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(2-58)お食事会(準備)

よろしくお願いします。

(2―58)お食事会準備


 翌日、未だ生っているトマトを収穫する。もう少しで次のトマトが収穫出来そうな感じ。


『未だ、なんとかなるかな。でも次の収穫が今年最後だろう』


 自分的にも残念だけど、殿下達には来年まで待って貰う事にしよう。多分だけど、マーヴェイ殿下、アルフォンシーノ殿下が食べたがれば、王城からの命令でトマト栽培が本格的に農家さん達に始まって広まると思う。そうすれば自分の知らないトマト料理も出来て来ると思われる。期待して待つ事にする。


 朝食後に、料理長の所に行く。


「料理長、おはよう御座います」

「ナギ様、おはよう御座います。トマトを持って来てくれたんですね」


「ハイ、今回の収穫で、一旦トマトはお終いです、一週間位でもう一回収穫出来るとは思います。冬に向けて大量にウスター・ソースを仕込んでおいた方が良いかも知れませんね」


 ド・ミグラス・ソースは、保存出来ないだろうなぁ……。でも濃いめの味にしたケチャップなら多少は保存が効くかもしれない。その辺は料理長に任せよう。


「確かにそうですな」


 社交辞令を取り敢えず終える。


「ナギ様。それで本題ですが、本日の、陛下と宰相へ供する料理はどんなのを考えていますか? ド・ミグラス・ソースを使うとの事ですが……」


「比較的簡単な料理を作るつもりです。ですが()しかしたらマーヴェイ殿下とアルフォンシーノ殿下も来るかも知れませんので……。マーヴェイ殿下は大人と同じ料理で良いですが、アルフォンシーノ殿下用の料理が必要かなとも思います」


「確かに……。ですがトマトが有ればアルフォノ・パスタは作れますよ」


「そうだと思いますが、他の料理を出してあげた方が良いかなと思います。なので別な料理を作ってみようかなと……。この際だから今日はトマトで攻めてみようと思います。ただ素人なので、味を整えて頂くのは料理長に任せたいと考えています。新料理でもパスタを使うので打って貰えたらと……。余ったら賄いで食べて貰えればと思います」


「承知しました」


 料理人さんが指示されてパスタを作り始めてくれる。パスタが出来る迄に他の料理を進める事に。コース料理の最初のサラダは、お任せする事にする。


 で、スープは思い切って、トマトの冷製スープを作る事に……。と言っても上手く作れる自信が無い。にわか知識でチャレンジして後から料理長に丸投げしよう。多分それが正解だと思う。


 料理長から、出汁を貰う。それと卵を黄身と卵白に分けて貰い卵白を使って、出汁の灰汁を取る……。全部取れないけど、まあ良いか。


 で湯剥きしたトマトを、そこそこ細かくカット、灰汁を取った出汁にトマトを入れて、塩、コショーで味を整え軽く火を通す。煮込み過ぎないようにして、井戸水を張った桶に、鍋を浮かべて冷やして行った。


「料理長、スープは、こんな感じなんですけど……味見して頂けますか?」

「判りました。トマトのスープはどんな感じなのか興味が有ります」


 他の料理人さん達にも、試食して貰う。


「なるほど……。悪くは無いですな……」


 やっぱ、その程度なんだよね。なんか足りないんだよなぁ……。何が足りないんだろう?

「少し、アレンジすれば格段に良くなると思います。任せて貰っても宜しいでしょうか?」

「はい、是非お願いします」


 スープは出来た感じかな。次に、アルフォンシーノ殿下向けの料理。


 材料はニンニク、ベーコン、卵黄、トマト、パスタ。まあ比較的簡単なトマトのカルボナーラを作ろうと思う。パスタ生地を寝かせ終わる迄はちょっと暇。


 パスタ生地を伸ばし始めたので、各材料を準備する。必要な物はカットして行く。パスタを茹でて貰ってる間に知っている手順で作り始める。タイミング良くパスタを投入して、トマトのカルボナーラを作った。軽く味見をしたけど、何か足りない。やっぱチーズが無いとイマイチなのかなとも思った。


