レン・タカミ様とご一行ですね。お待ちしておりました」


「よろしくお願いします」


「私は、この館の執事を務めておりますセバスチャンと申します。どうぞ、こちらへ」


セバスチャンに案内されて、俺たちは邸宅の中へと入った。


玄関ホールは、吹き抜けになっていて、天井には豪華なシャンデリアが吊るされている。壁には、歴代の当主と思われる肖像画が並んでいる。大理石の床は、磨き上げられて光を反射している。


「すごい...」


ミーナが、小さな声で呟く。


セバスチャンは、俺たちを広間へと案内した。


そこには、既に多くの貴族たちが集まっていた。男性は皆タキシードやフロックコート、女性は華やかなドレスを纏っている。シャンパングラスを手に、優雅に会話を楽しんでいる様子だ。


俺たちが入ると、貴族たちの視線が一斉にこちらに向いた。


「あれが、街を救った英雄か」


「若いな」


「美女ばかり連れて...羨ましい」


様々な囁きが聞こえてくる。だが、悪意のあるものではなく、むしろ興味津々といった様子だ。


「レン殿!」


大きな声が響き、一人の初老の男性が近づいてきた。立派な口髭を蓄え、威厳のある雰囲気を纏っている。間違いなく、この館の主だろう。


「アーベントロート公爵です。よくぞお越しくださった」


「お招きいただき、ありがとうございます」


俺は、丁寧に一礼した。


「いやいや、こちらこそ。街を何度も救ってくださった英雄に、ぜひお会いしたかったのです」


公爵は、満面の笑みで俺の手を握った。


「そして、こちらの美しい方々は?」


「私の仲間です。クレア、リリエル、ミーナ、そしてリーナさんです」


俺が紹介すると、四人はそれぞれ礼をした。


「これはまた、素晴らしい。美女ばかりですな」


公爵は、満足そうに頷いた。


「さあ、どうぞ。食事も飲み物も、お好きなだけお楽しみください」


「ありがとうございます」


公爵は、他の来賓の対応があるのか、俺たちに一礼してから去っていった。


「さて、どうするか...」


俺が周囲を見回していると、突然、冷たい声が聞こえてきた。


「ご機嫌よう」


振り返ると、そこには一人の少女が立っていた。


金髪を縦ロールに結い上げ、青い瞳で俺たちを見下ろしている。年齢は十七、八歳くらいだろうか。青いドレスを纏い、その立ち姿は優雅そのものだ。だが、その表情には、どこか高慢な雰囲気が漂っている。


