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ラオファン国に着き、ジュフア様と話をした後、ラオファン国王との謁見をすることになった。
国王は私の持ってきた書状を読むと、顔を真っ青にしていた。
「この書状、しかと受け取った! 我がラオファン国は全面的に協力しよう」
ラオファン国王の言葉にジュフア様は呆れた顔をしていた。
「今宵は歓迎のパーティを催す故、どうか楽しんでくれ」
ラオファン国王の言葉に私達は退室して宴のための準備を始めた。
私は殿下の髪のような黒を基調としたマーメイドラインのドレスに殿下の瞳と似たスカイブルーのアクセサリーをつけた。
対する殿下は灰色のタキシードに銀色のネクタイをしていて、私の色である。
なんともくすぐったい装いである。
「……よく似合ってる」
「殿下も」
こんなやり取りすらくすぐったい。
「僕は?」
そこに現れたのはナイトブルーの可愛らしいフワフワのプリンセスラインのドレスを身につけたシュナ様だった。
「なんでその格好なんだ?」
「可愛いでしょ!」
そういってクルクル回りながらスカートが膨らむのを見て楽しんでいるシュナ様は本当に可愛らしい。
「シュナ様は本当に可愛らしいですわ」
「ふふふ! ユリアス姉様大好き」
シュナ様はそう言って私に抱きついた。
「お前達はどうして軽々しくユリアスに抱きつくんだ?」
「ルド兄様もユリアス姉様をギュッとすればいいじゃん!」
それは恥ずかしい。
「バカ野郎! 好きな女にそう簡単に触れるか!」
「こないだ寝室に連れ込んでたじゃん」
「誤解を呼ぶ言い方をするな!」
そんな落ち着きの無い話をしている間にジュフア様がやって来た。
「ユリアス嬢、本当に美しい! まるで月の女神が降り立ったようだ」
「ありがとうございます」
「ところで、彼らは何をしているんだ?」
シュナ様を追いかけ回す殿下を呆れたように見ているジュフア様。
「ルド兄様のドスケベ!」
「うるさいクソガキ!」
大人気ないとはこのことだろう。
「殿下……ルド様、その辺でお止め下さい」
よくよく考えたら、ここにいるのはみんな王子殿下である。
殿下と呼ぶのはあまり褒められたことでは無い。
私の言葉に殿下はシュナ様を追いかけるのを止めてくれた。
「まったく、ルドもシュナイダー王子もどうしたらこんなことになるんだ?」
ジュフア様の言葉に殿下はサッと視線を逸らした。
「それに、シュナイダー王子は何故ドレスを着ているんだ」
「可愛いから! 似合わなくなる前に着とこうと思って!」
ジュフア様は考えるのをやめたようだった。
「ジュフア様、シュナイダー王子ではせっかく可愛く装っているのに可愛くありませんわ! シュナ様とお呼びください」
「……では、シュナ殿で」
「はい」
私が笑いかけるとジュフア様も笑ってくれた。
「あれ? ユリアス姉様浮気しちゃダメだよ?」
そんな私達を見てシュナ様がまた私に抱きついてきた。
「こら! シュナ!」
「ルド兄様もちゃんとユリアス姉様をギュッとしてあげないと!」
「うるさい! 人前でなんて出来るか!」
私はクスクスと笑うとシュナ様から離れ殿下の腕にしがみついた。
「では、後ほどギュッとして下さいませ」
「面白がっているだろ」
更に笑う私に殿下はため息をついたのだった。
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