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神が忙しかったらしく、異世界でチートになった  作者: ニーナ
1章 この世界に慣れなければ
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改めて、断罪者《ディカステス》に

「おめでとうございます!Sランク断罪者(ディカステス)なんて何年ぶりでしょうか。見ててとても興奮しました。最近犯罪者が強くなっているため、強力な断罪者(ディカステス)が欲しかったんですよー。」

「俺以外にSランクはいるんですか?」

「いえ、Sランクはクルト様以外いません。」


おお、俺すげぇ。唯一の全属性持ち(パーフィック)、唯一のSランク断罪者(ディカステス)だ。

断罪者(ディカステス)祝いに報酬30万円を用意しますね♪」

機嫌良さげにニーシュは金庫へと向かう。

「え、ちょっと待ってください。30万なんか聞いてないですよ。断罪者ディカステスになるだけでそんなにもらえるんですか?」

「はい、断罪者ディカステスは危ないですからね。その仕事を率先してやってくれる人にはそれなりの感謝を贈らないと。というか、クルト様は報酬のことを知らずに断罪者ディカステスになろうとしてくれてたんですね。」

ニーシュが驚きと嬉しさの混ざったような笑顔でこちらを見る。あー、かわいい。


「よいしょっと。10、20、30。こちら30万円になります。」

前と同じ黒いカバンに30万円を入れて渡してくれる。

30万円あったら服とかも買えるよな。ビショビショの格好のまま服屋に行くのはちょっと恥ずかしい気もするけど、仕方ない。


ニーシュにお礼を言って、服屋へ向かう。

俺は前世から記憶力がずば抜けてあった(じゃないとあんなに一気に呪文なんか覚えられない)。この街のどこにどの店があるかはなんとなく把握済みだ。

俺の泊まっているホテルの近くの八百屋を過ぎ、たばこ屋の角を曲がって3軒目にあるゴウラ商店を右に曲がる。


ほらあった。俺はその大きい建物を見上げる。「服屋 しまうま」という文字と、おしゃれな服を着たマスコットキャラクターのしまうまが書かれてある大きな看板。

俺はドアの前に立つ。ウィーン。自動的にドアが開く。自動ドアがあるなんて。やっぱりこの世界は前の世界に似ている。


中に入ると、服が大量にかけてあった。ビショビショの俺を訝しむ視線を感じるが、そんなこと気にせずに服選びだ!



1時間後、俺のカゴにはパンツ3枚セット、靴下3セット、黒い長袖シャツ2枚、青セーター1枚と白いTシャツ2枚、紺ジャケット1枚とと茶色のチェック柄の探偵のようなジャケット1枚があった。ついでに財布とスニーカーも。

うーん、とりあえずはこんなもんでいっか。


俺はレジに行く。

「5万3千6百円となります。」


おー、結構する。前世では服を買ったりするのは妻がしてくれていたから、これが前世に比べて高い方なのか安い方なのかは分からないが、5万3千6百円は中々の額なのではないだろうか。


お金を払い、服屋しまうまから出て、すぐホテルに帰って来た。さすがの俺も、ちょっとこの格好のままで歩くのはキツい。

俺は部屋で服を脱ぎ、10万円が入っていた黒いカバンに入れる。風呂で体を洗った後、新しく買った青セーターと茶色のチェック柄のジャケットを着る。ああ、省略してるだけでちゃんと下着もはいてるよ?


新しい靴を履いて、黒いカバンに入れた濡れた服をゴウラ商店の目の前にあるコインランドリーに持っていく。

「服屋しまうま」でお釣りでもらった4百円を買ったばかりの財布から取り出し、機械に入れてスタートボタンを押す。


ガタガタガタガタ……

20分後、洗濯が終わった。血の汚れがまだちょっとついているけど、これ着て外で歩いても全然オッケーだ。

俺は薄汚れた緑のシャツと赤いジャケット、紺のズボンと下着を取り出し、黒いカバンに入れる。



服も着替え終わったし、ニーシュの所へでも行くか。まだ断罪者ディカステスについて知らないことだらけだし。

そんなことを考えながら人通りの少ない路地に入る。ここはホテルの近道で、俺がしまうまに行く時に見つけた場所だ。鼻歌を歌いながら歩いていると、金髪美少女が落ちてきた。


いや、マジで。俺は固まる。

「イッタァ〜。こんな乱暴じゃなくてもいいじゃん。」

美少女がぶつぶつと言う。なーんか見覚えあるなぁと思ってちゃんと見てみる。あっ。


「ミネルさんじゃないですか?」

「うーん?ああ、達夫くんだ!いや、この世界ではクルトくんだったけ?」

「いや、その前になんでここにいるんです?」

「えぇっとね、君にチート能力を返してもらうため、かな?」


え。

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