口は身を滅ぼす?
翌日、パラシオ国の使者の送別パーティーを開いてもらえることになった。
あれ以来怒られるのが嫌で、殿下との通信をしていないため、帰る許可が出ても手放しで喜べない状況だ。
エウルカ国の特産や交易できそうな物は、ラスコ様と話をしてみればあれよあれよと話が進んだ。
特に、ラスコ様のご実家の木工工芸品が素晴らしく、直ぐに輸入することが決まった。
お互いに利益を確信した時に、お互いに変な笑い声を上げてしまい、カサンドラ様に怯えられてしまった。
『息子だけでなく、我が夫まで魔女と契約を〜』
と、意味の分からないことを言われたが、比較的よく言われる類の言葉だったので、聞き流すことにした。
一つ問題があるとすれば、私の護衛二人を伴って会場入りをしようとしたら、いつのまにかやって来たドラゴンのお二人が護衛をすると言い出したことだ。
護衛二人は涙を流して食い下がったが、ドラゴンに勝てるほどの巧みな話術など持ち合わせていなかったのは言うまでも無い。
観光に飽きたドラゴンのお二人が、面白がって暴れたら私のせいだろうか?
「ユリアス、そちらのお二人は?」
今まで見たことのない人を二人も連れていたら、そりゃ気になるだろう。
ランフア様の疑問はもっともだ。
「え〜と」
どう説明したらいいか、考えているうちにリーレン様が口を開いた。
「私達は王家より派遣されたユリちゃんの護衛なの。よろしくね」
リーレン様の後ろでハイス様が無言で頷いている。
ランフア様にはあまり気にしてほしく無くて、私は二人を背に隠すようにランフア様に近づいた。
「……まあいいわ。そんなことより、貴女のドレスとても素敵ね」
「獣人族との交易でスケ感のある柔らかな生地を手に入れまして、厚い生地の上や、レースの上に重ねると品のいいドレスになるのです。国に帰ったらランフア様用にも作らせていただきますわ」
「ユリアスがタダで私にプレゼント? 何を企んでいるのかしら?」
疑り深いランフア様に、私は不満顔を向けた。
「ランフア様は私の友人ですので、企んでいるなんて思われるのは心外ですわ! ファッションリーダーのランフア様が着て下さったら海外受注が増えるとか一切思ってませんから」
から」 (←この一行を削除)
「本音が、口から溢れ出てるわよ」
しまった、抑えきれない欲望が隠せなかった。
「私、ユリアスのそう言う商魂たくましいところ憧れるわ」
明らかに憧れていなそうな言い方で言われ、少し落ち込みたくなった。
商魂は、私の長所であり貴族社会では短所だと分かっている。
だが、私が殿下と結婚したら、その考え自体を覆してしまえばいい。
長所は伸ばさなくては! 誰にも文句を言わせないぐらいに長く伸ばしてしまおう。
私が密かに企んでいると、ランフア様に嫌そうな顔をされたが、気づかないフリをした。
※
エウルカ国の有力貴族にもある程度挨拶を交わし、大きな人脈を手に入れていたそんな時、目の前にエウルカ国の宰相がやってきた。
少し酔っているのか、顔が赤らんで見える。
「いやー、使者様ももうお帰りとは寂しい限りですなー」
本気で思っているのか分からない会話に私は愛想笑いを返した。
「何をしに来たのかいささか疑問ですが、お帰りになると聞いて安心いたしました」
何を言いたいのか分からないが、大声で意味深に聞こえることを言わないでほしい。
せっかくできた人脈に傷がつきそうで怖い。
「私がエウルカ国に来たのはランフア様へのお祝いだと最初から言っていたと思いますが、お忘れですか?」
「ああ、そうでしたな! まさか祝いに女性使者など送って来たせいで国王様を誘惑しに来たのかと思ってしまっただけの話ですよ」
周りに居た有力貴族達の顔に嫌悪感が浮かぶ。
「宰相様、少しお酒を召し上がりすぎではありませんか?」
