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今朝の真実??

第一話ですm(_ _)m

おかしな所もあるとは思いますがよろしくお願いしますm(_ _)m

ここは染井総合病院

僕、時村祐一(ときむらゆういち)は親友の篠本一斗(しのもといっと)のお見舞いに訪れていた。

307号室。ネームプレート『篠本一斗』


「ここだな」


僕は少し咳ばらいをして扉をノックした。


「どうぞ〜」


僕は中からの声を確認してから勢いよくドアを開けた。


「失礼しま〜す」


「祐じゃないか、よく来たな」


ベッドの上で本を読んでいた一斗は本を閉じて此方を向き笑った。


僕は元気そうな一斗を確認してホッと胸をなでおろした。




「よ、入院した割には元気そうだな。あ、これ見舞い品」


僕はそう言って来る途中に買った一斗大好物のドーナツを渡す。

一斗はとても嬉しそうな顔をした。


僕はなにげなく一斗の部屋を見回した。

一斗の部屋は白を基調とした普通の一人部屋で風通りがいい、心地よい部屋だった。


「お、サンキュ」


斗は僕が渡した箱の中からチョコが付いたやつを頬張りながら席を一つ出してくれた。

僕は一斗が出してくれたイスに腰を下ろした。

そして、朝の事を話し始める。


「でもあせったぜ〜。朝来ないからフケたのかなって思ってたら、フジさんが来て「篠本は朝、事故にあって入院しました」だからな〜。皆めっちゃ心配してたぜ。てか何で事故ったんだ?」


僕が聞いた時一斗は少し悩むような顔をしながら答えた。


「ん〜それがさぁ、今日さ、早く目が覚めていつもより早く家を出たんだよ。そしたらさぁ、目の前を歩いてる女の子が突然車道側に倒れて、危ないと思って助けに飛込んで気がついたらベットで寝てたって感じかな」


そう言って一斗は笑いながら新しいドーナツを頬張った。


僕も自分用に買ったドーナツを頬張りながら相づちをうつ。


「でも、お前スゲェよな。よく助けに飛込めるよ、俺だったら多分見てる事しか出来ないよ。」


「そんなことねぇって、俺だって足ガクガクだったんだぜ?

でもな、何か助けなきゃって思って、気がついたら体が勝手に動いてたんだ〜。

やっぱ本能ってやつ?」


「へぇ〜本能ねぇ。

でもやっぱり、本能でも助けに飛込めるだけ凄いと思うよ。

やっぱ一斗って昔から正義感だけは強いからな、スゲェよ」


「だけってのは余計だよ。

ても、俺は正義感は強くねぇよ。

だって俺は当たり前の事をしただけなんだからよ」


いや、それを当たり前と言うお前はやっぱりスゲェよ。

その当たり前の事を出来るやつは少ないと思うし、普通は出来ないと思うから.....


「いや、やっぱりお前はスゲェよ」


「凄くなんかねぇよ」

一斗は少し照れながら笑った。


でも、なぜか一斗は事故の事を話す時に顔が少し曇った....



その些細な一斗の変化に気がついたなら僕はこの後、後悔しなかっただろう....


僕たちはそれから今日学校であった事等を話しあった。







いろいろ話している内に時計はすでに六時を指している。

窓からはオレンジ色の光が差し込み少し眩しかった。


もうそろそろ帰ろうかと思って立ち上がろうとした時に僕は一斗に少し気になった事を聞いた。


「あ、そうだ。なぁ、一斗」


「ん、どした?」


一斗は不思議そうな顔をして此方を向いた


「いや、大した事じゃないんだけど、その助けた女の子はどうなったんだ?」


それを聞いた瞬間一斗の顔が曇る....


その時僕の頭に最悪の状況がよぎった


まさかな.....


そして、一斗は下を向いてうつむいてしまう......


僕はそれ以上聞くことも出来ず、僕も黙りこんでしまう..........



どのくらい時間がたっただろうか...



既に日は落ちかけていて、オレンジ色の光は一層強く差し込んできていた。


僕はこのままじゃどうしようもないので、意を決して口を開いた。

「なぁ....」


「祐、頼みがあるんだ....」


僕が喋るとほぼ同時に一斗が口を開き、僕の言葉を遮った....


「なんだ?」


「向こうを向いてくれないか....」


僕は何も言わず向こうを向く....



でも見てしまった、一斗の頬を流れる一筋の涙を....



それから一斗が静かに語りだした......




「俺さ、気がついたらベットの上だったって言っただろ?」


僕はあえて返事も相づちも打たなかった、いや、打てなかったのかもしれない....

だから何も言わず、静かに一斗の話に耳を傾けた..




「俺が気がついた時にお袋が隣にいてさ、始めは泣いてたんだけど、何とかなだめて女の子の事聞いたんだ....」


一斗は声が少し震えていて....



僕はどうする事も出来なくて....ただ下をうつむく事しか出来なくて....

とうとう僕の目にも涙が溢れてきた....


でも、僕が泣くわけにもいかなくて....


僕が泣いたら一斗の頑張りが無駄になるから....




「でもさ、お袋も詳しくは知らなくて病院の人に聞こうと呼ぼうとした時に、知らない女の人が入って来て、突然俺にお礼を言ったんだ....「ありがとう」

って、始めは何の事だろうと思ったんだけど途中で気が付いたんだ......女の子の母親なんだって。


でさ、その人は案の定女の子の母親で、その人の話によると....女の子は出血多量で俺が起きる数時間前になくなったんだって....



俺さ、それ聞いた時不思議と平気だったんだ。でも、一人になって時にさ....多分自分が情けなかったんだと思う、突然涙が止まんなくてさ....全然知らない子なのに


なんで、助けられなかったんだろう....


なんで、俺が生き残ったんだろう....


そんな事ばかり考えてさ、不安に押し潰されそうで....」



「ゆう?」


気がついたら僕は一斗を抱きしめていた。


「もういいよ....」


「祐....」


「一斗がもう苦しむ必要はないんだ」


「ありがとう......」




全部が終わった時、時刻は既に八時前で....



「じゃあ、俺そろそろ帰るわ」


「え〜もう帰るのかよ〜もうちょっと居ろよ〜」


「無理だよ、俺明日も学校あるし....」


「ちぇ、わかったよ」

一斗は渋々了解した。

「また明日来てやるからよ」


「じゃあ明日もドーナツで」


「考えとくよ。じゃあな」


「おう、また明日〜」

僕は一斗の病室を後にした。


病室を出て自転車置き場の辺りである事を思い出した


あ、そうだ....フジさんから一斗にプリント渡すよう頼まれてたっけ....

今から戻るのはめんどいな〜....けど渡さないと一斗困るだろうし....


まぁ、届けてやるか


僕は早足で一路一斗の部屋へと向かった。
















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