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I need you.  作者: ひとばしら
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足なみを揃えて

 

 水曜は午後から講義だ。判を押した水曜の動きをする。十一時起床、トイレ、テレビ、朝食兼昼飯、身支度をして十二時四十分に家を出る。メモを見なくても行動出来る。

 お昼のニュースをBGMに食事の準備を始めた。

 ニュースの話は右から左へ流れてく。殺人事件、異物混入、大きな事故、メディアで騒がれる話はどれもフィクションにしか聞こえない。現実に起きていることなのは理解しているけど、どれも自分には関係ない話だからだ。今まで何の目立った事件事故病気もなく、今日までのうのうと生きてきた。自分がそんなものに巻き込まれたり、当事者になったり何て考えもつかない。

 チン、と軽快なレンジの音が昨日タッパーに入れて保存した野菜炒めを温め終えたことを教えてくれた。器を用意して、レンジを開ける。そして温めたものを取り出す。

 そこには湯気が立つ野菜炒めがあった。

 少し温め過ぎたかもしれない。

 野菜炒めをおかずにパックのご飯を胃袋にかけこむ。そうこうしていると、時間はあっという間に十二時四十分になった。

 バックを担いで大学へと向かう。

 あの馬鹿みたいに暑いだけだった夏休みが終わり、秋学期が始まってから早一ヶ月。僕は既に今期の学校習慣が身に付き始めていた。大学も慣れれば今までの学生生活と何ら変わらない。友達が多いわけじゃないけど、少ないわけでもない。辛いこともあるけど、楽しいことがないわけでもない。言わば、普通だ。学力も普通だし、最近どこでも重視されるコミュニケーション能力もいたって普通。彼女がいない点を見ても、きっと多数派に入るだろう。

 そんな生活慣れと普通は、惰性と化した学生生活を、糠をすり潰すように無意味に無価値に無駄に時間を潰していく。だからって別にこれを打開しようとも思わない。僕は別に、どこかの物語の主人公みたいに、いつもの日常とやらを飽きてないし、銃弾や魔法が飛び交う非日常を望んでいるわけでもない。ただ川が流れてくみたいに、その時その時を食い潰していく。漠然と広がる将来を特別何か考えているわけではなかった。

 そう、彼女に会うまでは。

 講義が終わり、友達と帰っている途中だった。

 首元まで髪を切り揃えた彼女と、栗色の髪を伸ばした今時の大学生といった風貌の子が二人前から歩いて来ていた。背景に溶け込む通行人のように当たり前に僕の隣を通り過ぎていく。前から歩いてきた彼女と僕がすれ違った時間を換算するならば、一秒にも満たない僅かな時間だろう。でも、そんな僅かな隙間の時間に、僕の目は彼女を見つめ、彼女の目もまた、僕のことを見つめていた。

 胸がざわつく。あの人を知っている気がする。でもどこで? 分からない。

 「なぁ、今の女の人。俺のこと見てなかった?」

 隣の学友、藤田がそう言った。

 「え、どっちの人?」

 「髪が長い方」

 僕は「かもな」と適当に相槌を打った。僕が目の合った方は髪が短い方だ。

 彼女は間違いなく、僕を見ていた。

 衝動に駆られ、僕は振り返る。普段はこんなことをしない。したこともない。でも今回だけはそうしないといけない。そんな気がした。

 葉を揺らす風に背を押され、僕は歩き出す。

 「あの、すみません……」

 僕の伸ばした手が彼女の手を握った。


ここまで読んで頂き、誠に大変ありがとうございました。

ネット投稿初めてだったので不便な点があったと思いますが、多めにみてください。

この作品はどこかの新人賞に応募する予定ですので、削除された時は応募中なんだな、と思ってください。落選したらまた投稿しますけど。


では少し、この作品が出来た経緯についてお話します。

この作品は元々、自主映画撮影用で「魔人の書」というタイトルで1話だけの内容で短編作品として完結していました。その名残として魔人はサングラスを掛けています。

最初は魔人は猿顔ではなくゴリラ顔として描かれ、愛海も「舞」という名前でした。

猿顔にした理由は、年をとったら猿顔になるんじゃねという安易な発想です。愛海という名前に変更した理由は四話で愛海の名前を付けるシーンを書きたかったがために変更しました。


次に私がこの作品をどう思っているか話させてください。

一二話はまだマシだったのですが、三話以降の綺麗事感がハンパないと思っていました。でもまぁ、エンターテインメント作品として楽しんでくれたら幸いだと思っています。

作品内では結局、魔人の書の主の選定基準やどうして願いを3つまで叶えるのか、どうしてサングラスなのか、など、いろいろ点を無視して書きました。SF作品ではないので別に理由を明確にする必要もないだろうと思い書きませんでした。書いた所で話が間延びするだけですし、私としても設定を考えるのは面倒でしたので。


後書きを書くのも面倒になってきたのでそろそろ締めさせてもらいます。

この作品を少しでも面白いと思った方はありがとうございます。つまらないと思った方は、参考にさせていただくのでここがつまらなかったという点を教えて頂くとありがたいです。

私は今後も小説を書いていくつもりです。ただでさえ遅筆なのに、書いては駄目書いては駄目を繰り返すので作品をポンポン出すような者じゃありません。早くて半年か一年で一作という感じです。作品が完成次第に投稿するので連載という形ではきっと書かないと思います。

この次に書いた作品もここに投稿するつもりですので、読んで頂ける方がいましたらその時は宜しくお願い致します。


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