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(旧)レターパッド  作者: センター失敗した受験生
第二章 ツリー編
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ライプ族

先程パソコンを立ち上げて書いてみたのですが、スマホよりも断然に書きやすいというより見やすいですね

第十五の旅「私の家族だよ」


(そう言えばそんな出会い方をしたんだなぁ) 


 今となっては想像できないような光景を思い出して、水希は一人苦笑いをした。そろそろ出なければ二人を待たせることになってしまう。気分も落ち着いてきたため何気なくドアを開けてみた。


「ごめん、遅くなった!」

「お、やっと出たのかお前、意外とトイレ長いんどぁぶぇっし!!!」

 余計な事を言いそうだったので取り敢えずビンタした。


「いった!お前急に何して!?」

「遅くなってすみません」

「気にしなくていいよ。それじゃあ早速行こうか」

「はい、お願いします」

「え、ちょ水希?しかと??ピンピさん、こいつひどくないっすか?」

「この家というか施設はね、六角形の形をしているんだ」

ピンピに助けを求めてみたが彼女からも返事はない。

「ピンピさんも無視!?」

「隼人うるさい聞こえないでしょ」

「え、あぁわりぃ」


 隼人が少ししおらしくしているのが、なんだか優越感に浸れた。


 ピンピは二人を部屋の外へ連れていくと、施設の歴史や設備等について語りだした。


 部屋の外は近代的な通路が左右にに伸びていて、どうやら部屋自体はホテルやマンションのように割り振ってあるらしい。コンクリートには見えない綺麗な壁には誰かが描いたのであろう落書きが沢山あった。


「この施設はね、約五年位前にに作られたんだ。私らライプの住む場所としてね」

「作られた…?」

「そう、あんたらも知ってるだろう?王国タテノツキからのご依頼さ」

「タテノツキ…?」


(どこだろう…。ていうか王国とかあったんだ。そういう世界観なのかな)


「その通り。この山の付近はモンスターが多くてね、そいつらは皆山を下りタテノツキの方へ行っちまうのさ」

「それを食い止めるための前線基地…」

「お、なんだハヤト、意外に察しがいいじゃないか。その通り、この近辺はそのモンスターが一番よく現れる場所でね、私らがその関所ってこと」

「てことは、毎日下手したら戦いになるってことっすか」

「そういう事になるわね」

「物騒なもんだな」

「あら、そうでもないのよ。やって来るとはいっても大したことないモンスターばかりだから」

「そうなんですか」

「子供でも普通にとっちめられるさ」

「子供でも!?」


(うちにもできるかな…)


「ちょっと盛ったけど、そう驚くもんでもないさ。あ、ここ右ね」


 彼女らについて尋ねている間に、もう宴の間とやらに着くそうだ。言われた通り右に曲がり少し進むと大きな扉が見えた。隼人が思いっきり開けようと前に押すが扉は開かない。


「げっ、なんすかこれ。開かないっすよ?」

「そんなわけないでしょ。ほらどいて隼人」

「お前じゃ無理だよ」

「あら、どうかしら」


 取り敢えず扉を横にスライドさせようとしてみた。


 開いた。


「な…」

 呆気にとられる隼人に得意げな表情をわざとちらつかせてみた。


「うるせぇ、こっち見んじゃねぇ、俺は何もしてねぇ悪くねぇ」

「まぁこれが知恵の使い方よね」

「いつまでそこに突っ立ってんだい。ほら、中を見てみな」


 言われるがままに改めて開いた扉の先を見てみると、そこには今までの雰囲気がうって変わって東洋を思わせる柄の床と壁、空間の中心には火が起こしてあり、どうやってるのか分からないが天井から煙は放出されているようだ。


 火の回りを沢山の机と椅子が囲み、そこには美味そうな食事が並んでいた。カウンター席のような場所もあり料理人であろう数名が忙しく動き回っている。掲示板らしきものには様々なモンスターの絵が描かれている。これらと戦っているのだろうか。


 そしてそんな中で一番驚いたのが、約二十人と思われる人々が一同にこちらを見つめていたことだ。多勢という訳でもなかったがつい目を見張ってしまった。


「うわぁ…」

「すげぇなこりゃ」

「驚いたかい?私の家と家族だよ」

「家族…」


(元の世界の方はどうなってるんだろう…お父さん夕飯大丈夫かな)


 水希は改めて自分の置かれている現実を再認識した。


「おーい皆!お待ちかねのお客様だよ!てあつくもてなしてやんな!!」

「うおおおおおお客様ああああ」

「ようこそいらっしゃい」

「寒かった?」

「寒くなかった?」

「ちゃんと机と椅子も沢山並べてるんだ。好きなところに座って食事を待ってくれ」

「これからよろしく!」


 ピンピの声と共に老若男女が色々と語りかけてきた。


「あぁ、よろくしおねがいします!ええとありがとうございます!!うん、寒かったよ!はい、じゃあそこに座ろうかな!!ええ、よろしくね!!」

 水希は慌ただしくその歓声全てに返事をする。


 それを少し遠くで隼人とピンピが見つめる。


「器用な奴だな」

「ハヤト程じゃあないんじゃない?」

「何のことっすか」

「別に〜」


 そうは言ってもピンピの目は何かを言いたがっていた。


 取り敢えず、水希が選んだ席に隼人と水希とピンピで座ることになりそこで一息つこうとしたが、俺が見過ごされる事はなかったらしい。


「よう、兄ちゃん。その飯美味そうだろ」

 俺の目の前には巨体が立っていた。


第十六の旅「まともだ」


「よう!お前らがピンピの連れて来たベストカップルとやらだな!!俺の名前はガントルってんだ!よろしくな!!」

「は!?ベストカップル?ピンピさんあんた何言ってんすか!」

「え〜何の事〜?」

「お!なんだ!違ったのか!!!いやー!悪い悪い!!」

「いや、分かってくれたならいいっすけど。てか」


(うるせぇんだけど声でけーよ!)