一人の有力貴族が止めに入ったが、宰相に煩わしそうな顔をされただけだった。
「煩い。女を使者に寄越すなんて、そう言うことだろ! そんなスケた生地の服を着て、ふしだらな」
厚みのあるドレスの上にアクセントとしてスケ感のある素材を使っているだけなのだが、この格好がふしだらなわけでは無く、ふしだらに見えてしまう宰相の頭の方がふしだらだと思う。
「宰相様、パラシオ国の使者様に失礼が過ぎます」
騒ぎに気付いてくれ、私と宰相の間にラスコ様が割って入ってくれたのだが、宰相はラスコ様を見るとフンッと鼻を鳴らした。
「庶民の分際で他国の使者と宰相の話に割って入るとは、これだから庶民は礼儀がなっていない」
ラスコ様がグッと息を呑み、俯いてしまった。
王妹の旦那様に庶民庶民言うのはおかしい。
「宰相様、ラスコ様は王妹であるカサンドラ様の旦那様です。庶民では無く、王族ではありませんか?」
私の言葉に宰相が高らかに笑った。
「庶民が王族だなどと笑わせないでください! 庶民の側室は庶民以外になれるわけが無い」
「カサンドラ様はラスコ様が正夫であり、ラジータ様が側室だと言っていましたが?」
「そんなわけ無いではないですか! やつは庶民ですぞ」
「愛に身分は関係無いと思いますが?」
私の言葉に宰相は鼻で笑った。
何かにつけて感じが悪い人だ。
「綺麗ごとでは王族などやっていられませんよ」
宰相のドヤ顔に私はクスクスと笑って見せた。
「まあ、まるで宰相様まで王族になったかのような言い方ですわね」
「な、何をおっしゃるやら」
口元をひくつかせながら、宰相は動揺した。
本当に、幾つもの宰相としての気質が、欠落した人である。
「変な言いがかりをつけるのは止めていただきたいものですな。だから女は」
女性を見下すような発言に、有力貴族の女性達の顔にも嫌悪感が浮かぶ。
周りを見ていて気づいてしまったが、私の護衛二人の目から殺意が溢れ出ている。
ひとまず、気づかなかったことにしよう。
「私はパラシオ国の使者として来ているのですが、失礼が過ぎるのでは?」
宰相は楽しそうに声を出して笑った。
「使者様こそ、庶民をカサンドラ様の正夫などと失礼なことを申されたではありませんか? こちらの方が謝っていただきたいぐらいだ」
私は盛大なため息をつこうとした。
つこうとしたのだが、後ろから獣の威嚇するような唸り声が聞こえて来て、私のため息は引っ込んだ。
上の方からする唸り声と言うことは、ハイス様なのだろう。
「ユリちゃん、この国氷漬けにするのと、火の海にするのどっちがいい?」
リーレン様の今まで聞いたことの無い低い声に泣きそうになった。
泣かなかった私を誰か褒めてほしい。
もの凄く、今殿下に会いたいと思ってしまった私は、一瞬のうちに現実逃避をしていたんだと思う。
とりあえず、ドラゴン二人に私は視線を移し、まあまあと落ち着くように宥めた。
「そんな野蛮な護衛しかつけてもらえぬとは、使者様は本当にパラシオ王子の婚約者なのですかな? 実際そうであっても、今頃別の女とイチャイチャしているのでは?」
私がドラゴン二人に気を取られている間に宰相の放った言葉にハイス様の口から今にも炎が溢れそうになったのが見えた。
これは不味い。
エウルカ国が火の海になってしまう。
リーレン様に助けを求めようとリーレン様を見ればすでに床が凍るほどの冷気を漂わせていた。
ああ、助けて殿下。
そう思ったその瞬間、宮殿の中庭方で何かあったのか、そちらの方がガヤガヤと騒がしくなった。
今はドラゴン二人のご機嫌が斜めすぎて、それどころでは無い状況だが、そちらも気になる。
「な、何かあったようですわね」
苦しまぎれに言った私の言葉に宰相はまたフンッと鼻を鳴らした。
この宰相、何かあった時にまず真っ先に動くのが当たり前では無いのか?
