決断ウォッチ
マコトは気づかれないように、物陰からその様子を見守った。心の中で、ただの友達であってほしいと祈っていた。しかし、次の瞬間、その祈りは虚しくも打ち砕かれた。
ひとみと男は、突然顔を寄せ合い、軽くキスを交わしたのだ。
「嘘だろ…」マコトは目の前の光景に衝撃を受け、心が張り裂けそうになった。彼はそれが現実であることを受け入れたくなかったが、二人の親密さを見せつけられ、絶望感が押し寄せてきた。
二人はまるで誰にも見られていないかのようにイチャイチャを続け、やがて男がひとみの手を取り、ゆっくりと歩き始めた。マコトは、足が動かないままその後を見つめ続けた。
すると、二人はホテルの前で立ち止まり、笑い合いながら中へと入っていった。ひとみは、あの時のキーホルダーを思い出す様子もなく、ただその男との時間を楽しんでいるように見えた。
「彼女は、僕のことなんて…」マコトは、彼女が他の男と付き合っている事実を突きつけられ、完全に打ちのめされた。彼女が自分に見せた笑顔、楽しく話していた時間は、すべて虚像だったのかもしれないと思うと、心が痛んだ。
だが、その痛みの中で、マコトの中に一つの決意が芽生えた。絶望に押しつぶされるのではなく、彼は彼女を見返すことを決意したのだ。
「僕だって…変わってみせる。」マコトは心の中で固く誓った。彼女に振り向いてもらうために、そして自分を強くするために、彼は新しい自分を目指すことを決めたのだった。
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