俺は患者には絶対ならない!
楽しんでもらえれば幸いです!
バゴオオオン!!!!
「アハハ!今日もきれいな花火ね!!」
朝から姉貴が盛大に能力で花火する。うるさいからやめてくれといってもやめてくれない。
「あんたいい加減にしなさい!」
ドゴオオオオオン
母さんの雷が物理的に落ちる。
そして俺が毎日近所の皆さんに菓子折を持っていくまでが我が家のここ数年の恒例行事だ。
とりあえず母親の雷が俺に落ちる前にさっさと支度してリビングに向かわなければ…
リビングに降りると何事もなかったかのように朝食を頬いっぱいに頬張る妹の神崎陽毬の姿があった。
「ひまりちゃん俺の朝飯は?」
「お兄ちゃんおそーい!ひまりが全部食べちゃったよ!」
「際ですか…」
俺の朝飯いいいいいいい
妹とよ。可愛く言えば許されると思わないとこだ。今日こそガツンと言わなければ俺の朝飯はなくなってしまう!
「ひまりちゃん?お兄ちゃんの分も入ってたよね?ひまりちゃん人の分もとって食べるとみんなに嫌われちゃうよ?」
「お兄ちゃん!嫌い!」
「ごめんなさい!是非私の分までお召し上がりください!!」
「あら?じゃあ司の朝飯はこれから全部ひまりにあげるわね」
このくそ母親お前がひまりちゃんの食べる分しっかり用意しないから俺の朝飯だけ奪うんだわ!
「そもそも母さんがひまりちゃんが満足できる分だけ朝食作らないのが行けないだろ!」
「仕方ないじゃない毎朝毎朝あの焔が爆音鳴らすからいつも目玉焼き焦げちゃうのよねぇ〜」
「なら姉貴の朝食抜けよ!」
「あの子食べてから毎朝やるから減らすも何もないのよね。」
本当クソ姉貴だな
「そもそもあんたの起きる時間が遅いのが1番悪いと思うのだけれど、お母さん間違ってるかしら?」
俺は全力で首を横に振った。
命は惜しいのである。
そこへシャワーを浴びてさっぱりした雰囲気のことの発端がリビングに制服姿でやってきた。
「あんたやっと起きてきたの?そんなんだから落ちこぼれとか言われるのよ」
「それとこれは関係ないだろ。」
「あーはいはい言い訳苦労様〜」
これだから姉貴は嫌いだ。
「焔言い過ぎよ。また感電したいのかしら?」
「!? わかったわよ。私そろそろ学校行くわね。ひまり準備できてる?」
「うん!姉ちゃんいつでもいけるよ!」
「おっけ!ひまりと一緒に学校行ってくるわね」
「ママとお兄ちゃん行ってきまーす!!」
「行ってらっしゃい。気をつけるのよ」
「ひまりちゃん行ってらっしゃい!」
「司私には?」
姉貴が刺激するように視線を送ってくる。
「さっさと行ってきてくださいお姉様。」
「ふふん♪行ってくるわね〜」
ガチャリ。
2人が玄関を潜ると家は静かになる。いつものことだ。
俺はこの時間が1番嫌いだ。自分が嫌になる。妹と姉は学校に行って俺だけは家に残る。母さんは家にいるけどそういう話じゃない。俺も本来なら学校に行けているはずなのに。そんな風に思って厨二病に目覚めればよかったのにと思う自分が本当に嫌いだ。
「司。そんなに気にすることはないわ。私とあの人の子供なんだもの。」
「そんなこと言われてもどうしようもないだろ。」
「焔と陽毬は私の症状を引き継げているわ。でもあの人の能力は引き継げてはいないわ。あの人の症状は私はあなたが引き継いでいるって確信しているから。」
「たしかにそうだけど親父の能力は特殊だろ…どうしてそう思うんだよ」
「女の感よ。母親の感とも言うわ。少なくともあなたが無能力なんて絶対にありえないわ」
「なんだそれ…まぁ無能力の人なんていないけどさ…俺以外。」
「はぁ…まぁいいわ。時間が解決すると思うから気長に行くことね」
「へいへい」
なんでこんな期待するんかなぁ…母さんの期待は母親としての期待にしては確信的で思わず信じてしまいそうになるけど自分のことは自分がよくわかってる。
それに姉貴は朝の1発だけであとは落ち着いてきたけど能力を目覚めたばかりのときは手がつけられなかったからなぁ…
俺は絶対にああなりたくない!絶対にだ!
俺は厨二病なんかに絶対にならない!!!
ご愛読ありがとうございました!
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