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キンレンカ-幼女転生の殺し屋の成り上がり-  作者: 東山スバル
第二幕 ストーン・コールド・クレイジー

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30/34

030 陰謀の中へ

「お兄様の息子さん……? つまり、私の甥っ子ってこと? まだ私18歳なのに……?」


 ブツブツと独り言を呟くキャメルのもとへ、すんなりと入れたリオは、やや放心していた彼女へ言う。


「……始めまして。キャメルさん」

「え、えぇ。始めまして。貴方の名前は?」

「……リオです。クールお父様の義子でもあります」

「そ、そう。お兄様、いつの間にかお子様がいらしたのね」

「……お父様が話したいことがあるそうなので、おふたりでどうぞ」


 リオはキャメルにスマホを手渡す。さぁ、クールはどうやって誤魔化すつもりだ? 一言一句が命取りになる現場で、彼はなにを言うか。


『よう、キャメル』

「お兄様……。お久しぶりです」

『リオ本人から説明があったように、ソイツともうひとりの金髪はおれの義子だ。ってか、サーシャどこにいる?』

 リオがベンチを指差す。「あそこで熟睡しています」

『あの子は8歳だから、旅に疲れておネムなのさ』

「そ、そうですか。しかしお兄様、私は近隣住民から通報を受けてここへ来たのですが」

『なんの通報?』

「みんな錯乱してたようで詳しくは知りませんけれど、なんでも撃ち合いがあったとか」

『そりゃ怖いな。キャメル、ソイツら保護してやってくれ』

「え?」

『アイツら、マルガレーテの子分に襲われたみてぇなんだ』

「え、え?」

『オマエが逮捕したヤツだよ。なんでおれの子どもに手ぇ出したかは知らねぇけど、まぁサウスのほうも平和じゃないってことだな』

「あの、お兄様……。なんでリオくんのような子どもを、ひとりでサウスへ送ったんですか?」

『いやー、実はキャメルと仲直りしたくてね』

「へ?」


 リオは怪訝そうな面持ちになるが、ここはクールに話を合わせるしかない。


「長げぇこと無視して悪かったな。けど、こうするしかなかった。なぜなら、おれは政府に狙われてるから」

(……この方、めちゃくちゃ言うな)リオは内心思う。

「え? お兄様が?」

『あぁ。連邦政府は常に敵を求めてるハンターだ。現に、おれの会社も襲われた。ほら』クールはアウトカメラに変更し、キャメルは驚愕の表情を示す。『こんな感じで、国内最強の能力者であるおれを管理下におけねぇのが気に食わねぇんだろうな。というわけで、義子どもの身柄が危ねぇ。だからキャメル、あとは頼んだ』

「え、話が今ひとつ飲み込めないのですが━━お兄様?」

 リオはサーシャを指差す。「お父様の言っていることは、概ね正しいと思います。じゃ、僕は妹を連れてくるので」


 リオはサーシャのほうに向かい、しばらく考える時間を作る。


(……妹さん、いやキャメルさんは悩んでいるけど、多分あのオヤジのことだ。無理やり納得させてしまうだろう。……しかし、僕らはこれからどうやってカネを稼ぐんだ? キャメルさんの監視下に置かれちゃ、更にマルガレーテさんが捕まったのなら、犯罪へのパイプはないに等しい。オヤジにはなにか秘策があるのか?)


 そこまで考え、リオは「あっ」と間の抜けた声を漏らす。


(……違う。オヤジは連邦政府とのつながりがほしいんだ。僕とサーシャの見た目なら、キャメルさんは無法者ではないと信じ込むだろう。裏懸賞金すらもなにかの間違いだと。つまり、僕らの任務は━━)


 サーシャはしばらく寝てくれている。リオは彼女のスマホのロックを解除して、端的にこれからなにをするのかメモに残しておく。


 そうこうしているうちに、サーシャが目を半分開く。クタクタに疲れているようだが、リオはそっと呟く。


「……あとでこのメモ見ておいて。それと、今から会うヒトと僕の会話は適当に合わせてくれ」

「おーけぃ……ふぁーあ」


 こうして、政府との接点を作り、クール・ファミリーを存続させるため、更には飛躍させるべく一連の出来事が起きていく。


キリ良いので第2幕おしまいです。第3幕もお楽しみに!


閲覧ありがとうございます。

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