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(2-59)お食事会(ド・ミグラス・ソースが決めてだよ)

よろしくお願いします。

(2―59)お食事会(ド・ミグラス・ソースが決めてだよ)


 夕方、待っていたら、陛下達御一行が来た。想定通り、マーヴェイ殿下、アルフォンシーノ殿下も一緒に来た。


「陛下、ようこそ御出で下さいまして有難う御座います」

「嘘付け」


 ぼそっと言ったんだけど、聞こえてしまったようだ。ハッシュに睨まれてしまう。マーヴェイ殿下、アルフォンシーノ殿下も陛下が居るからなのか大人しい。


「ナギには、歓迎されて無いようじゃな」

「そうですね。ハッキリ言って面倒でしたから。王族って一年位待てないんですかねぇ……」


 なんか周りのハドック(家宰)さん他、頭を下げっぱなしの使用人さん達がビビってる感じがするんだけど……。俺が無礼講持ってるってのは知らないもんね。


「ナギは凄いな! そんな口が利けるのは、ナギとアルフ(アルフォンシーノ)だけだぞ。こんな所で睨み合っても時間が勿体無いから、飯にしようぜ!」


 アルフォンシーノ殿下、凄いじゃん! やっぱ空を飛びたい仲間だよな。今度陛下に何かお願いする時は、アルフォンシーノ殿下にも無礼講を渡すようにして貰おうかな。そうすれば王城で陛下の悪口言い放題になるよな。


「マーヴェイ。お前も、ワシだけで無く普段から、王族らしい口調で話せ!」


 まあ、それはさて置き。マーヴェイ殿下の一言で緊張間が抜けた感じになり、アルフォンシーノ殿下がレスフィーナ様の所に行った。そのままいつもの様に食堂へ。


「ナギ、お主も席に付け。この前も一緒に食べたのであろ?」


 仕方無いと言うか、既に諦めていたので、今日は大人しく席に付く。早速、料理が運ばれて来る。


「ところで陛下。ハッシュは勲章持って無いですけど、一緒に居ても良いんですか?」


 ちょっと疑問が出てしまう。


「当たり前じゃ、その勲章は王宮での晩餐会に出る為に必要な物じゃ、そもそも、ワシが貴族の家に訪問したら、接待する奴は皆んな一緒に飯が食えなくなるでは無いか」


 そりゃそうだね。納得したよ。


「判りました。疑問が解消できました。有難う御座います」


 運ばれて来た料理の前菜は、トマトが使われたサラダ。彩りが綺麗だよね。マヨネーズとドレッシングが、器に付いて来た。自分的には、トマトにはマヨネーズが良い。


 ドミソ(ド・ミグラス・ソース)が出来たから、レファラシ・ソースかレファラソ・ソースでも作ろうかな。ソースと言うよりはタレだけど。レモン・ファンタスティック・ラー油・塩 or レモン・ファンタスティック・ラー油・ソルトで、ファが無い、ドレミソラシドなんだけどね。色々相性が良いんだよ。餃子とかサラダにも使えるし。


「ナギ。これは、どっちを付ければ良いんだ?」

「どっちでも、好きな方で良いですよ。カットされたトマトが数個乗ってますから、夫々で別なソースを掛ければ良いと思います。後は気に入ったソースでトマトを食べたら良いんじゃ無いでしょうか」


