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3話 知らないこと

「何笑ってるんだよ」

こっちは真面目に言っていたのにクスクスと笑われて少し腹がたった。さっきの言葉取り消してやろうか…?

「いやっ、なんかヤンキーっぽくて私みたいな子供のこと嫌いそうだなーって感じだったのにっ」

「一緒に暮らすかって…!」

アハハハハッとさっきよりもうるさくそいつは笑った。バカにされてるよな、俺。

「バカにしてんのか」

「…ちょっとだけ?」

「おい」

「…でも…嬉しかったです。あなたの仕事?の邪魔をしたのに。生意気な態度を取ったのに。こんなことをしてくれるんだなーと思いました」

少し寂しそうにそいつは語った。親のことに関係していることか。はたまた別のことかはわからなかったけれど、昔になにかあったのだと感じ取れるような寂しさを感じた。

「あなたが良いのであれば、一緒にいさせてください」

さっきまでの態度を取っていた人間とは別人格で、これはこいつのもう一人の人格なのではないかと思うほど、遠慮しがちな態度でそいつは言った。

「わかった。じゃあ名前、まず教えろ」

「花月…花月祈。花に月に祈りって書いて花月祈」

「いいじゃん」

俺がそう言うとぱあっと笑顔になってしばらくニンマリしていた。そんなことより気にしていたことがあった。

「なんでさっき、仕事を邪魔したって言ったとき仕事のイントネーションが質問してるような感じだったんだ?」

さすがに小学生でも知っているはずだった。学校なんかでは、「いい子でいないと殺し屋さんに殺されちゃうぞ〜!」なんて決まり文句もあるからだ。俺が小学生の頃からずっとそう言われ続けてきた。しょっちゅう言われるもんだから、その言葉には鬱陶しいという思いしかない。まあ今は俺が今は殺し屋をやっている方なんだけれど。」

「だって…異世界とか…そういう物の話じゃないですか?なんかためらいもなく殺していたので、ノリで言ってみただけなんですけど」

「は?」

本当に知らない人間がいるとは思わなかった。最近では学校でもそんなことを言わないのだろうか。時の流れとは実に恐ろしい。

「知らないのか…」

「そりゃそうってとこですけどね」

「そりゃそう?」

「ああっ、いや、なんでもないです」

「…そうか」

「…そろそろ寝るぞ」

「えっ、あっ、はい」

本当によくわからないやつを拾ってしまったということを少し後悔しながら、俺は眠りについた…

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