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(旧)レターパッド  作者: センター失敗した受験生
第一章 ワールド編
8/63

We can fly

投稿していて思ったのですが

〜だった

という展開が多いんですよね

修正も面倒なのでそのままですが

第七の旅「勇者イン ザ スカイ」


「うおっ、うおお!?うおおおおおおおおおおおお」

「きゃ、きゃあああああ!!落ちてるううううううう。てか飛んでるうううううううう!?」

「これ死んじゃうよね!?死んじゃうやつだよね瑛君!?!?」


 1つこんな事になる前のことを覚えている。変なトンネルを通ったんだ。本当にそれだけだったんだ。


「大丈夫だ天野!アイキャンフライと発音良く言えばこういうのは飛べるもんなのさ。ほら、I can fly!!!」

 瑛君はさっきは冷静だったのに、急に頭がおかしくなってしまったみたいだ。鳥のように身体を動かしている。


 ジェットコースターとかスカイダイビング的アトラクション感覚と言えば楽しそうではあるが、残念な事にこれは超高度紐なしバンジーなわけで死亡宣告を地面に達するまで受けている感じだ。


 余命何日よりも慈悲がないね。


 風で顔が引っ張られていく中、僕は見納めと思い初めてよく世界を見渡す。


 そこは美しかった。


 初めに視界に入るのは真下の森、少しずらしてみれば広大な草原の中に大きな都と城下町、畑などが見えそれらを囲うように見たこともない生き物たちが土の上を動いている。いくつか村のような場所も見え子供が走り回っている所もある。


 遠くに多く見える山にはドラゴンのような巨大生物が飛び回り、それを遥かに超える人型の巨大生命体もいた。山の約二倍程はありそうだ。この大地の主だろうか。


 その山の左にももう一つ都があり、そこには巨大な塔が(いかづち)を帯びてそびえ立っていた。城のようにも見える。特にその付近には不気味な生物などが多く、良く分からない悪魔のような形相の奴も飛び回っている。


 真上には空島と明日見さんのパンツ。


 縞パンだ、最高じゃないか。だが待て僕は紳士だ。もちろん直ぐに目を逸らす。高校生活できっと一番いい思い出だ。


 明日見さんよりも上に位置している雲に囲まれた島には、心を包み込むような光を感じた。


 また、別方位を見ると砂漠と渓谷があり、その奥には海が見えた。あの海の深くにもきっと何かいるのかもしれない。この風景を一言で表すなら気候のサラダボール。


 この大地は、この世界は、きっと僕が今まで夢に見たファンタジー世界なんだ。

 

 生命の鼓動を余す事なくさらけ出している。


「す、凄いや。何なんだここ…」

「見て見て見て見て!すごく大きな人がいる!!」

「これは現実なのか…?何もかもが夢みたいだ」

 僕らは落下中という事実を忘れ、ただこの感動を目に記憶に心に焼き付けた。


 そして更に、もうすぐ地上というような距離で、どこから来たのであろう。僕らの周りを彩り豊かな光の球体が囲み始めた。


「な、なんだこの光」

「綺麗…」

「速度が、落ちていってる」

 三人とも開いた口が塞がらなかった。


 球体は一人一人の周りをぐるぐる回転し、落下の速度を緩めていった。

 そして身体は光へと、ある森のある場所に地に立つための2本の足を委ねていった。


第八の旅「選択の森」


「何なんだ?この森は一体…」

 色鮮やかな球体に囲まれる中、僕らは辺りを見渡したした。


「こ、これ!触ったらポヨンポヨンしてる!!」

 明日見さんは楽しそうに球体と遊んでる。僕も明日見さんとポヨンポヨンしたい。何を言ってるんだグッバイ煩悩。それはさておき。


 ここは良く分からないが、森の中のはずなのにこの空間だけは古い神殿の様ながっしりとした壁で囲まれている。


「わぁー、たっかーい。人が飛び越えるのは無理っぽいねーこれは。私なんかじゃ絶対無理だよ」

「利用できそうなものもパッと見ないな」

 壁の向こう側に木が広がり青々としているのは見えていても、そちら側へは行けないみたいだ。


「ここ、どこなのかな。たまたまこの場所の上に運良くく落ちて、この子達が助けてくれたんだよね??」

「ああ、確かに奇跡的に命は助かったんだが」

「出られないんじゃあなぁ」


 壁は僕の三倍以上高い。僕の目はきっと途方に暮れていただろう。


「つ、つまりこれ閉じ込められちゃったって事でいいのかな!ど、どうしよーか」

 少し慌てふためいている明日見さんを見るのは初めてだ。いつもは大人しく、あまり目立つ人でもないのに。


 そんなことを思いながら壁をじっくり見てみると何かが書かれていることに気づいた。


「ねえ瑛君」

「どうした天野」

「ここ見てみてよ」


 瑛は目線を壁に移す。


「これ、何なのかな?文字みたいなんだけど、僕じゃ読めそうにないや。でもそこら中にズラーって書かれてるよね」

 瑛君は反応なく無言で壁を見つめ始めた。何となく彼の頭がショートしかけてる気がした。


「本当だな?この世界の文字なのか、それとも古代文明の発見か。前者ならここは少なくとも日本ではないということだな」

 瑛君は得意げにメガネをクイッと上げた。


(いや、多分まず地球じゃないかもだよねこれ)


