表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リーディングファンタジア  作者: けろよん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/34

城内の戦い

 城門前の掃除をあらかた終えてあたし達は城の中へと踏み込んで行く。

 中でもやっぱり敵が出現するようになっているね。魔の力の影響か薄暗い霧も漂っている。

 この城ではデビルアーマーやヒールスライムやインプやガーゴイルが出現するようだ。悪魔系の敵が多いね。

 敵は強くなっているけどこっちも強くなっている。アタッカーが二人いると敵が早く片付くね。サカネちゃんが回復魔法を使えるのも助かった。


「ルミナ! 俺の戦いどうだった!?」

「うん、コウは順調に強くなっているね」

「ルミナ、俺も腕を上げただろう?」

「うん、ディックさんも助けてくれてありがとう」


 二人が無茶して突っ込んでいくのを安心して見ていられるのはサカネちゃんが回復魔法を使ってくれるおかげだ。あたしは素直にお礼を述べた。


「サカネちゃん、来てくれてありがとう」

「いえいえ、パーティーを支えるのがヒーラー職の仕事ですから」


 サカネちゃんも前衛はただモンスターを殴ってくれればいいという考え方なのだろうか。彼女の顔からはよく分からなかったけど。

 ともあれ、ザコが片付いたので先に進むよ。ボスはおそらく王様のいた謁見の間にいるだろう。

 そこに隠し階段のあるゲームもあるけど、まずはそこを目指して進む。

 雰囲気は変わったけど城の構造が変わったわけではないので、まずは真っすぐに進めば二階に行く階段があるはずだ。

 だが、そう甘くはいかなかった。階段の前にぼんやりと暗く輝く壁があったんだ。


「何だこれ。通れないぞ」

「今度のは鍵穴が見当たらないな。くそっ」


 コウは初めて見たようで珍しそうに触っている。ディックも調べているが今度のは開けられそうになかった。

 あたしはゲームでこれの存在を知っていた。


「これは結界だね」

「結界?」

「悪魔が用意したのか?」

「おそらく。あたし達を直通でゴールに行かせないようにしているんだよ。これが結界ならこの階のどこかに結界を守るモンスターか物があるはずだよ」

「へえ、ルミナは詳しいんだな」

「だろ? ルミナは賢いんだ」

「頭がおよろしいんですのね」

「いやー、それほどでも」


 こんなゲームの常識レベルのことで褒められても照れてしまうよ。

 そういうことで、あたし達は一階を探索して結界を張っている物を探すことにした。

 それはすぐに見つかった。1階の廊下の突き当りに怪しく回転している宝石のような物体があった。


「あれを止めれば多分結界が解けるよ。でも、気を付けて」

「こういうことは盗賊に任せろ!」

「おい、ルミナが気を付けろって言っただろ!」


 ディックが近づき、コウも後に続いていった。あたしは周囲を警戒する。こういう場所ってだいたいモンスターが出現するんだよね。

 その予感は当たった。奥の石像が動き出した。


「石像が動くよ。気を付けて!」

「チッ、まだ止めてねえのに!」

「俺が止めてやる!」


 装置に掛かりっきりのディックの代わりにコウが飛び出した。剣で石像の攻撃を受け止め、すぐに切り返す。

 石像は固かったが、コウのレベルは海底トンネルでカニとやりあっていた時よりも高く装備もよくなっていた。何回か攻撃を繰り返して倒すことが出来た。

 ディックも盗賊としての技能があるだけあって装置を止めることに成功した。

 ゲームによっては警報とかのトラップがある事もあるんだけど、その心配はいらなかったようだ。


「多分これ一つだけじゃないね。同じような物が無いか探してみよう」


 あたし達は再び一階の探索を再開する。歩きながらサカネちゃんが話しかけてきた。


「ルミナさんは戦わないんですか? あの石像なら攻撃魔法の方が有効だったと思うんですけど」

「あたしは導くのが仕事だから」


 高嶺ちゃんと同じような事を。

 でも、仕方がないんだ。あたしの力は特別な権限で強すぎるから。

 この力を振るえば楽になるかもしれないが、コウの冒険を破壊してしまう。彼の勇者としての旅を台無しにしてしまう。

 だから、あたしは導くしかないんだ。その為にこの世界に来たんだから。

 あたしはそう信じ、前に進むことを決めていた。



   

 装置を全て止めて結界を解除し、階段を上ったあたし達はそこでも数々のモンスター達と戦闘。

 全てを打ち倒し、張ってあったトラップも解除して、ついに謁見の間の扉の前へと辿り着いた。

 中からは言いしれない不気味な妖気のような物が漂ってくる。ネクロマンサーが儀式を続けているんだ。


「この大扉を開いたら多分ボスとの戦闘になるから、まずはここで立ち止まって準備して」

「ああ、分かった」

「お前の言う事なら聞いておくぜ」


 あたしの言う事をコウもディックも素直に聞いてくれる。それはいいんだけど……


「ここまでは互角だったな、勇者の坊主。だが、ボスを倒すのは俺だぜ!」

「ふざけるな、盗賊が! ボスを倒して国を救うのは勇者である俺の役目だ!」

「…………」  

「「見ててくれよな、ルミナ!!」」

「うん、見てるから準備が出来るまでその扉を開けないでよ」


 男の子ってこうなんだろうか。戦闘や競争を楽しむ感じの。あたしにはよく分からない。

 元気の有り余っている二人の体力に問題はない。サカネちゃんが回復魔法を掛けたからね。


「お待たせしました」


 そのサカネちゃんがMP回復ポーションを飲んで準備は整った。


「さあ、ネクロマンサーを倒してこの国を救うよ!」

「「おお!!」」


 勇者パーティーが乗り込んでいく。さあ、ボス戦の始まりだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