「料理長。トマトを使ったカルボナーラなんですけど……味見して貰えますか? 一応アルフォンシーノ殿下向けのつもりなので……」

「見た目は、キレイですね。ちょっとピンクな所が良いですね。女性ウケしそうな気がします。奥様に出しても良いかも知れませんね。とは言え味見しないとですな……」


 料理長と料理人さん達が、トマトのカルボナーラを味見する。


「もう少し……コクと言うか、卵黄でコクは有るんですけど、足りないって感じがしますね」


 ですよねぇ。トマトが混ざって薄くなってるんだよね。それを補完する何かが、チーズなんだろうなぁ。牛乳だけだと弱い感じなんだよね。


「ナギ様、これもアレンジして構いませんか?」

「ええ、是非お願いします」


 料理長の頭の中では、色んな合いそうな食材が浮かんでいるのだろう。夜迄には完成すると思える。


 次は大人向けのメインディッシュ。これが一番簡単かな。


 料理長が作っているド・ミグラス・ソースの状況を見ると、殆ど出来上がってる感じがした。


 玉ねぎ、じゃがいも、人参、を切り、パストラミビーフを薄くカットして貰う。そのまま一緒に少し長めに煮込んで行って完成。本来は牛の生肉を使いたい所だけど、遥か昔は、パストラミビーフで作ったって何処(どこ)かで見た記憶が有るのでやってみた。味見した感じは悪く無いかな。肉に味が付いてるので、個人的には少し微妙かも。じゃがいもと人参は完全に自分の好みで入れた。カレーの人参や人参グラッセはあんまり好きじゃ無いけど、他の料理の人参はかなり好きだ。クリームシチューには是非入れたい。そう言えばクリームシチューは未だ食べた事が無い……。料理が無いのかな? なんか有りそうなんだけど。


「料理長。試食お願いします。これとパンで本日のメインディッシュにしたいかなと……」


「これは……。美味いです! マジで! 今日は、これで行きましょう!」


 良かった。まあ玉ねぎとド・ミグラス・ソースが決めてだもんな。それが有れば誰でも作れちゃうのが良いよね。やっぱ、じゃがいもと人参が美味いよね。パンも良いけどご飯でも食べたい味だ。


 後は料理長にアレンジして貰おう。素人が出来るのはこのくらいかな。他の異世界転生者、転移者と違って、そんなにレパートリーが豊富でも無いし、料理が発展するには自分の手出しが少ない方が絶対に良いと思う。


「えっと、もう一つなんですけど、作れるならば料理長の知識を借りたいのです……」

「何でしょうか?」


「今日は、トマト料理がなので……。トマトは夏野菜で体温を下げる効果が有るんです。なので真夏ならば良いんですけど、夜は大分涼しくなって来ましたから、逆に体温を上げる効果の有る飲み物を出した方が良いかなと思うんです。で、生姜を使った飲み物が有れば良いかなと思いまして……」


 手っ取り早くジンジャーエールが有れば、良いんだけどねぇ……。炭酸水は無いだろうし。辛いとアルフォンシーノ殿下は飲めないと思う。


「生姜ですね。判りました準備しておきます」

「有るんですか?」

「有りますよ。冬には良く飲みますから」


 流石、先人の知恵だな。やっぱ季節で身体を考えた食べ物、飲み物が有るんだね。


 そう言えば、寒くなってキャベツが採れるようになったら〝ソース焼きパスタ〟を作ろうと思ったけど、その時期になると今度は〝もやし〟を作るのが難しいって思った。そもそも〝もやし〟が無いみたいだ。暗所で栽培する必要が有る事が未だ知られて無いんだろう。


 作るとしたら、入手が容易な大豆からになる筈。他の豆でも良いけど大豆が一番入手し易い。暗所を作る必要も有るけど、気温が高く無いと〝もやし〟は作り難い。秋の初めくらいか、春の終わりじゃ無いと〝ソース焼きパスタ〟は難しそうだね。夏の縁日で……縁日は無いけど、屋台で〝ソース焼きパスタ〟を作るのは難しいだろう。窯と鉄板の問題も有るし……この世界で食を発展させるのは難しいね。



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