「どういう意味なんだろう…」


 完全に考えが行き詰まり、ちらりと明日見さんの方を見てみると、何かを見つけたらしくぴょんぴょん跳ねていた。振り返ろうとしたので目を逸らすと、

「ね、ねぇ。ちょっとこっちに来て欲しいです!」

 明日見さんが声を張り上げている。もちろん飛んでいきますともお嬢さん。


「なにか見つけたの?」

「うん…、あのね、この変な可愛いオブジェみたいなのって何かな??」

 明日見さんが指をさした先には、ある動物をモチーフにしたと思われる石像があった。

「これは…、兎と亀?の石像かな。にしても古いなぁ。苔も生えちゃってるし」

「あぁ、だが何か普通のものとは違う感じを覚えるな」


 兎と亀ねぇ、どこかのおとぎ話みたいだ。


(兎のお腹真ん丸だな)


 僕は少し躊躇いながら石像にゆっくりと触れてみた。その瞬間、一瞬にして辺りが消えていき大きな光が僕らを飲み込んだ。


「うわああああああああ」

「な、何これ眩しい!」

「天野、お前何をした!くっ、目が、目があああああっ」

「少し触れただけだよ!」


 身体が燃やされるように熱い。またもや僕らの身体は異空間に投げ出されたようだ。


(一体何が起きているんだ!?何も見えない。いや、見れない)


「…我が問いに答えよ」


 完全に焦ったいた僕の耳にどこからか声が聞こえる。


「何なんだこの声は!?」

「天野君が喋ってるの?」

「僕の声はこんなに渋くないよ!」


「尋ねよう」


 またもその声は僕らに聞こえてきた。何を問いただしてくるのだろうか。


 来る。


「貴様らヒトの子は」

「我らの力を欲するか?」


「…え?」

「力?」


 出された問はよく意味が分からないものだった。力とはなんだろうか。


「はいか、いいえですか?」

 明日見さんが謎の声へと話しかける。


「その通りだ。選ぶが良い」


(力が欲しいかって?こいつらは何がしたいんだろうか。一体何を企んで…。まだよくは分からないなぁ。よし、ここは慎重に話を探り出して)


「んー、良く分からないけど欲しいです!」

「え、明日見さん!?そんな、どんな物かも分からないし危険なんじゃ」

「んー、でもさ、貰えるか貰えないかなら欲しくない?それに力って別に危険なのかな。扱い方次第だよきっと!」

 彼女は意外と冒険家なのだろうか。


「そ、そんな迂闊すぎるよ!だってこの声いかにも詐欺っぽいじゃん!」


「詐欺っぽい…?」

 小声で幼い声が聞こえた。


「え、詐欺!?でも、こんな所に住んでる人達がそんなにひどい人なわけないよ。さっきの球体さんも優しかった!」

明日見さんは意外に頑固というか、自分の意見を曲げないな。


「そうやって老人とか騙されてるじゃないか。ほら、瑛君も説得してよ!」

「いや、俺も明日見の意見に同意だ」

「え、嘘っ」

「こんな不思議な世界だ。生きていくために必要なのかもしれない」

「た、確かに…」

 二人の言葉は説得力さえなかったが、何となく心を動かされるものだった。


「あのー、話終わった?」

「え、あー、はい!終わりました!是非ください!!」


 僕は二人に委ねてみる事にした。


「ほう、なかなか思い切りがいいではないか」

「これは期待ができるねぇ」


(いや、思いっきり悩みましたけどね)


「お願いします!」


 僕らが答えを出すと同時に膨大なエネルギーの様な物が身体中を巡っていくのを感じた。


「パルナ!!!」


 全身が動かない。


「うおああああああ」

「ぐぅ、うぅ、あぁ!」

「はぁぐ、ああああぁ」

「身体が…壊れる」

「案ずるでない。死にはせん」


「ふはははは、では。貴様らの選択、しかと受け取った」

「その力がこの世界に何をもたらすか、それらは全てそなた達次第」


「世界を平和に導くことも出来るだろう。だが、道誤れば、貴様らが明日を見失えば、いづれその力に飲み込まれてしまうだろう」

「心に勝つのは難しい」


「だが、心を持っていることは何よりも喜ばしいこだ」

「この世界で上手く生きよ、さすれば明日は終わらない」


 その言葉の意図は、まだ僕らには分からなかった。


 目を僅か僅かに開く事ができた時、彼らのシルエットが見えた。


「兎と…亀」

「も、もう消えちゃうんですか?」


 亀がニコリと微笑む。


「待て、その授けた力とやら、それはいったい何なんだ?」

 瑛君は二匹に必死に食いついていた。だが、彼らはその行動を軽くあしらった。


「ふっ、貴様はまだ若い。その頭で自分の思うように生きてみるが良い」

「さすれば時期に分かる、長き青春を謳歌するのだ」


「いずれまた会おうぞ」


「勝手な奴らだな…」


 その瞬間、僕らを包み込む光と、その2匹の姿は消え、目の前にはまた別の視界が広がっていた。

このお話の重要なキーワード

パルナ

ようやく出てきました

え?そうだったの??となるかもしれませんが

そうだったのです

これにて第一章は完結ですね

第二章もぼちぼち投稿していくので

今後共々宜しくお願いします(*'▽'*)

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