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こんがり焼けました



一旦カモを家の前に放置し、ノコギリを取りにいった。


いやだって、カモさん血まみれなんだよ?これからまた血まみれになるんだよ?家の庭血まみれになるじゃん?ハエとかウジとかわくんじゃね?臭うんじゃね?そんな家嫌じゃね?汚したくなくね?的な感じで家の前に放置しました、はい。



「それにしても、これどうやったらいいんだろう…」



ノコギリを持ってきたのはいいが、どうやって解体したらいいかわからず、色々と悩んでいる。


睨み会うこと10分、足付近を切ってみる事にした。



「これってあれだろ、ファ〇チキみたいにしたらいいんだろ。こんなの余裕余裕。まずは皮を剥ぎましょ~う♪るんるん」



股からギコギコ切っていく。ここで肉を切るという何とも言えない気持ち悪い感触が手から伝わる。



「うわ、むり、おぇ、もう無理、キモい、まじキモい、おぇ、血出すぎ、キモい、ジーパン血まみれ、おぇええええええげろげろg」



いくら食べ物といえ、生き物を切り刻むのはとても精神に堪えた。今まで生きてきた中で一番の正念場だったと思う。



数分後、やっとの思いでファミ〇キサイズに切り取ることができた。



「ふぅえ。切りやすかったけど、こんなに精神力がいるとは思わなかったな…。まじ疲れた。しかも服血まみれだし。もう食欲が無くなったからこれだけでいいや」



というか食べれるのかこれ…?手に持っている肉を見てみる。血まみれだが、洗って焼いてみれば普通に食べれそうな気がする。でもこいつ草を溶かしたブレス吐いていたし…。この肉食べたら胃が溶けてしまった、てことにならないといいが…。



「ま、物は試し。食べてみるとしますか!」



肉を台所に持っていき、水で浸した。血が洗い流れるまでの間、スコップで穴を堀り無残なカモを埋めることにした。




「さてさて料理料理」



カチカチッと静電気の音を立て、次の瞬間火が付く。フライパンに油を浸し熱する。



「そろそろいいかな?」



先ほど洗っておいた肉をフライパンに入れる。ジューと油と肉が焼けるいい音が響いた。



「おぉ!いい匂いしてきた!全然いけそうじゃねコレ!てか味付けしなくてもいけそう!」



こんがり焼けてくると同時に香ばしい匂いが漂い、よだれが自然とでてくる。



「もういいかな!いいだろうな!いくぜ、よし、いただきまーす!」



あまりのいい匂いに待ちきれなくなった俺は、すぐさま皿に乗せ、そのままかぶりつく。



「ぅおお!なんだこれ!全然うまいじゃん!ファ〇チキの次ぐらいにうまい!全然いけるじゃん!」



カモが結構いけることは嬉しかった。もし食料がなくなってもあのカモを狩り続ければなんとかなる。それに冷蔵庫もあるし保存ができるしな。



………あ。




「さっきのカモ全部解体しとくべきだったああああああああああああああああ」



初めての慣れない作業、気持ち悪い物体、嫌な存在は穴に埋めてしまえという単純な考えに至った自分を後悔する。



そこから小一時間、水分を取ってリビングて休憩していた。



「ふぁ。お腹は膨れたし、時間もお昼前だし、ちょっと探検でもしにいってみようかな」



竹刀袋にモリを入れて肩からかけ、包丁はタオルでまいて袋にいれて腰にくくった。また、この竹刀袋には木刀も入っている。



「探検というより冒険だな。なんかわくわかくするな。そんじゃいってきます!」


へっ、いよいよ冒険か。それらしくなってきたじゃないか。くぅうううう、ファンタジーいいい!どんなことが待ち受けていようがなんとか乗り越えてやるぜ!俺の1ページ目の犠牲となったカモの為にも!!



わけがわからないことを胸に誓い、弾む胸を全開にして家を飛び出した。



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