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キツネ転生者と騎士王子が世界を救う冒険物語  作者: 森野魚
第1章「始まりのセファルス大国」
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01 モフモフだけれどサンキュー仏様

「きゅー」


 目が開かぬまま、僕は確かに今鳴いた。


 なんだこの声は?僕は一体何になったんだ?


 僕は死んで、生まれ変わったのだろう。僕は輪廻転生を信じていたけれど、前世の記憶が残ったまま産まれるのは普通なのか?もしかしたら、全ての赤子は前世の記憶を持ったまま産まれてきて、成長していくにつれて忘れていくから皆覚えていないだけなのかもしれない。


 そうぐるぐる考えていたら、だいぶ時間が経ったみたいだ。この新たな肉体は、時間という概念に疎いみたいで、もう産まれてから何日かは経っているかもしれない。そもそも、時間という概念は人が社会のために勝手に統一しただけであって、動物などには関係がないから、前世でのんびりと昼寝をしている猫などは心底羨ましかった。


 それはともかく、今世の僕は人間ではない気がする。

 ラッキー。


 気がついたら、目がニトッと開いていた。


 緑で埋め尽くされた視界にびっくりしたまま視線を下に向けたら、自分の手を初めて見た。僕は1000%人間ではないみたいだ。僕の手は人の手ではなく、黒い毛に覆われたモフモフした手だ。その黒い魅力的な前足はオレンジ色の胴体に繋がっていて、とにかくモフモフしている。


 よっしゃああああ!僕は人間を卒業したみたいだ!!!


 やっぱり前世ではあまり徳を積まなかったから、人間にはなれなかったみたいだ。仏様ありがとう!!今世を頑張るとは言えないけれど、動物らしく好きなように生きてみたいと思います!


 足に力を入れたら意外とすんなりと立てた。足はプルプルと震え、踏ん張りが効かず数分タップダンスをしてた気もするけれど。


 それにしても僕は何の動物になったのだろう?

 自分では自分の顔が見えないから、僕は四足歩行の恐らく哺乳類、ということしかわからない。


 そして、僕の母親や父親は?産まれてからずっと1人で、近くに生き物の気配を感じたことがない。これはもしかして…育児放棄だろうか?


 まぁ、自然界ではあるあるなことなのかもしれない。もしかしたら、両親は僕のことを産んで死んでしまったのかもしれないし、そもそも育児なんてしない種族なのかもしれない。会ったこともない今世の僕の母と父だけれど、どこかで幸せに生きていたらいいなとは思う。


 弱肉強食である自然界で生活をしていくのは過酷だと思うのだけれど、僕の最初のミッションは1人で離乳食の確保かもしれない。


 まずは飯だ!!




第1章1話を読んでいただき、ありがとうございます!


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