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私ってヒロイン? バナッシュ目線

不快に感じたらごめんなさい。

 私は小さい頃から貴族に憧れていた。

 キラキラの宝石にヒラヒラのドレスきらびやかな日常。

 ずっと憧れていた。

 物語の中に出てくる貴族の暮らしに。

 物語の中でも『貴族になっても頑張っちゃうもんね!』は元々庶民の女の子が貴族の男の子と恋をする話だったから大好き。

 そんなある日、私は伯爵家に引き取られた。

 パパが伯爵だったなんて私は知らなかった。

 しかも、『~頑張っちゃうもんね』と一緒!

 これって、私の事を書いてるんだわ!

 だって、知り合う人知り合う人、本の中の人と性格も見た目も一緒。

 特にラモール様は王子様とヒロインを取り合う侯爵子息にそっくり。

 でも、私は王子様推しだった。

 ちょっと傲慢なところがある侯爵子息より優しくてしっかり者の王子様の方が幸せになれそうだと思っていた。

 けど、全然王子様と知り合いになれないの。

 私は王子と知り合いになろうと頑張った。

 そこに現れたのは悪役令嬢にそっくりなユリアスさん。

 私よりも王子様と良く一緒に居るしちょっと本と違う人。

 本の中では侯爵子息の事が好きで、その好きが解りにくくて嫉妬深く庶民嫌い。

 でもユリアスさんは、ラモール様が好きかは解らないけど嫉妬なんてしないし庶民と仲良し。

 だから、私が本の通りにしても全然上手く行かない。

 私、王子様推しなのに。

 頑張って王子様と仲良くなろうとするのに全然上手く行かない。

 何でユリアスさんだけ上手く動いてくれないんだろう?

 ユリアスさんが思い通りにならないせいか、王子様とも上手く仲良くなれない。

 ああ、王子様と早くイチャイチャしたい。




 私は考えたの。

 物語を軌道修正しないと。

 そのためにもユリアスさんには悪役令嬢になってもらわなきゃ!

 ユリアスさんに階段から突き飛ばしてもらえばユリアスさんは一気に悪者になってくれるよね!

 私は計画をたててユリアスさんを呼び出した。

 呼び出した時に王子様と目が合ってドキドキしちゃった!

 まあ、それは置いといて。

 ユリアスさんは私に言われた通りに階段近くの廊下に来てくれた。

 私は偶然を装いながらユリアスさんを誘導する。

 ユリアスさんもニコニコしながらついてきてくれた。

 階段の上でユリアスさんをイライラさせて階段の中ほどまで来たぐらいで突き落としてもらおう。

 そう思っていたのに私はユリアスさんがちゃんとついてきているか見ようとして階段を踏み外しちゃったんだよね。

 ユリアスさんは咄嗟に私に手をのばしてくれた。

 私はその手を掴むと引き寄せるために半円を描くようにユリアスさんの手を振りぬき遠心力でユリアスさんの居た位置と私が居た位置を入れかえた。

 私、運動神経には自信があるの。

 驚いた顔のユリアスさんが階段の下に落ちていく。

 あれ?ユリアスさん怪我しちゃう?

 そう思った瞬間王子様が突然現れてユリアスさんを抱き止めたは良いけどそのまま後ろにユリアスさんごと倒れた。

 キャー格好良い!

 私と何処に居たのかラモール様が駆け付けるとユリアスさんは怒ったように医療魔法が使える人を連れて来いって怒鳴ったの。

 でも、王子様に助けてもらえるなら私が落っこちればよかった。

 思わず呟いちゃったらまたユリアスさんに怒鳴られちゃった!

 本当に怖い。

 助けるとか言ってたけど、助けられたの貴女じゃん!

 もう、本当に何でユリアスさんだけ本と違うの?

 他の人は本とまるっきり一緒なのに!

 ユリアスさんは私を目の敵にしてくれないと困るのよ!

 ああ、早く上手く行かないかな!

 ああ、本の新刊も買いに行かなきゃ!

 そろそろ王子様を選んで王妃様になる準備でも始まる頃でしょ?

 ああ、楽しみ!

 本の続きも、現実の王子様とイチャイチャするのも!

 その時の私は知らなかったの、本のヒロインが王子様を選ばないと言うことを………

電波だこいつ……

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― 新着の感想 ―
[良い点] ものすごく面白くて一気読みです この事件でバナッシュさんが目を醒ましてくれてる…! ユリアスさんに感動してくれる…!と思っていたので今回でズコーーーな気分です さすが自称主人公!ブレない…
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