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神が忙しかったらしく、異世界でチートになった  作者: ニーナ
2章 断罪者《ディカステス》の仕事と仲間
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女神降臨

「チート能力返して。ああ、ここは人目があるね。ちょっと移動しよう。」

ミネルが指を鳴らすと、山に移動した。

「チート能力を返すって……ちょっと、どういうことですか?」

「どういうことも何も、チート能力返してっていう意味。いやぁ、あの後君にチート能力授けたことバレちゃってさぁ。」

うん、まあバレるでしょうね。


「で、それが世界のバランスを壊す行為だって重大犯罪になっちゃって〜、今すぐチート能力返してもらってこい。さもないとお前を女神解雇とする!みたいなこと言われたのよ。さすがの私も女神の仕事を人質に取られちゃぁ逆らえなくってね。だからチート能力返して。」

そんな無責任な。忙しいからテキトーにチートを生み出したのはそっちじゃないか。


俺の頭の中がミネルへの文句で満たされる。

最初は半分諦め気味に言ったことだし、この世界に来たばっかりならチート能力くらい渡してもいいと思ったかもしれない。けれど、Sランク断罪者ディカステスになり、ニーシュにめちゃめちゃ期待された今、「チート能力返したんでやっぱり断罪者ディカステスできませーん」はない。


「いやです。チート能力は返せません。」

迷惑だろう。ミネルからしたらワガママかもしれない。というかワガママだろう。だけど、俺からしたらミネルも十分ワガママだ。

「えー、クルトくんなら返してくれるかもと思ったのになぁ。んじゃあ仕方ないか。私、話合いの方が好きなんだけど。力ずくで返してもらうよっ!」


ミネルは手のひらをパンッと小気味良い音を立てて合わせる。

神の束縛(スキャビティア)

ミネルの背後から光が溢れ出す。光の手が俺を襲う。

闇域(ダーリジョン)


俺を襲う光の手が闇域(ダーリジョン)内に入った途端に消滅する。闇域(ダーリジョン)から逃げた1本の手が近くの木に当たった。その木は栄養を吸い取られて枯れていった。

背中がゾォ〜とする。もしあの手に当たっていたらどうなっていたのだろうか。チート能力だけ吸われたのだろうか。それとも命もろとも吸われたのだろうか。


「うーん、闇域(ダーリジョン)か。この世界に来てすぐ魔法を使いこなすとはねぇ。じゃあ、神の言葉(レクトシュー)。」

今度はなんだ。俺は闇域(ダーリジョン)に重ねて植物の加護(プロスター)を発動させる。

ミネルが手のひらをこちらに突き出す。来るっ……

「じゃー、チート能力返して」

え?いや、渡さないっt

その瞬間、俺の脳が揺れた。意識が飛びそうになる。頭にモヤがかかったような不思議な感じがする。


「は、い。ミ、ネル、様。」

思ってもいないことが口から出る。足が勝手に前へと進む。

あー、なるほど。相手を自分の言葉通りにできる魔法か。

俺はふわふわとした頭で勝手に進んでいく足を止めようとする。足が一瞬止まった後、また進み出した。

どうする?どうする?足を一瞬止めて、また進ませる。これを繰り返して1秒でも時間を稼ぐ。

「うん、そうそう。もうちょっとこっちおいで。」


ミネルが笑顔で手招きをする。その瞬間、俺の頭にかかっていたモヤが晴れる。意識がはっきりとし、足が止まる。

いまだ!俺はミネルから瞬間移動(シュントマ)で逃げようとする。

瞬間移動(シュントマ)!ニーシュの所へ」

「あっ、コラ!逃げないの!決闘場(バトルゾーン)


逃げられない。瞬間移動(シュントマ)が使えない。

「へへ、決闘場(バトルゾーン)からは逃げようとしても逃げられないわよ。私は戦いの途中で逃げる奴はキライだから、この魔法気に入ってるの。」

ミネルが得意げに話す。


「それにしても、神の言葉(レクトシュー)の効き目がたった2分で切れるなんて。植物の加護(プロスター)かな?んじゃもう一回、神の言葉(レクトシュー)。チート能力返して。って、わぁ!」


もう一度植物の加護(プロスター)を使い、神の言葉(レクトシュー)を使われる寸前に爆炎(エザフォス)を放った。また俺の頭にモヤがかかり、足が勝手に進み出す。ミネルが爆炎の中にのまれた。どうだ?勝てたか?