 会話の最後に必ず!が付いていそうなくらい大声を出すこの男はガントルというらしい。水希はピンピのお遊びとガントルの声量に完全に圧倒されている。


「はぁ、一々うるさいぞガント。すまないね、急に騒音をお届けしちゃって。俺の名前はマル。ガントとは小さい頃からの付き合いで昔通りうるさいんで慣れてやってくれ」


 話が通じそうな人が来た。


「あー、なるほど。無意識なわけですね。マルさんっすよね、よろくしおねがいします」

「あぁ、君も僅かながらきっとここに滞在するんだろう?そうなったからには俺達は家族みたいなもんだ、遠慮することはない」

「ありがとうございます。何か分かんないことあったら聞かせてもらいます」

「是非そうしてくれ」

「あのー、私もよろしくお願いします!」

「こちらこそよろしく」


 マルは挨拶を終えるとガントルを引っ張って他の人方へと連れていった。


「ふぅ、やっと静かになったしこれで一息」

「アスって言うんだよ!」

「ミークって言います」

「うお!な、なんだ!?」


 隼人が席に着く間もなく二人の小さな子供が隼人の足にひっついていた。


「私達双子なんだぁ♪」

「似てないけど双子です」


 名を名乗った彼女らはどうやら姉妹らしい。


「そうなんだ!二人とも可愛いいいい!」

 水希は目を輝かせている。


「ミークは全然喋らないけど、アスは元気だよ!」

「アスはうるさすぎるんだよ」

「あのね、私達好みが正反対なの!だから、アスは全然金髪お兄ちゃんの見た目好きじゃないから、ミークは大好きだと思っ」


 淡々と早口で喋りをすすめるアスの口にミークがガムテープのようなものを貼った。


「むむー!むー!むむむー!」

「うるさい黙っといて」

「ふふふ、仲がいいのね。でもお喋りさんのお口を塞いじゃうのは良くないよ」


 そう言って水希は口元のを剥がす。

「む!情少女なの!だからね!ちょっとした事ですぐ顔真っ赤になっぶ!」


 次は無言で水希が口元へテープを貼りなおす。 

「むー!むむむ!むむーむ!」


 もう一度剥がしてみる。

「ばっは!時間もアスが早生まれなの!でもミークってばいっつもお姉ちゃん面で嫌になっちゃわべ!」


 再度貼る。

「むーむ!むむむむむーむむ!!」


 またも剥がす。完全に水希はこのシステムを楽しんでいるようだ。


「なの!もうミークってば本ばっかり読んで大丈夫なのかなぁ?」

「アスこれ以上喋ったら土に埋めるから」

「もう!ミークってばどうしてそんなに物騒なの!?」

「二人とも完全に困ってるでしょ。お暇するよ」

「なんでぇ!あ、歳は八さ」


 喋らせまいとミークはアスの口元へさらに巨大なテープを貼り、手足を縛って回収して行った。


「…」

「凄かったわねあの子達」

「なるほど、あれが双子ってやつなのか。手馴れてんなぁ」 


 隼人は声に漏れる程に感動した。


「そのままいくと常識変わっちゃいそうだから決めつけちゃ駄目だよ」

「ふふふ、あの子達面白いだろう?私の子供なんだよ」

「え!?ピンピさんの??ピンピさんっておいくつでしたっけ…」

「私は二十七だよ 」

「てことは十九歳で…」


 水希は少しだけ隼人の方をチラ見した。そして不幸なことにその光景をピンピはしっかりと見ていたのだ。


「ふふ、なぁに、ニヤついてるのさ。私の家族なんだから、私の子供だろう?」

「え、そういうこと!?いや、なんでもないです!!」


 水希はお花畑な未来を想像し少し表情が紅潮した。

「ウブだねぇ」


「ははは、双子にしてやられたのぉん二人ともー」


 そんな会話の中聞き覚えのない声だけが聞こえた。


「いやー、ありゃあ凄かったっすね」

「だよねぇー。僕の名前シュートス。よろしくー」

「あー、よろしくっす」


 突然現れた短髪銀髪のシュートスという男はその言葉を言っただけですぐ皆が集まる火の元へと行った。流れるままで隼人が受け答えをしていたが、なぜ会話が成り立ったのかも不思議でたまらなかった。


「なんだったんだ?今のやつ」

「変わった人だったね」

「あいつは変人だから気にしないでやってくれ。それより会わせたい奴がいるんだよ」

「合わせたい人?」

「そう、ライプ一の剣士さ」


 そう言ってピンピが指を指した先には、短髪が似合う男が一人立っていたた。


(まぁた個性の強そうなやつが…ってマトモだ)


 彼は目が合うと隼人の元へ向かってきた。

遂にライプの人達が出てきました

全員キャラが濃いと思っているので、こらからの活躍にご期待ください

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