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演説会の直前に
始まりました。よろしくお願いします。では、どうぞ。
かのロシア革命から百年たった2017年、ある私立A学園B中学・高校では、理事長、校長の絶対的権力のもと、圧政が敷かれていた。不正な学費を徴収し、体罰を容認していたが、いわゆる右的な教育をしていたため、政府は目をつむっていた。しかし、この学校に裁きが下されることとなったのだ。
四月下旬、生徒会選挙の演説会があった。候補者の中に一人、目立った人物がいた。浦佐 錬この学校の学風には似合わない左的な思想の持ち主であった。彼の演説の直前、彼の親友の三郷洋介は心配してこう言った。
「君、少々危ないんじゃあないかい?」
しかし、浦佐はこう反論した。
「この日本は言論の自由があるんだ。大丈夫さ」
そして、この学校史上もっとも物議をかもした演説会が始まるのだった。
次回、
四月二十四日テーゼ
です。ではまた