私が舌打ちしたいのをグッと堪えた瞬間、私の目の前に天使が舞い降りた。
息を呑むほど美しい羽根の生えた黒髪の美女。
「バネッテ様?」
「お嬢さん、何でパパとママがガチギレしてるんだい?」
私の前に現れたのは、天使では無くグリーンドラゴンで二人の娘のバネッテ様だった。
救いの女神の登場に私が歓喜したのも束の間、リーレン様が宰相を指差した。
「あの下等生物が、ユリちゃんに暴言を吐き、私のルーちゃんが今頃他の女とイチャイチャしてるって侮辱して来たのよ〜これって国ごと凍らせるしかないと思わな〜い」
娘の前だと言うのに、殺気を抑えることの無い二人に、きっとバネッテ様は叱りつけてくれる。
私がそう思っているのを知ってから知らずか、ドラゴン二人は瞳を金色に染めて、今にも実体化しそうである。
それなのに、バネッテ様は一向に二人を叱る気配が無く、私は首を傾げた。
「お嬢さん」
「はい、バネッテ様」
「この国のあらゆる植物を枯らして、人の住めない土地にしていいかい?」
見ればバネッテ様の瞳も金色に。
私なんかがドラゴン三人をどうにかできるわけ無いと思うのは気のせいだろうか?
しかも、何故国レベルで滅ぼそうとするのか?
ドラゴンだからなのか?
思わず頭を抱えて俯いた。
「何がどうなってる?」
次に聞こえた声に、私は顔を上げた。
私の横には少し息を切らせた殿下が立っていた。
都合のいい幻覚まで見え始めてしまったかと、状況が理解できない。
「この三人が暴れたら、この国一日で地図から消えてしまうぞ」
ああ、何て殿下の言いそうな言葉だろうか?
「おい、ユリアス? 聞いてるのか?」
目の前で手を振られて、思わず舌打ちをしてしまったのは決して不満があったからでは無い。
思わず出てしまったのだ。
「舌打ちでは無く、状況を説明してくれ」
本物の殿下だ。
あまりの安心感に泣きそうになる私を見て、殿下は目を見開き慌て始めた。
「ユリアス? どうした?」
「何故、殿下が?」
「通信機で連絡取れなくなったからだろうが、心配でバネッテ様に乗せていただいたんだ」
殿下の行動力に、感極まって胸が締めつけられるようだ。
「ルーちゃん! その男がルーちゃんがユリちゃんが居ない間に他の女と浮気してるってユリちゃんに言ったの!」
リーレン様がドヤ顔で、殿下にチクる。
「ユリちゃんのこと傷つけたのよ!」
いや、泣きたくなったのは、ドラゴン三人をどうやって止めればいいか考えなくてはいけない方であって、殿下が浮気するかもとかは一切疑っていないし、心配もしていない。
「リーレン様、少し落ち着いてください」
「ルーちゃんはこんな侮辱されて許せるの? 国ごと凍らせるか、火の海にするか、生き物の住めない土地にするしかないでしょう」
殿下は片手を額に当てるとフーッと息を吐いた。
「ユリアス、君はどうしたい?」
ちゃんと私の意見を取り入れようとしてくれる殿下に、私はニッコリと笑顔を向けた。
「勿論、慰謝料請求いたします!」
わたしがそう言いきると、宰相が私に向かって指を指して怒鳴った。
「先ほどから聞いていれば好き放題言って、ただの使者の貴様に何ができる!」
横にいる殿下が呆れたような視線を宰相に向けたのと、後ろから近づいてくる大勢の足音に気付いたのはほぼ同時だった。
「ルドニーク様、ご無沙汰申し上げております」
ランフア様の少し高くなった声に、殿下が振り返る。
「ランフア姫、いや、ランフア妃と呼ぶのが相応しいか?」
「相変わらず素敵ですわ、ルドニーク様」
ランフア様の後ろでかなりショックを受けた顔をしているエウルカ国王様に気づいてほしい。
「ランフア妃も、変わらず美しいぞ」
「そんなことをサラリと言って、ユリアスに愛想尽かされても知りませんわよ」
殿下はキョトンとした顔の後にクスクスと笑った。
「ユリアスがそんなことで嫉妬してくれるとは思えないのだが?」
何だか馬鹿にされた気がするのは気のせいだろうか?
