イベントって素晴らしい!
読んでくださりありがとうございます!
マニカ様と仲良くなるために私はマニカ様と取り巻き様達にプレゼント攻撃をしたり、お茶会に誘ったりした。
そのお陰か、マニカ様とその取り巻き様達に気に入ってもらえたようだ。
「噂ではユリアスさんと殿下が一緒に夜を共にしたとか?」
「ユリアスさんと殿下の逢瀬を目撃したとか?」
皆さんが教えてくれた噂は尾ひれがついている。
「殿下とユリアスさんが共に眠る記録があるとか?」
「え?」
何ですって?
私が首をかしげるとマニカ様が言った。
「殿下がユリアスさんを腕枕していたって噂ですわ」
………これは………
私は暫く考えて皆様に笑顔を向けた。
「皆様は殿下の事が好きですか?」
皆様が顔を見合わせているのを見て私はニコニコしながら言った。
「私、今殿下とイベントを考えていますの!皆様参加して下さいますか?」
私の言葉に皆さんは首をかしげていた。
私は王宮の宰相閣下の執務室に来ていた。
執務室には宰相閣下に殿下とお兄様とマイガーさんが来てくれた。
「少々面倒な事がありまして」
私がお昼寝事件を話すと宰相閣下が頭を抱えた。
「誰かが記録を撮っているらしいのです」
執務室に沈黙が流れた。
「ですので、イベントを開催します!」
「「「「イベント?」」」」
私はニコニコしながら言った。
「うちの店で一定金額以上のお買い上げをしてくださった方にマイガーさんとお兄様、更には殿下と親密に見える写真をおさめられるイベントを開催します!」
執務室に更なる沈黙が流れた。
「ですので、見本用に私と親密写真を撮りましょう」
「俺やる!お嬢とイチャイチャ写真撮れるんでしょ!やる!」
稼ぎ頭のマイガーさんが一番に了承してくれた。
お兄様は苦笑いを浮かべたが言った。
「証拠の信憑性を無くす作戦か。解った」
「さすがお兄様、殿下は強制です」
「何故!」
「殿下との信憑性を無くす作戦ですので!」
私はニコニコが止まらない。
「ユリアス嬢」
「何でしょう宰相様」
「私的な理由で王族を使うのは感心しない」
「違います!殿下との噂を無くすためです!勿論殿下との写真撮影をするには高額購入していただかなければできなくします!」
私は満面の笑みを浮かべた。
「ユリアス、顔から欲望が溢れ出しているぞ」
殿下が私を睨んでいた。
怖くもなんともない。
「殿下が寝ちゃうのが悪いんでしょ?」
「………解った」
こうして私はイベント用のポスターを撮り、店にポスターを貼った。
皆のお陰で滅茶苦茶売れた。
殿下と写真が撮りたくてお金を積むご婦人が何人かいた。
笑いが止まらないとはこの事か?
三日間限定イベントだったが物凄い勢いで売り上げが上がった。
去年の売り上げ以上の売り上げを三日間で出したのだ。
「毎月このイベントがしたい」
「お断りだ!」
私の呟きに殿下は嫌そうだったが、お兄様も売り上げが出ると喜んでくれたしマイガーさんもノリノリだったからまた企画しようと私は決めた。
こうして、私の企画により店の売り上げを上げる事と、殿下とのお昼寝事件の証拠能力を著しく削ることが出来たのだった。