うわさの天使様
よければぜひぜひ
ー秋葉原にてー
「萌え、萌え、きゅーん!これでおいしいパスタに魔法がかかって
さらにおいしくなっちゃってますよ〜!是非召し上がってください♪」
只今の時刻、午後15時50分丁度。
ひなちゃんが頑張って接客業をしております。
そんな私は、厨房でお料理作り。
「どんなお客様が頼まれているのだろう」と色々想像しながら
愛情たっぷり込めて作っています。
「あおいちゃ〜ん!3番テーブルのお客さまから萌え萌えオムライス2品入りましたぁ〜」
噂をすればひなちゃんが来た。
「了解です〜!ひなちゃん、今日はなんだかごきげんさんね…!何かいいことでもあったかしら?」
そう、今日のひなちゃんはなんだかごきげんなようで、いつもより鼻歌が多いのです。
「いや〜特に何もないんだけど、ないわけでも無くてですね…!」
顔を赤らめながらそう言うひなちゃん。
「え〜何よそれ〜気になるじゃない」
「そ、そんなに気になるぅ?ん〜……じゃあ、あおいちゃんだけに教えちゃいます。」
そう言って彼女はちょいちょいと手を振り、近くまで寄った。
すると耳元でとあることを伝えられた。
その瞬間、私の、私の正面が真っ白になったかと思った。
ほんの一瞬、辛くなった。
「……え?」
「んふふ〜それだけだよん♪」
「え?それって……」
「ひなちゃーん!」
聞きたいことが山ほどあったけれど、ご主人様がお呼ばれになったので、
聞くことをやめた。
「はーい!只今お伺いしまぁす〜!では、あおいちゃんも頑張るのです!」
びしっと敬礼をし、彼女は走って行ってしまった。
「……っ…」
言葉が詰まって、呼吸できない。どうしよう。
「おーい…あおいっち、どしたー?大丈夫かー?」
「ハッ…幽麿さん…だ、大丈夫です…。ありがとうございます。」
奥から皿洗いをしているオーナーの幽麿さんが、気にかけて私に話しかけてくれる。
私は、咄嗟に笑みを作り、先程の出来事はなかったかのように、お料理を作り始めた。
今回もご覧頂きありがとうございました。
ダラダラと続かないようなお話に仕上げます。
次回もよろしくお願いします。