表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キンレンカ-幼女転生の殺し屋の成り上がり-  作者: 東山スバル
第二幕 ストーン・コールド・クレイジー

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/34

026 サウスAsへの道中で

 電話越しのリオはしばし黙った。きっと、赤面しているに違いない。


『……こんなときでも冗談言えるなんて、たいしたヤツだよ』

「ジョークでもないけどな」

『……もう良い。そっちに迎えの車を出す』

「へいへい」


 リオがガラを交わすほどの相手だ。おそらく、サーシャでも勝てないと踏んだのだろう。あるいは、仮に勝てたところで意味がないと思ったか。いずれにせよ、逃避行は確定事項である。


「さて、ビールとシリアルってうまいんだよな~」


 とんでもゲテモノ料理を作り、サーシャは不健康の極みの朝食を流し込む。

 が、8歳になったことが災いしているのか、ビールがとにかくまずい。とても食べられない、とサーシャはゴミ箱にそれを捨てる。


「ピザで良いか」


 冷凍ピザを温め、サーシャは欲望のままアメリカ式ピザを食べる。しかし、こちらも2切れ食べただけで腹いっぱいになってしまった。どうも、幼女の身体は慣れないものだ。


「ッたく……。あのクソ天使もどき、いつかぶち殺してやる」


 サーシャにこんなデバフをかけやがった、あの白髮の女をふと思い出す。もしあのときの身体でこの世界に来られたのなら、朝飯で苦労することもなかっただろうに。


 とかやり場のない苛立ちを覚えていると、インターホンが鳴った。そこへは当然ながら、リオがいる。


「よう」

『……オマエ、顔真っ赤だけど大丈夫?』

「あぁ。シリアルにビールぶっかけたら、思ったより酔っ払っちまってさ」

『……どういう朝飯だよ。まぁ良い。近くに車停めてあるから、着いてこい』


 サーシャはいつだかもらったモコモコパーカーにホットパンツという、相変わらずラブな格好で外に出た。


「全く、忙しい日々だと思わないか? リオ」

「……今に始まったことでもない。オマエが現れてから、忙しくなったのは否めないけど」

「そりゃあ、私はトリック・スターだからな」

「……そうかもね。オマエのおかげでサクラ・ファミリーは壊滅状態。アニキが連中から離脱するヤツらを、続々勧誘して回っている。一方、政府側は本気で僕とオマエ、そしてオヤジやファミリーの構成員壊滅に乗り出している。まさしくトリック・スターだよ」

「だろ? さて、行こうぜ」

「……あぁ」


 サーシャとリオは、数ブロック先に停車していた車に乗り込む。


「リオ、親分の兄妹分が用意した(ヤサ)に送れば良いんだよな?」

「……あぁ。マルガレーテさんは信用できる。オヤジの兄妹分を信じないわけにはいかないし」

「裏道を適当に回りながら行くからな。少し時間がかかるけど、勘弁してくれな」

「……ジョン・プレイヤーと接触しなくて良いのなら、それで良い」リオは大あくびした。「……悪いけど、僕は寝不足だ。眠らせてもらう。なにかあったら起こしてくれ」

「あいよ」


 車が動き出した。サーシャは寝息を立てるリオに、いつも通りの冗談を飛ばすわけにもいかないので、運転手になんとなく気になっていたことを聞いてみる。


「ねぇ、運転手さん。リオは自分の父親をぶち殺したんだよね?」

「あぁ。血まみれの44マグナム持って、行く宛もなく街をぶらついてたな」

「でも、リオは10歳でしょ? クール・ファミリーの金庫番を務められるほど、有望で有能なの?」

「ホントはヒットマンにする予定だったらしいけど、親分は案外子どもに優しいからな。それに……」

「それに?」

「3年くらい前、クール・ファミリーは壊滅状態に陥ったんだ」

「壊滅? あのクールさんがいて?」

「親分は確かに強ぇし、ポールのアニキも馬鹿みてぇに強ぇ。だが、セブン・スターズどもが3人がかりでウチを滅ぼそうとしたんだよ」

「3人も」

「クレーバー。カルティエ、そして……ジョン・プレイヤーの3人だな。あの事件の所為で大量の死傷者と逮捕者を出したウチは、しばらく立ち直れなかった」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