ランフア様が少しムッとしたように、私を見た。
「ユリアス、ルドニーク様が私を美しいと言っているけど、どう思うの?」
「ランフア様が美しいのは当たり前の事実です! と思っています」
力いっぱい想いの丈を口にしたのに、ランフア様から返って来たのは深いため息だった。
「ユリアス、貴女この後お説教だわ」
何故かランフア様に怒られることが決まった。
「私、何か間違えてしまいましたか?」
首を傾げて殿下に聞いたのが、殿下は残念な子を見るような目で私を見るだけだった。
「ランフア、そろそろ余をパラシオ王子に紹介してはくれぬか?」
痺れを切らしたように、エウルカ国王様が殿下の前にやって来た。
「ルドニーク・レイノ・パラシオと申します。エウルカ国王陛下」
殿下の挨拶に、エウルカ国王様は殿下の手を両手でギュッと握った。
「よく来てくれた。歓迎するぞ」
仲良さそうに頷き合う殿下とエウルカ国王様。
いつのまに友情を深めたのだろうか?
「エウルカ国王陛下、どうやらそこの男に我が婚約者が侮辱されたようなのですが」
殿下はエウルカ国王陛下の握っていた手を逆に握り返して、威圧感のある笑顔を向けた。
「宰相がか?」
殿下の迫力に押され気味になりながらエウルカ国王様が宰相を見た。
「言いがかりは止めていただきたいですな」
宰相は立場が悪くなると思ったのか、シラを切ることにしたようだった。
そんな宰相の態度にリーレン様の怒りの笑顔が深くなる。
「たかだか護衛が少し腹を立てたからと言って、一国の王子殿が他国の宰相に何かできるとでも?」
宰相の馬鹿にしたような態度に、殿下はリーレン様の前にやって来ると、片膝をついてわざとらしく言った。
「リーレン様、申し訳ございません」
「あらあらまあまあ、ルーちゃんが謝ることじゃないのよ」
リーレン様は頭を下げる殿下の頭を優しく撫でる。
そして、凍りつきそうなほど美しい笑顔がスンッと無表情になったのと、宰相の足元が徐々に凍りだし、下半身が氷に覆われたのはほぼ同時だった。
「な、何だこれは!」
慌てる宰相を横目に、殿下はわざとらしく困ったような顔をして見せた。
「相手は人間ですから手加減していただかないと」
殿下はやれやれと言いたそうに軽く首を横に振った。
「おい! そんなことより早く助けろ」
頑張って氷から抜け出そうともがく宰相に、冷たい視線を向けながら、エウルカ国王様が殿下に向かって言った。
「うちの宰相が本当に申し訳ない」
「他国の王子がお節介かと思いますが、早急に宰相を取り替えた方がいいと思います」
殿下の言葉にエウルカ国王様も苦い顔をする。
私はニッコリと笑って右手をスッと上げた。
「他国の王子の婚約者がお節介かと思いますが、後々を考えてドラド様に宰相の教育をしてはいかがでしょうか?」
明らかに周りに居た人達が驚いたのが分かった。
「何故ドラドを?」
先に我に返ったエウルカ国王様が不思議そうに聞いて来た。
「何か疑問でしょうか?」
「問題と言うか……何故ドラドなのだ?」
「天才だからですわ」
私は自信満々に胸を張って見せた。
「私の見解でいけば、今の宰相を今この時にでもクビにし、その後任にラスコ様を置き、良きところでドラド様に世代交代するのが望ましいと思います」
「何を勝手なことを言ってるんだ!」
宰相が私を指差して怒鳴るが、氷から抜け出せる気配すら無くて怖くない。
