第〇〇五話
更新は気分的に、マイペースに、です。
我が妄想。……続きです。
幾つもの季節が過ぎ、今は草木萌ゆる春。黒の樹海の地勢は益々盛んで、そこに棲む生物にとって待ちに待った活動の季節。開拓村は貧しいながらも、村人全員が協力をして生活を営み、緩やかだけれど平和に時を刻んだ。
お陰様で私も無事に九歳を迎える事が出来た。……精神年齢的にはもう直ぐ六十歳だけど!気分的に来年は赤い服を用意しなければ、という気になった。
開拓村も大分広がり、住人の数も幾分か増えている。アルタ兄さんは十七歳となり父さんと一緒に共同管理の畑を見ながら狩りに出るようになっていた。アルタ兄さんが十二歳の頃には既に狩りを始めていて、その時初めて開拓村の狩り場の最奥まで進み、色々な獲物を獲ってきたと自慢していた。
そんなアルタ兄さんにも春が来ていた様で、彼女が出来たとか結婚話が出ているとかそう云った話が聞こえている。リア充め、羨ましくなんんてないんだからね!
カレン姉さんは十五歳となりと母さんの仕事、村の薬剤師の手伝いをしている。美人な母さんに似て村の若い衆に結構な人気があり、交際や結婚を申し込まれたりしてるという。その話が出る毎に母さんは喜んでいたけれど、父さんは男親として複雑な顔をしていた。
カレン姉さんの流れ弾として、九歳の私にも今のうちに唾を付けようと寄って来る男連中も少なからず居たのだが、中身が男の私にとってドン、タッチ、ミー!な気分だった。合言葉の「Yes、ロリータ、No、タッチ」を教えてやりたい。如何やら前世の私に似た嗜好の輩も居るようだけれど、それとは別に、この世界の結婚適齢期は早いのだと実感もした。
私はと言うと、午前中は母さんとカレン姉さんから簡単な勉強を教わっている。その傍らで、色々な薬作りの手伝いをしている。体力回復のポーションを始め、簡単な傷薬や塗り薬。果ては虫除けの薬。魔物避けの薬は凄い酷い匂いがしたけれど。中には精力剤なんてのも有った。たまに村の人に緊急に頼まれ解毒剤も調合していた。生活に関わる技術の一つ、薬作りも勉強の一環として教えて貰っている。
薬剤作りは三人で分担作業をしている。私は一番の下っ端なので薬研やすり鉢、乳鉢で薬草を磨り潰したり、大きな釜で薬湯を作り、濃度を上げて煎じたりする地道な作業をこなしている。
当初は見様見真似で二人の手伝いをしていたけれど、ある時、母さんが私の煎じたキノコや薬草類が他のモノより薬用効果が高い事に気が付き、試しにそれを使って製品にしてみたら、やはり既存の製品より何割増しか効果が認められた。
時折この開拓村にやって来る行商人に確認したら、以前の物は中品質ポーションだったけれど、試作製品は高品質ポーション並みと認められた。以後それなりの値段で買い取って貰える様になった。母娘三人で飛び跳ねるように喜んだ。
何故そうなってしまったか母さんは考え込んでいたけれど、現状の作業分担で品質的に問題がないので途中で考えるのを止めていた。それから何日かして、私の作業を何気に見ていた母さんがナニかに気が付いて、それを指摘した。如何やら原因は私にあった模様。
それこそ最初の頃は初めて扱う道具なので面白く使っていたのだが、途中から飽きてしまい無心にゴリゴリグツグツさせるのは時間が勿体無いと感じて、折角だからと体内で魔法を練る鍛錬も合わせて始めた。如何やら気が付かない内に、私の体内から漏れた魔力が煎じた薬草類に影響を及ぼしていたようだった。
母さんも下拵え作業の際、調子のいい時は自分の身体から揺らめくナニかが材料に流れて浸み込んでいくのが見えたのだそうだ。それが私の作業中に見えたらしい。母さんはそのナニかはよく判らない様だったが、私は自分の作業行動を思い浮かべ、そのナニかは魔力の事なんじゃないかと思い当たった。
お陰で現在は材料の下拵え担当になってしまった。魔力鍛錬出来るからいいんだけれどね。調子に乗って大量の魔力を練り込んだ時は、母さんも吃驚するぐらい、いい意味で材料が大変な事になったけれど、今は「美味しくなーれ、美味しくなーれ」程度の魔力を込めている。ポーション類や薬に「美味しくなーれ」もなにもあったものではないけれど、気持ち的に注入している。
思えば、私の魔法特性は母さんの魔力体質の遺伝みたいなものだったのだろう。ちなみにカレン姉さんに魔力は無かった様で、カレン姉さんが煎じた材料にそれ程変化は無かった。その代わり調理や裁縫などの家庭的な仕事が得意だった。村の男達に言い寄られるのも納得だ。
材料になるキノコや薬草類は消耗品なので、早朝から採取しに母娘三人で樹海へ探しに出る事もあるけれど、大概は足りなくなった物の補充分だけ確保すればよかったので、勉強を終えた私が遊びがてら、一人で午後から樹海へ採取しに出る事で間に合っていた。建前として、人間の生活領域で探す分には比較的外敵となる動物が少ないので奥へ行かない様に気を付けながら採取している。事になっている。
二人には内緒だったけれど、私は鑑定とストレージがあったので、それを使ってキノコや薬草類を採取して歩いていた。鑑定は似た形状の植物が在っても誤認せずに発見出来きる収穫便利ツールとして使わせて貰っている。その為、サクサクと採取出来るので時間単位の収穫量が多い。中には母さんの知らない植物類もあったりする。
母さんとカレン姉さんには自宅に帰った時に、その内の適量分だけ薬剤の材料として渡している。余分な物はストレージ内に収納している。中の時間は止まっているので品質としては採れ立て新鮮なのだ。それ等はあとで小出しにする為に寄せている。六歳の頃からの習慣だ。
読んで頂き有り難うございます。
構成を考えず直感で自己満足しながら楽しんで書いているので面白く読めるかは判りません。
120%の適当加減さ。中途半端な知識を妄想でブレンドして、勢いと雰囲気だけで誤魔化そうとしています。
読み手に対する時間泥棒な作文です。読み辛い部分が多々有ると思いますが、そこは平にご容赦を。