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第2話

そして今に至るって訳だ。

「クソッ!どうなってんだよこりゃ!」

俺はそう叫びながら森の中を走る。隣では同じく走り続けている加藤の姿があった。

「わからん!とりあえず走るしかないだろ!」

「それもそうだな……ッ!あぶねえ!!」

突然後ろから殺気を感じ取ったオレは咄嵯に横に回避した。転んで膝を擦りむいた気がしたがそんな事は気にしていられない。回避した直後、先程までオレ達が走っていた場所には何か大きなものが落下していた。それは……後ろにいたはずの巨大な蜘蛛だった。

「おいおいマジかよ……!」

その光景を見た俺は冷や汗を流す。あんなもん喰らったら一溜りもない…そんな事を考えていると加藤が叫ぶ。

「彰人!後ろ!」

「っ…?!」

その瞬間、オレの背中を大きな衝撃が襲う。

「グフゥ!!」

蜘蛛の攻撃をモロに受けたオレは吹っ飛ばされ木に激突する。全身に痛みが走ったがなんとか立ち上がることが出来た。

「くそっ!大丈夫か彰人!」

「あぁ、なんとかな……ダメだめっちゃいてぇ…オレ死ぬかもぉ…」

加藤の言葉に返事をしながらオレは自分の体を確認する。幸い骨が折れたりしている様子はなかったが、それでもかなりのダメージを負っている。所々怪我をしているし、暫くは動けないかもしれない。

「立て!逃げるぞ!」

加藤がオレの腕を掴み立たせようとする。だがオレは加藤の手を振り払った。

「逃げられるわけないだろ?こんな状況で……」

「だからってこのまま殺される訳にも行かねぇだろ!?」

「悪いけど加藤、オレを置いて先に行け。動けないオレがいなければお前だけでも助かる可能性はあるだろ?」

「ふざけんな!お前を置いていけるわけないだろ!」

「それにあの蜘蛛が暴れたせいで他の化け物が集まってくるはずだ、そうなれば尚更生き残れる確率は低い」

「っ……」

加藤は何も言わず俯いている。

「早くしろ!じゃないと2人とも死んじまうぞ!」

「でもお前を……」

「いいから!さっさと行けっつってんだよ!」

しかし加藤は俺を背負い走り始める。

「馬鹿野郎!何でオレを置いていかないんだよっ……!」

「嫌だ!お前を見捨ててなんか行けるか!」

「お前……!」

「お前が死ぬなら俺も死んでやる!お前が行くなら俺も着いていく!」

「加藤……」

俺はこの男になんて言えば良いのか分からなかった。だけど……

「ありがとうな、お前のおかげで決心がついたよ」

「……どういうことだ?」

「あいつを倒すって事だよ」

「どうやって倒すってんだよ!俺たちよりデカいんだぞ!?勝てるんけねぇだろ!?」

「さっき吹き飛ばされて気づいたんだが…アイツ、どうやら力はそこまで強くないっぽいぞ、さっきの怪我も気にぶつかった時に出来たやつばっかだしな」

「じゃあ…とりあえずアイツの攻撃はあまり気にしなくていいのか?」

「あぁ。突進にさえ気をつければどうにかなるさ」

「……で、結局アイツを倒す手段は見つかってなくないか…?」

「そうだな、どうしようか」

「おい!」

オレ達は軽口を叩きながら森を走り続ける。そしてその時だった。

『グルルルルァ!!』

突如として前方に現れた狼の群れに道を塞がれる。

「彰人!やべぇぞ!」

「丁度いいな…アイツに狼ぶつけようぜ!」

「ぶつけるって…どうすんだよ!?こいつら、俺たちを襲う気マンマンだぞ!」

「それなら大丈夫だ…加藤、これで狼をあいつの方に誘導しろ!」そう言ってオレは加藤に昼食うはずだった弁当を渡す。

「OK…オラ狼共!これが見えるか?エサだぞ!これが欲しけりゃ……取ってこいッ!」

投擲された弁当は宙を舞い見事に蜘蛛の背中に着地する。狼共は一匹残らず蜘蛛の方へ向かって行く。

「……本当に上手く行きやがった…」

「すげぇ、まさかこんなに上手く行くとは思ってなかったわ」

「おい!?」

先程と同じように軽口を叩きながら、森を抜けるためにオレ達は走る。

というか主に加藤が、だが。

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