「先日、ラスコ様が書類仕事をしてらしたのを少し拝見させていただきましたが、もしやラスコ様は宰相様の書類仕事を肩代わり、または、宰相様レベルの書類をこなしているようにお見受けしました」
「貴様に宰相の仕事の何が分かる!」
動揺を隠せない宰相の叫びに、私は高笑いをして見せた。
「私、こう見えて王子妃の教育も受けていますし会社の社長業もこなしてます。その上、兄が次期宰相ですの。少し拝見できれば書類の重要性を判断することなど造作もありません」
気を取り直して、私はエウルカ国王様に言った。
「ラスコ様にはそれができる実力がありますし、ドラド様にもきちんとした教育を施せば、完璧な宰相になると同時にエウルカ国王様のお子様のいいお兄様になれるはずです」
エウルカ国王様が腕を組んで悩み始めると、宰相がかなり焦ったように言った。
「庶民に宰相の仕事ができるわけがないではありませんか! 貴様も庶民に金でも握らされたのだろう‼︎ これだから女は」
一回怒ってもいいだろうか?
そう思った瞬間、宰相の腰まであった氷が首元まで上がってきて、それを取り囲むように木の枝が巻きついた。
この現象により、リーレン様だけで無くバネッテ様の逆鱗にも触れてしまったのだと分かる。
「リーレン様、それ以上はその男が死んでしまいますよ」
冷静な殿下の声がやけに大きく聞こえたのは、きっと周りが静まり返っていたからだろう。
「パラシオ王子、その者は余の祖母の弟の子なのだ。殺すのは勘弁してもらえないだろうか?」
エウルカ国王様が申し訳なさそうに言った言葉に、殿下はあっけらかんとした声で言った。
「申し訳ない話なのですが、我が国には王族よりも地位の高い存在が居まして、それが今目の前にいるリーレン様とハイス様とお二人の娘であるバネッテ様なので、たかが王子の自分が御三方に意見することはできないのが現実と言うもの」
「王族より地位が高い? そんな者がいるわけが無かろう! 早く助けろ」
宰相の顔色がいよいよ青くなってきたのは、体の熱を氷に奪われているからだろう。
「お嬢さん、この害虫火山の火口にポイして来ていいかい?」
いち早く宰相に嫌気がさしたのはバネッテ様だった。
美しい天使のような羽をバサっと出したかと思うと、宰相入りの氷を片手で掴んで持ち上げた。
それを見ていたエウルカ国の有力貴族の皆様が一斉に部屋の隅に逃げ出した。
「バネッテ様にそんなの運ばせるわけにはいきません。とりあえずその場にポイしてください」
私が止めると、バネッテ様は不満そうに口を尖らせた。
可愛い顔だが、そう言った顔は恋人のマイガーさんに見せてあげてほしい。
バネッテ様は私から視線を逸らすと、本当に宰相入りの氷をポイッと投げた。
床に斜めに刺さった氷の中で宰相が泡を吹いて失神していたのは、煩くなくてよかった。
「パラシオ王子、この方々は?」
エウルカ国王様が動揺しながら聞いて来た。
それに答えたのは殿下では無く、ランフア様だった。
「パラシオ国を守護しているドラゴン様達ですわね。私もお会いしたのは今回が初めてですが、決して失礼のないようにしなければ。ドラゴンは国を破壊する生き物だと私の母国では有名でしたから」
ランフア様の言葉に、エウルカ国王の顔が青くなった。
「ドラゴン?」
「エウルカ国王様、宰相様をクビにする理由ができたではありませんか? 国を滅ぼす恐れのある災害級のドラゴンを三匹も怒らせたのですから。国王様は賢明なご判断をなさいますよね」
私がニコニコと言えば、エウルカ国王様は頷くしかなかったようだった。