 陛下に聞かれたので、一応答えておくけど、好きにすれば良いと思う。


 レスフィーナ様は、自分が気に入った方を、アルフォンシーノ殿下に食べさせようとしている。マヨネーズの方だね。

「アルフ(アルフォンシーノ)。美味しいわよ、食べてみて」

「あねうえ。なにコレ」

「トマトよ。この前食べた、アルフォルノにも使われてたのよ」


 アルフォンシーノ殿下が、トマトを食べさせて貰う。


『子供だから、気に入らないかもな……』


 口が小さいので、食べ終わるまで時間が掛かってる。


「あねうえ。おいしいよ!」


 マジ? 流石、アルフォンシーノ殿下だ! 見た目で嫌いってならなかったようだね。


 他の皆んなにも、概ね好評な感じ。


「ナギ殿。トマトは美味いですな……。既に季節が終わり掛けてるのが残念です。もっと早くから毒味させておけば良かったと思います」


 だよね。


「完全に真冬になると難しいですけど、頑張って温室を作れば、未だトマトは作れない事も無いと思いますよ」

「どう言う事じゃ?」

「総ガラス張りの、建物を作れば、中はかなり暖かくなりますからね。そうすれば育つ可能性は有りますよ。夜間は、炭を焚いて温度を下げないような工夫が必要になるかも知れませんけどね」


「フム……。温室か……悪く無いかもな」


 自分が言った事だけど、温室作るの? 止めた方が良いんじゃ無いかなぁ。


「トマトを食べる為だけの理由で、温室を作るのは、税金の無駄使いですよ。夏まで待つ方が良いと思います。使った税金に見合うだけの収穫量が見込めて、王都の民衆が冬でも手軽にトマトを食べれるようになるならば、税金を使っても良いとは思いますが……。そこまで食に困って無いならば、他に使うべき所が有ると思います」


「そう言われると、確かにな。少し検討してみる事にしよう」


 諦めろ! それよりも物流システムの構築の方が絶対にお勧めだよ。要は道路整備だね。街道から〝ウ○コ〟が無くなれば良いと思うもん。まあ言わないし、街道から〝ウ○コ〟を無くすのは絶対に難しいからね。常時誰かに街道を歩いて貰って掃除しないといけないもんね。


 次の皿……器が出てきた。トマトの冷製スープだね。


『美味っ!』


 料理長は、何やったんだ? なんでこんなに美味くなってるんだろう? 判んねえ……。スープと言うか出汁が変わったのかな? 馬鹿舌じゃ無いつもりだけど、自分は料理スキルが高い他の異世界転生者とは違うからなぁ。食いしんぼで給食のメニューを作ってる新聞社の人や、父親の美色倶楽部のウナバラさんなら直ぐに判るんだろうけど、自分には無理みたいだ。


「トマトのスープも美味いな……」


「でしょう? コレでもう良いですよね? トマトの事は判ったと思いますから、風呂に行ったら良いと思いますよ」


「未だ、メインが出ておらんじゃろ」

「そうですけど……」


 失敗したかな。トマト料理は、スープでお終いにして貰えば良かったかも。


 器が下げられるのと同時に直ぐに料理が運ばれてくる。


『ん?』


 何故か、全員の前に、トマトのカルボナーラが出てきた。これはアルフォンシーノ殿下用のつもりだったんだけど……。少し量は少ないかな。


「これが、アルフォンシーノに出したアルフォルノか?」

「ぜんぜん ちがう よ! もっと あかいもん」


「ナギ。コレはなんだ?」

「見たまんま、トマトを使ったカルボナーラですよ……」


「随分、キレイな色になるんですな……」


 そうだね。料理長は、どの位魔改造したんだろうか? 確実に美味しくなってると思うけど。


 一口食べて……。と思ったけど、パスタの食べ方が判んねえ……。フォークはどっちで持つんだ? 周りを見てからにしよう。


 宰相は、左手でフォークを、右手でスプーンを持ってるな。確かにカトラリーの並びもそうなってるし、これが正解なのかな? と思って陛下とレスフィーナ様を見ると、右手にフォークだけ持ってる。マーヴェイ殿下、ハッシュは右手にフォーク、左手にスプーン。


『どう、すりゃ良いんだ?』


 良く判らないのと、左手でパスタは、ちょっと無理なので、マーヴェイ殿下、ハッシュと同じように右手にフォークを持つようにする。確かスプーンを使うのは、子供だって聞いた気がするんだけど……まあ良っか。


