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第三十二話 生きる意味

ラファエル達一行は、ようやく人造生命体の数を減らし、結界を解いて戦えるかという所まで来ていた。

「よし、皆準備はいいか!結界を解くぞ!」

ラファエルの号令で博やみゆりが剣を構える。

「やっと私の出番ですわね!到さんやノエルさんは魔法を使い続けて疲れたでしょうから、下がって休んでいてくださいな!」

みゆりが意気揚々と言うが

「残念ですが、女性に戦わせて影に隠れているのは、僕の主義に反しますので」

と、到が人造人間に眼鏡型コンピューターからレーザーを撃ち込む。

「人の姿をしている相手に顔面を狙うとは、相変わらず容赦ないな、おまえ……」

幸広も呆れながら、狼の人造獣の腹にロッドで突きを繰り出す。

「まぁまぁ。みんなで総攻撃して、さっさとルーテを追いかけるぞ!!」

ミカエルがいつの間にか到から借りたレーザーガンを、幸広が戦っていた狼にぶっぱなし、とどめをさす。

みゆりも剣を振るい人造人間に向かっていく。

「剣の舞い!!」

振った瞬間は重みがあったが、最初の一撃がクリーンヒットして、敵に大打撃を与えられた。

光玉の力を分離しただけで、こんなにも違うのか。今までなんの役にも立てなかった事を思うと、感激も一潮である。

舞い終わる時には一人で三体を倒していた。そして最後の人造人間も、博が豪快な剣術で倒す。

「よし、いっちょあがり~。みんな、タワーに乗り込むぞ~」

博が間の抜けた声で先導する。なんだか気が抜けるが、それぐらいが良いのかもしれない、と到は思った。

「そうですね。行きましょう」

到も歩を進めると、皆それぞれ顔を見合せ駆け出した。



☆ ☆ ☆



ルーテが光玉に自分の精神力を注ぎ込む。その様子を見て、ネフェニーは聞かずにはいられなかった。

「教えて、ルーテ!あなたが生きていたくないのはわかったわ。でも、どうして光玉を破壊する必要があるの?どうしてこんな大掛かりなことを……。あなたが死んでしまったら、光玉の有無なんて関わりないことでしょう!?」

彼女はネフェニーの方を一瞥すらくれず答えた。

「………言ったわよね。光玉のせいで“私達”の人生は狂わされたって。だから、どうせいつか死ぬなら道連れにしてやろうって思ってたのよ。まぁ意趣返しみたいなものね。それに光玉を破壊すれば、私の存在も後世まで語り継がれるだろうし。どうせいつか死ぬなら、歴史に名を残すのも悪くないでしょう」


ルーテは、死ぬことを前提に人生を決めているようだった。

まるで生きていること自体に価値などないとでも言うように。

それは果たして正解なのか不正解なのか、答えなどないのだろうけれど、そんな風に言うルーテがネフェニーは悲しかった。


「…………く!!」

ネフェニーが答えられずにいると、ルーテが力を振り絞ってロボットの生命体を作り終えた。

巨大な足から胴、腕、頭と順々に姿を現す。そして鈍色の巨体が全て完成した。

三メートルはあるかという全長に、胴回りは人が三人束になったかというほどある。頭は兜を被ったかのような姿をしていて、全体的に総じて厳つい。

意思があるような雰囲気もないが、時折金色に光る目が恐ろしい。

「…………はぁ、はぁ………。………さすがに、身体中のエネルギーを使うと、疲れるわね……」

ルーテが肩で息をしながら呟く。

ネサラは彼女が創ったロボットとうより巨大な鎧の騎士を見て

「とても俊敏そうには見えないが、防御力はありそうだな。それも計算して作ったのか?聖戦士達がダメージを喰らいにくいように」

その通りだった。それは、最初からネフェニーも知る計画の内だった。作るだけ作って、あとは聖戦士に倒してもらおうと。光玉を破壊するほどのエネルギーを使うためには雑魚ではダメだ。強力な生命体でなければ。しかし早さや攻撃力に優れた生命体では、聖戦士が無駄死にする虞がある。だから防御力に特化したロボットを作ったのだ。

まさかルーテが死のうとしてるとは思わなかったが。

「………まだ……よ。光玉は……まだ壊れていない………!!」

もはや、光玉を破壊する執念だけのルーテには、ネサラの問いも耳に入らない。

はぁはぁと息もままならぬ状態で、カッと目を見開き、手元にある光玉を忌々しげに睨み付ける。

「これを壊す事だけが………、私の生きる意味だったのよ………!!壊せないまま死ぬなんて………、そんなことは………させない………!!」

光玉を握り潰すかのように力を込める。そして。

「はぁぁーっ!!」

最期の力を振り絞って、光玉の魔力をロボットにぶつける。

「やめて!!そんなことをしたら、本当に死んでしまうわ!!」

彼女の気持ちはわかったが、やはり目の前で死なれてほしくはなかった。彼女の死と光玉の破壊では、ネフェニーにとっては天秤にかけるまでもない。本当は、十中八九とネサラが言った時から、少しの可能性にかけていたのだ。もしかしたら、彼女が死なずに済むのではないかと。だがこのままでは。

「もうやめてーー!!」















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