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神が忙しかったらしく、異世界でチートになった  作者: ニーナ
2章 断罪者《ディカステス》の仕事と仲間
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2人目の仲間

いやぁ、それにしてもミネルは人の扱いが上手い。

優しい言葉の数々でメムニルの心をほぐしている様子を見て思った。この技術を俺も身に付けたいものだ。


で、色々あって今メムニルの実家にいる。

「お母さん、お母さん、めっちゃ辛かってぇ」

「うん、うん。」

いいねー、親子って。そう言えば俺に親っているのだろうか。

「なあ、ミネル、俺に親って居んの?」

「あ、親設定そういえば忘れてた。クルトくんに親はいないね。自然発生ってことになってる。」

「自然発生って……」

メムニルがお母さんと話している間、俺はこんなふうに何でも無い会話をミネルとしていた。


会話に一区切りがつき、メムニルの様子を見てみる。

「そろそろ話が終わる感じだね。」

「うん。」

「あなた達がメムニルを助けてくださった方々ですね。ミネルさん、クルトさん、本当にありがとうございました。」

メムニルのお母さんが頭を下げ、それに合わせてメムニルも頭を下げる。

「いえいえ、いいんですよ。」

「そうそう。当然のことをしたまでです!」

おっ、ミネルが敬語を使った。コイツ、タメ口以外にも喋り方を知ってるんだ。

俺たちは少しメムニルのお母さんと会話を交えた。



「では、俺たちはそろそろ失礼します。」

「メムニル、またね。」


「あの、1つ聞きたいことがあるんですけど。」

「ん?」

「あの、お二人は断罪者(ディカステス)をやってるんですよね?」

「うん。」

「その、邪魔でなかったら、仲間として、一緒に断罪者(ディカステス)として活動してもいいですか?」

そっか。元々断罪者(ディカステス)になりたかったんだもんな。


「いいんじゃない?ね、クルトくんも迷惑じゃないでしょ?」

「うん、まあいいんじゃ無い?」

「ありがとうございますっ!」

メムニルが勢いよく頭を下げる。


「で、今日はどうするの?」

「どうする、とは?」

「メムニルとお母さんは感動の再会を果たした訳だけど、今日から早速俺たちの家に住むの?それとも今日1日はお母さんと一緒?」

「ぜひ、今日から一緒に住まわせてください。母とはもういつでも会える関係に戻れたので。」

「おっけ、じゃあ瞬間移動(シュントマ)で行くよ。」

「分かりました。お母さん、また会いに来るなー。バイバイ。」

「メムニル、体に気をつけて。ミネルさん、クルトさん、どうかメムニルをよろしくお願いします。」


瞬間移動(シュントマ)、私たちの家へ」

瞬間移動(シュントマ)を唱え、一瞬で家に帰ってきた。いやー、それにしてもこれは便利だ。移動時間が短縮されるのはとてもありがたい。


「では、改めて、今日からお世話になります。ミネルさん、クルトさんよろしくお願いします!」

「あーダメダメ。そんなじゃ仲間に加えてあげないよ。」

「す、すみません!何かご無礼がございましたでしょうか?」

ミネルがはあとため息をつく。

「だから、その喋り方がいけないの!私はね、心を許した人には呼び捨て&タメ口で喋ってほしいのよ。そっちの方がこっちも接しやすいし。私たちの仲間になるってことは私たちと友達になるってことなの。友達に敬語使われたら困る。」

「しかし、タメ口など……」

どうやら敬語を使う・使わないで揉めているそうだ。俺は正直どっちでもいいんだが。


「よーし、カルタで決めよう。」

「ええ、そうしましょう」

あー、こりゃメムニル負けたな。


「マジかぁ!この私が負けるとは。メムニル、貴様何者だ。」

「えへへ、私カルタは得意なんです。でも、ミネルさんとても速かったですね。私と接戦を繰り広げられたのはミネルさんが初めてです。」

得意だとかそんなもんじゃなかった。

一文字目が読まれたところでミネルが手を伸ばし、ミネルが取ったと思ったら反対方向からメムニルの手が伸びてきて、メムニルがその札を吹っ飛ばす。その様子はとても人間の目では捉えられなかった。


メムニルが取り、ミネルが取り、ミネルが取り、メムニルが取り、メムニルが取り……

というふうに、メムニルはあのミネルと接戦を繰り広げ、結果メムニルが勝利した。

「うーん、約束だから仕方ないけど、そこまで固くならないでね。メムニルは私たちに仕えているわけじゃないんだし。」


〜翌日〜

「おはようございます!」

「おはよう。よし、じゃあ今日はメムニルの断罪者(ディカステス)申請にいこうか。」

「はい。」


瞬間移動(シュントマ)、ニーシュの元へ」

「あ、クルト様、ミネル様。昨日のダニール&ノブレール討伐の報酬180万円です。渡し忘れていました。」

「ありがとうございます。あの、メムニルも断罪者(ディカステス)になれますか?」

「はい。問題ありません。もう罪人じゃありませんし。じゃあ、この紙にステータスを書いてください。」

メムニルの書いた紙を覗き込む。


氏名:メムニル 22歳 女 

魔力 6000 /生命力 2500

・基本属性

 木属性

・他属性

 状態属性

・称号

 転生者

・特別能力

 身体能力向上



称号転生者?

「メムニル、お前も転生者か?」

「クルトさんも?」

「うん。俺、交差点歩いてたらいきなり炎が燃え上がって、焼かれて死んで、ミネルにチート能力を付与されて転生してきたんだ。」

「交差点を歩いてたら炎?それってあの原因不明の伝説の事件じゃないですか?」

「え、なにそれ。伝説になってんの?」

メムニルがうなずく。


「いきなり世界各地で同じ時間に炎が上がり、何万、何千、何億もの死傷者を出した。その炎の原因は不明。テロだと片付けられようとしたけど、そんなすぐに片付けられる問題じゃないとか何とか、なんか色々騒ぎになってました。そしてその10日後私が大阪で歩いてたらいきなり炎が来て、死んだんです。」

「なにそれ、俺が死んだ後にも同じことが?もう少し詳しく聞かs……」

「はい、それではメムニル様、ランク試験があるのでこちらに」

「詳しいことはまた後で」

メムニルはランク試験で向こうに行ってしまった。


一体俺が死んだ後、世界でなにが起こっていたんだ?

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