表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キンレンカ-幼女転生の殺し屋の成り上がり-  作者: 東山ルイ
第一幕 キラー・クイーン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/34

011 ダクトの中へ

 サーシャは、クールの説明を聞き終えると、その愛らしい幼女の顔に不敵な笑みを浮かべた。


「ステルス・ミッションか。楽しそうだね」

「……どうだか」


 隣に立つリオは、相変わらずの無表情。少しくらい表情をつけてほしいものである。

 ただ、その情熱のバラのような赤い瞳は、真剣な光を通して揺れていた。


「クールさん、機材は?」サーシャが指を一本立てる。「撮ってこい、ってことは機材がなきゃできないですよ?」

「おうよ。しっかり用意してある」


 クールはデスクの引き出しから、ペン型の小型カメラと、耳に装着するインカムをふたつずつ取り出した。


「最新式だ。画質も申し分ねぇ。こいつでバッチリ撮ってこい。リオはこういうメカにも強い」


 リオが黙ってそれを受け取り、無言で一つをサーシャに差し出す。その白く細い指先が、サーシャの小さな手のひらに軽く触れた。


「……使い方は分かるか?」

「馬鹿にするなよ。ここ押せば写真が撮れるんだろ?」サーシャはペンの上部を押す。「クールさん、現像できました?」

「あぁ。それにしても、おれってかっけぇな」

「ナルシストでもなきゃ、この業界じゃ生き残れないですよね」サーシャは冗談に皮肉で返した。「で、そのクラブの場所は? 車なんて使ったら目立っちゃうし、できれば近場だとありがたいですね」

「ここから数ブロック先だよ。会員制の高級クラブ。カネさえ払えば、殺害以外だったらなにしても良い無法地帯だ」

「なるほど、反吐が出ますね」

 リオは言う。「……クラブの名前はエデン。裏口にダクトがあって、僕たちの身体なら侵入できる。全体の地図なら、もう手にしてある」

「さすが」サーシャは指を鳴らす。「よし、レッツラゴーの時間だ。けど、どうせ護衛どもも〝祝福〟受けているんだろ? 最悪ドンパチしなきゃいけないな」


 その言葉を聞き、クールはデスクから拳銃を取り出す。


「念入れで、44マグナム持たせておくぞ。オマエらの腕じゃ、反動で吹き飛ぶかもだけど」

「慣れているので、大丈夫ですよ。クールさん」

「……同じくです」

「よし、行って来い。もうすでにライバル社の株式は購入してある。その中から報酬を支払う。良いな?」

「ラジャー」

「……承知です」


 *


 夜の闇に紛れ、サーシャたちは歩いて『エデン』の裏口に詰め寄った。けばけばしいネオンのが、イーストAsの汚れた空気を照らしている。表通りからは、重低音のビートと嬌声が漏れ聞こえている。宗教国家、という割には随分遊びほけているようだった。


「……ここだ」

「くっせぇ路地裏だな。なぁ、リオ。身体嗅がせてくれないか? オマエ、良い匂いするからさ」

「……どのみちダクト通るのだから、匂いなんて気にしていられない」

「残念だ」


 周囲を警戒しつつ、どこか緊張感のないサーシャを見て、リオは溜め息混じりだった。


「……あそこだ」

「ハッ、あそこに登るのかい? お姫様抱っこして運んでくれるなら、考えてやるよ」

「……いい加減ふざけるな」

「へいへい……。冗談の通じねぇヤツだな」サーシャは〝ルール・オブ・ローを使い、自分とリオの重力を少し反転させる。「空の上で泳ぐ準備はできているかい?」


 リオは身体が浮く感覚にやや戸惑っている様子だが、すぐに慣れたのかダクトの上に自身の身体をねじ込めた。


「……便利な能力だな」

「だろ? なんせ、法則を変えられるんだぜ」

「……僕は〝腕力〟を強化できるけどね」

「良い能力じゃねぇか。さて……」


 ここからが本番だ。サーシャとリオは声を極力ひそめ、ダクトを進んでいく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