「私は、シャルロット・フォン・アーベントロート。この館の娘です」


少女——シャルロットは、そう名乗った。


「初めまして。レン・タカミです」


「ええ、存じておりますわ。あなたが、噂のレンなのですね」


シャルロットは、俺を値踏みするような目で見つめた。


「フン、平民風情が英雄だなんて。世も末ですわね」


その言葉に、クレアが眉をひそめた。


「おい、失礼だぞ」


「あら、失礼? 事実を述べただけですわよ」


シャルロットは、涼しい顔で答える。


「貴族でもない、家柄もない、ただの平民が英雄扱いされるなんて。本当に、この国の基準は低くなりましたわね」


その傲慢な態度に、ミーナが怯えたように俺の後ろに隠れる。


「こわい...」


リリエルは、冷静にシャルロットを観察している。


「興味深い性格だ」


リーナは、困ったように笑顔を作っている。


「あの...シャルロット様...」


だが、俺は冷静だった。こういうタイプの人間は、前世でも何度か会ったことがある。高圧的な態度の裏には、大抵何かコンプレックスや孤独が隠されている。


「お嬢様は、随分と高いところにいらっしゃるようで」


俺がそう言うと、シャルロットの表情が一瞬凍りついた。


「...何ですって?」


「いえ、何も。ただ、そんなに高いところにいたら、周りが見えなくて危ないですよ、と思っただけです」


「...!」


シャルロットの頬が、ほんの少しだけ赤くなった。図星を突かれたのだろう。


「な、何を言っているのかしら。私は、貴族として当然の態度を取っているだけですわ」


「そうですか。それなら結構です」


俺は、それ以上何も言わずに、軽く会釈してその場を離れた。


クレアたちも、俺に続く。


「あの令嬢...感じ悪いな」


クレアが、小声で呟く。


「まあ、色々あるんだろう」


「お前、優しいな」


「そうか?」


俺たちは、広間の端にあるテーブルへと移動した。そこには、様々な料理が並べられている。


「すごい料理...」


ミーナが、目を輝かせる。


「お腹空いてたから、嬉しい!」


「食べ過ぎるなよ」


「うん!」


俺たちは、料理を取りながら、パーティーを楽しんだ。


だが、時々シャルロットの姿が目に入る。彼女は、広間の隅で一人佇んでいた。他の貴族たちは、彼女に話しかける様子もない。むしろ、避けているようにすら見える。


「あの子、いつも一人なのよね」


近くにいた貴族の婦人たちが、小声で話している。


「プライドが高すぎるのよ。誰とも打ち解けようとしないし」


「可哀想に。父親は優しいのに、娘はああなのね」


その会話を聞いて、俺は何となく理解した。


シャルロットは、孤独なのだ。


高いプライドが邪魔をして、誰とも心を開けない。だから、ああやって強がっているのだろう。


パーティーが進み、夜も深まってきた頃、俺は少し外の空気を吸いたくなった。


「ちょっと、庭に行ってくる」


「分かった。気をつけてな」


クレアが、頷いてくれる。


俺は、広間を抜けて庭へと出た。


夜の庭は、静かで落ち着いている。月明かりが、噴水を照らしていて、幻想的な雰囲気だ。


ベンチに座って、空を見上げる。星が、綺麗に輝いている。


「...はぁ」


溜息をつくと、少しだけ気持ちが落ち着いた。


その時、足音が聞こえた。


「あら...」


振り返ると、そこにはシャルロットが立っていた。


「あなたも、外の空気を?」


「ああ。少し、騒がしかったから」


「...そうね」


シャルロットは、少し迷ってから、俺の隣に座った。


しばらく、沈黙が続いた。


「...あなた、怒っていないの?」


シャルロットが、小さな声で尋ねてきた。


「何が?」


「さっき、失礼なことを言ったわ。平民だとか...」


「ああ。別に怒ってないよ」


「...どうして?」


「お嬢様が、本当にそう思って言ったわけじゃないって分かるから」


シャルロットは、驚いたように俺を見た。


「...何を根拠に?」


「勘だよ。でも、当たってるだろ?」


「...」


シャルロットは、何も言わずに俯いた。


「パーティー、楽しくなかったのか?」


「...楽しいわけないでしょう」


シャルロットは、少し苦しそうに答えた。


「誰も、私と話してくれない。みんな、私を避ける」


「それは...」


「私が、悪いのよ。分かっているわ。プライドが高すぎて、誰とも打ち解けられない」


シャルロットの声が、震える。


「でも...どうすればいいか分からないの。貴族として、どう振る舞えばいいのか。みんなと、どう接すればいいのか」


その言葉を聞いて、俺は理解した。


シャルロットは、本当は誰かと仲良くなりたいのだ。だが、その方法が分からない。だから、高圧的な態度で自分を守っているのだろう。


「無理しなくていいんだよ」


俺は、優しく言った。


「貴族として、とか、そういうの関係なく。ただ、素直に自分の気持ちを伝えればいい」


「...素直に?」


「ああ。難しく考える必要はない」


シャルロットは、俺を見つめた。


その目には、涙が浮かんでいた。


「...どうして、そんなに優しいの?」


「困ってる人を放っておけないだけだよ」


「困ってる...私が?」


「ああ。お嬢様、困ってるだろ?」


「...」


シャルロットは、何も言えなかった。


ただ、静かに涙を流していた。


俺は、何も言わずに、ただ彼女の隣に座っていた。


しばらくして、シャルロットが口を開いた。


「...ありがとう」


「どういたしまして」


「あなた...名前は?」


「レンだよ」


「レン...覚えたわ」


シャルロットは、少しだけ微笑んだ。


その笑顔は、先ほどまでの高圧的な雰囲気とは全く違う、柔らかくて優しいものだった。


「また、話してもいい?」


「もちろん」


「...ありがとう」


シャルロットは、立ち上がって館の中へと戻っていった。


俺も、少し遅れて広間へと戻った。


クレアたちが、心配そうに俺を見ている。


「どうした? 遅かったな」


「ああ、ちょっと庭で考え事をしてた」


「そうか」


その夜、パーティーは盛況のうちに終わった。


俺たちは、公爵家が用意してくれた客室で一泊することになった。


ベッドに横になりながら、俺はシャルロットのことを考えていた。


あの子は、本当は優しい子なのだろう。


ただ、孤独で、誰かに心を開く勇気がないだけだ。


明日も、パーティーは続く。


また、シャルロットと話せるだろうか。


そんなことを考えながら、俺は眠りについた。

読んで下さりありがとうございました!

★★★★★評価と[[[ブックマーク]]]、リアクションお願いします!

Youtubeにて作品公開中!

http://www.youtube.com/@mizukara-h2z

ご感想やご質問など、ぜひコメントでお聞かせください。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