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2日目







『前回のあらすじ』


魔王ユネスによって脅かされた世界に、魔王を打倒するために降り立った勇者。その様子を遠くの魔王城から知らされた魔王。

はじまりの森にいることを知らされるが、いくら待っても森から抜け出せたという報告が入って来ず、入ってきた情報は


「大した経験値も手に入らない魔物でレベル上げをしている」とか


「猿でも抜け出せる森の中で道に迷っている」とか


挙げ句の果てに「結局最後は捨てる羽目になるのに薬草をケチって使おうとしない」とか


最終的に「ケチったせいでスライムにやられて、おまけにセーブもしていないから最初から」


と、どうでもいい報告ばかりが入ってきて、恐らく世界で3本の指に入るであろう無駄な時間を過ごした魔王。

今日こそは、何か進展があるのだろうか?本編スタート












遥か遠くにある魔王城にて、魔王のいる最上階の部屋に、魔王の配下であるヴァンが現れる。


「魔王様、報告です。」


「なに?もう森を出たでしょう?流石にもう出たでしょう?」

前回とんでもなく無駄な時間を過ごした魔王ユネス。進むどころか後退してる勇者の進展を望んでる様子だ。


「はい、森を抜けて次の街に到着しました。」


「よかった…まだ森にいるって言ったら、本気でその勇者を討ち取りに行こうと思ったわ…」


魔王が魔法を使用して、勇者がいる街を映し出す。ここで初めて勇者の姿を見る。


「この街は最初の街と違って、道具屋に置いてあるアイテムの種類も豊富、鍛冶屋の武器もそこそこいいものも置いてある…先にどっちに向かうのかしら?」

勇者がどちらへ向かうのか、魔法越しに見てる魔王。そういう方向へ向かうのであれば、森のことは聞かなかったことにしようとも思っていた。


だが勇者が向かった先は、鍛冶屋でもなければ道具屋でもない。すぐ近くの民家へ入っていった。


「…あれ?」

自分の予想とは全く違う場所へ向かった勇者。道具屋や鍛冶屋に向かおうとして、間違えて入ったのだろうか?そう思っている魔王。

だが民家から出ようとせず、いろんなところを調べ始める勇者。



「…なにしてるの?あれ…」

隣にいるヴァンに、勇者の取ってる行動を聞く。ヴァンは勇者の行動をじっと見ており、口を開く…


「…物色してますね、アイテムがないか調べてます。」

勇者がタンスから薬草を見つけて、平然とした表情で鞄の中に入れる。


「いや本当になにしてるの!やってることが泥棒でしょうが!!」

その泥棒同然の行動を取る勇者、その民家にはもう何もないと思い、違う民家に入る。民家の中に人がいるにも関わらず、堂々と物色する勇者。


「勇者だからって、何してもいいってわけじゃないでしょ!ていうか、何でみんなガン無視?物色されてることに気づいてないふりしてあげてるの?それが優しさなの?」

勇者と住民に対してツッコミを入れ終わると、勇者がその民家の物全て調べ終える。何も手に入らなかったようだ。


「…チッ」


「ねぇ、今からコイツ消し炭にしていい?」


「抑えてください、魔王様!」


その街全ての民家の物色を終えた勇者は、鍛冶屋へ向かう。そして、その鍛冶屋にある強い剣と防具を手に入れて、装備する。


「どうやら、回復アイテムを買うのをケチって装備を買ったみたいです。回復アイテムは、民家から物色したもので行くみたいですよ。」


「ケチり方が尋常じゃないんだけど。ていうか罪悪感ゼロか。」

そうしていると、仲間になりたいという2人が勇者の前に現れる。1人は僧侶の老人、もう1人はシーフの少女。どうやら、どちらか片方を選ぶようだ。


「……ほう、この老人…そこそこ実力はありそうね。」

僧侶の老人を見て、そう言う魔王。


「一緒に冒険してたら、きっといい術を覚えるはずよ。シーフの方は…大した攻撃力も持ってないし、せいぜいアイテムを奪いやすい程度でしょ?それだったら、両手剣を持った騎士を仲間にしたほうがいいわ。」


「魔王様、勇者が仲間を選んだようです。」


「ほう?どっちを選んだのかしら…いや、こんな疑問待つまでもないわね。」

そう言って、勇者を見る。
































「これからよろしく、勇者さん!盗みは、任せておいて♪」

シーフの少女を選んだようだ。


「なんでそっちを選ぶの!!!普通僧侶を選ぶでしょ!!」

ヴァンが勇者の方を見る。勇者は少し鼻の下を伸ばしている。


「魔王様、どうやら性別で選んだようです。」


「ねぇ、コイツと会いたくないんだけど、コイツと戦うと考えるとゾッとするんだけど…」


ゾッとしながら、泥棒コンビ…ではなく、勇者達が進むのを見てる魔王であった。


次回へ続く

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