少しの希望を持つ。が、爆炎から無傷で出てきたミネルを見た瞬間、その希望は消えていった。


「すごい攻撃だね。さすが。だけど、君の攻撃は神である私には効かないのよ。」

ミネルは舌をかわいくチョロっと出してゴメンネと言う。


ミネルの言い方からすると、きっと植物の加護(プロスター)をしてる時は神の言葉(レクトシュー)は2分しか続かない。つまり、2分後に効果は切れ、俺は一瞬自由となる。だけど、自由になったところで何をすれば良い?逃げる?逃げられない。攻撃する?効かない。神にも効く攻撃があればいいのに。


無ければ作れば良い。


そんな言葉を思い出す。そうだ。創造(ディミア)で神にも効く攻撃、作れるのか?


神破り(□□□□)  威力4

これを使うと、3分間神の特別攻撃が効かない。そして、神にも攻撃が通る。


作れる!だけど、威力4だから、×1000で4000も生命力がいるのか。生命力を上限以上に増やせる方法……あっ、あれがあるじゃん。


2分が経ち、俺は自由になる。すかさず植物の加護(プロスター)を唱え、そして、闇玉(スコタデ)を唱えた。

闇玉(スコタデ)

闇玉(スコタデ)

闇玉(スコタデ)

闇玉(スコタデ)

闇玉(スコタデ)

闇玉(スコタデ)

闇玉(スコタデ)

闇玉(スコタデ)


あちこちに唱えまくる。周りの木に当たり、闇玉(スコタデ)が生命力を吸う。

「ん?何やってるの?木に攻撃したって何にもならないよ?」

よし、ミネルはまだこちらの作戦に気付いてないらしい。

「じゃ、爆炎(エザフォス)凍結(パニュース)木縄(ウッドシンク)!」


ミネルが連続で攻撃魔法を発動させる。まずは爆炎(エザフォス)には水盾(ウォーターバリア)凍結(パニュース)木縄(ウッドシンク)には火玉(ボリーダ)を使って相殺した。

続いて鋭利(アカンタ)氷雨(パゴス)睡眠(ユピナス)。防いでいくが、ちょっと魔法のスピードが上がっている気がする。


生命力 3000/2000

生命力 3500/2000


早く4000になってくれ!


生命力 3900/200


ミネルの鋭利(アカンタ)が俺の腹に刺さる。


生命力 3700/2000

生命力 3900/2000


闇玉(スコタデ)

闇玉(スコタデ)

闇玉(スコタデ)

闇玉(スコタデ)

闇玉(スコタデ)


追加でもう5発打つ。


生命力 4000/2000


来た!そう思って創造(ディミア)を使おうとするが、よく考えたら4000ちょうどになった時に使ったら生命力が0になる。4500まで待つか。


生命力 4100/2000

生命力 4300/2000

生命力 4500/2000


創造(ディミア)、神破りを作りたい!」


神破り(ユピリーショック) 威力4 消費mp5000

これを使うと、3分間神の特別攻撃が効かない。そして、神にも攻撃が通る


神破り(ユピリーショック)

「だから、私には効かないって。」

ミネルが光で包み込まれる。


爆炎(エザフォス)、ついでに氷雨(パゴス)

ミネルは自分には攻撃が効かないと思っているため、避けない。爆炎(エザフォス)氷雨パゴスがミネルに直撃し、爆発音がする。

煙と炎が消え、倒れているミネルの姿が見える。ミネルがゆっくりと立ち上がろうとする。が、また倒れ込む。


「ハハ、すごいね。ホントに君は。3万もある私の生命力をこんなに削るなんて。」

生命力3万!?さすが神。

「いいよ。私の負け。チート能力は返してもらわなくてオッケー。」

俺は全身から力が抜け、へたり込む。よかった〜。でも、

「女神の仕事はどうするんですか?」

「辞めるよ。代わりにこの世界でクルト君といる。君も神と一緒って心強いでしょ?」


ミネルがウインクをする。

こうして、俺の仲間第一号は女神となった。

https://ncode.syosetu.com/n2665ib/5/ で呪文の確認ができます。

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