 一口食べて見た。


『なんで、こんなに美味くなってるんだ……』


 なんかトロみが違うと言うか、濃厚と言うか……。チーズ無いよね? どんなマジック使ったんだろう? 不思議だ。もしかして生クリームを作ったんだろうか? なんかそれよりも濃い感じなんだけど。


「ナギ コレ うまいよ! でも ぼくは アルフォルノのほうが すき!」


 まあそうかもね。


「確かに、美味いな。温室を作りたくなってくるな……」


 トマトのカルボナーラも好評だ。皿が下げられると、また次の料理が出て来た。今日はメインが二つ有るみたいだね。そう言うコースが有るのかも知れない。


「で、ナギ、コレはなんじゃ?」

「陛下が所望してるド・ミグラス・ソースを使った料理ですよ。今日のメインですね」


 見た所、生クリームが上にくるっと掛けて有ったので、生クリームを使ったんだろう。作るのはかなり大変だと思うので、作り置きして有ったのかなと思う。


「美味い!」

「ですな。凄く美味しいです」

「ナギ、これは、なんて言う料理なんだ? 王宮でも作れるのか?」


「マーヴェイ殿下。この前も言いましたけど、ここでしか食べれませんよ」


 アルフォンシーノ殿下も、スプーンをぐーで握って、溢しながら食べている。パストラミビーフが、昼間よりも更に薄く小さく切られてるので、アルフォンシーノ殿下でも十分食べ易くなっている。


 パンに付けると美味いんだけどね。まあ皆さんは好きに食べて下さい。


「ハッシュ、美味いか?」

「ああ、すげえ美味い。マジで……。パンに付けるとパンがむっちゃ美味くなる!」


 まあ、偶然だもんね良いよな。


「良く判ってるな! ハッシュが気に入ったようだから、この料理は、ハッシュ・ド・ビーフって名前にするかな。ド・ミグラス・ソースが決めてなんだぞ。良い料理名だろ?」


「えっと……ナギ、良いのか?」


「良くない! なんで俺の名前の料理名にしないんだ!」


 良いよって言おうと思ったら、マーヴェイ殿下が文句を言って来た。なんでそんなに自分の名前の料理名を欲しがるんだ? やっぱ焼きそばモドキは、マーヴェラス・パスタにするかな……。


「そうだ、良く無い。ワシの名前を使え!」


 陛下、アンタもかよ! 似たもの親子だな。


「陛下の名前を付けても良いですよ。でも条件は、この勲章を外す事です。それに陛下には、陛下の名前は使ってませんが、気球のグランデ・ベンティ号が有るじゃ無いですか……」


「ぐぬぬ……」


 勲章を外しても良いなら、ド・ミグラス・ソースが決めてのグラーシュ・ド・ビーフって名前でも全然構わないんだけどね。ハッシュ・ド・ビーフのハッシュは、牛肉をハッシュ(細かく切った)したって意味も有るからね。陛下のグラーシュもシチューの名前だから料理名に使っても間違いでは無いと思うから。今度、牛生肉が手に入ったら牛肉の塊を使った料理にはビーフ・グラーシュって付けても良いかもしれないね。


「まあまあ、陛下。料理名は諦めた方が良いと思いますよ。陛下が勲章を取り上げると言うならば何も言いませんけど」


「判った……料理名は諦める……。だがワシの料理名も考えておけ!」

「良いですけど、毎回、勲章を外す事を条件に出しますからね」


「ぐぬぬ……。お前は、国王を何だと思ってるんだ?」

「税金を正しく使う責任者ですかね? それ以外に何か有りますか? 集めた税金を正しく使わない国はいずれ滅びますよ」


「陛下の負けですよ。多分ですが、口撃でナギ殿には勝てないと思います」

「ムカつく!」


 それはこっちのセリフ! 陛下は税金を相当正しく使ってるとは思うけどね。まあ他の国の事は良く判らないけどさ。


 その後はデザートを食べて、お食事会は終了した。






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