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(旧)レターパッド  作者: センター失敗した受験生
第二章 ツリー編
9/63

箱入り娘

第二章突入ですね

ここから異世界での本格ファンタジーになります

戦闘描写は基本初めの方はありませんが

後半から嫌という程書くつもりです

まぁ後半がいつくるかも分からないのですが

第二章 一日目


第一の旅「僕らの行き方」


 何があったんだろう

 急に世界は光っていって

 急に知らない問を出されて

 急に僕らはここへ来た

 見たこともない世界に

 神殿の外側の

 知らない森に


「…」

「…」

「とりあえずだ。森を抜けるか」


 僕らは見知らぬ出会いの後、森のどこかに放り出されてしまった。どこへ行けは良いのかも分からず、どこが答えなのかも分からずだ。


「そうだね。あっ、二人を探さないと」

 正は地面に付いた膝を上げて起き上がる。

「落ちた場所が同じなら、どこか先へ向かっている可能性もあるな」

 瑛君はもう立ち上がっているどころか周りを散策しているらしい。流石すぎるよ。

「水希ちゃんだけなら心配だけど、えーっと、隼人君?がいるなら大丈夫だよね!」

「うん、隼人はああ見えて結構賢いから心配ないよ」

 不安そうな明日見さんに見つめられればそう言うしかない。いや、多分賢いんだけど、あれ、賢かったっけ?


 自分が置かれている状況の割には、僕はのん気だなと思ってしまった。瑛君はどうやら違うらしい。

「そうだな、出方は…神殿が後ろ側にあって、この見た目だと少し開けている目の前を真っ直ぐに行けば、大きな街のようなものがあったはずだ」

 瑛君が指さした先には確かに少し開けていて、どうぞ通ってくださいという道があった。これは僕でも分かりそうだ。


 でもでも。


「よく、どこに何があったとか覚えてるよね」

 あんなにキョドってた筈なのに。


「私ずっと光る球と空の大きな島ばっかり見てたから、ビックリだよ!」

 だよね、僕も空に浮かぶアレを見るのに必死だったよ。

「何言ってんだ?見た物は覚えているに決まってるだろ。もっと周りを良く見ろよ」

「あはは、それもそうだね」


 そう、僕はアレ=パンツを見ていたんだ。でも、見えたら仕方ないよね。皆見ちゃうよね。まぁ、正直にパンツ見てたなんて言えないんだけど。うん、死んでも言えない。この気持ちは来世まで持っていく。


「手厳しい…」

 明日見さんは少しシュンとなっている。


 導衆 瑛。


(そういえば天才だったんだ。)


「とりあえずは前に進むぞ」

 そう言うと彼は前へ進んでいった。僕らもその後へと続いた。



第二の旅「自由の鳥を見た日」


 退屈だ。とても退屈だ。


 確かにここは広いかもしれない。


 色んな人が沢山いて、色んなものに溢れている。


 でも違う。新しい物なんて一つもない。


「何か、新しい出来事はないのでしょうか…」

 王国タテノツキの王女レイス・ハートマイトは自室の窓の外をただ呆然と眺めていた。


「空は綺麗ですね。自由が飛び交っています」

 飛び交っているのは鳥だが、そんなことは気にしなかった。


 彼女は王族という身であるが故に、外への外出を制限されている。王国で何が起こっているとか、流行りの物等も一切分かっていないのだ。


 自身の恵まれた境遇を嘆いていると、空に何か穴のようなものが出来てきるのに気づいた。それは黒く、小さく、気づかなければ見逃してしまいそうだ。あの方角には森がある。


「え、何ですか…?あれ」


 目視では良く見えない。何かが出てきた気がする。彼女はすぐさまスコープを取り出し穴へと向けた。


(出てきた物体はもう下に降りてしまったのでしょうか)


 更に繰り返し見続けていると、また新たなものが穴から発射された。覗いて見る限りではそれらはヒト型である。数は三人、一人おかしな見た目をしている。


「ヒトが、空から降ってきているのですか!?それに、何かを顔に掛けている…?」

 レイスは完全にこの状況を理解できずにいた。


 もう一度その光景を見ようと目を懲らしめた。しかし、次の瞬間ドアを叩く音が耳へと伝わる。


「おいレイ…スゥァ姫様。何時まで部屋に篭ってんだ。明日は年に一度のフェスタだろうが。今年は二百年記念で派手にやるってなってんだからよ、周りの準備を少しでも手伝ったらどうなんだ」


 そういってドア越しに話しかけてくる男はお付きの一人であるドグだ。


「もう、ドグ。私は今それどころではないのです。空からね、ヒトが落ちてきたのですから。」

 レイスは全身で驚きを体現した。


 そんなレイスに対して、ドアを開け、ちらりと覗くドグは、完全に痛々しいものを見る目をしている。

「あのなぁ姫様、お言葉ですがまだ寝ぼけていらっしゃるんじゃないでしょうか?そんなもん落ちてくるならイヌだろうがヒトだろうが今頃地面でミンチになってるだろうが」

 ドグは呆れたようにそう言いながら部屋へと入って来た。


「そうではなくて、生きている死んでいるの問題ではないのです。空から落ちてきたという事で、私は今驚いているのですから !」

 頭でっかちなドグに対し、レイスは必死に講義する。

「いやだから有り得ねぇって」

 あしらわれた。


「ほら、とにかくベッドから出て身支度しろよ。何で部屋だとそんなにぐうたらになるんだよお前は」

「…?部屋だから」


 レイスは本能のごとく答えた。


「あー、もういい。先行ってるぞ」

 言い放った矢先、もうドグは扉の外へと行ってしまった。

「もう、ドグはやたらせっかちで生真面目なんですから」


 彼女は、自分の常識が微妙であることにも気づかず、渋々と着替えを始めた。

レイスはメインヒロインではありませんが、主要人物の一人で物語に大きく関わってきます

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