(2-49)ゴムの樹液採取2(森の恵み)
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(2―49)ゴムの樹液採取2(森の恵)
『おっ? これは……。皆んなは知ってるかな?』
「これ知ってる?」
「それは、ムカーゴ(零余子)ですね。秋の訓練の時に、良く取ってました。茹でて酒のツマミにしてましたけど、食べ物が無ければそれを食べる事になったでしょうね」
やっぱ知ってるんだ。未だ時期じゃ無いから食べれる状態じゃ無いけどね。
「じゃあ、この下に芋が有るのは知ってる?」
「はっ? 芋? 下にですか?」
「そう、山芋って言うんだけどね。味はどうかなぁ……好みがあるし。取り敢えず掘ってみようか。未だ季節的に育って無いかも知れないけど」
他の異世界みたいにダンジョンが有れば山芋も季節関係無しに採れるんだろうな、反則だって思うよね。山芋掘りってむっちゃ大変なのを知らないで食材をゲット出来るんだもん。農家さんの苦労やスーパーしか知らない人にはダンジョンで戦う方が楽なのかも知れない。ここはそんなに便利な世界じゃ無いから地道に食材を見つけないと。と言っても偶然見つけたんだけどね。
そう言えば、女性がいるパーティーで泊りがけでダンジョンに潜ったら、〝ウ○コ〟はどうするのかな? 魔物は魔物避け魔法とか有りそうだけど……。不思議だ。ダンジョン以外でも泊りがけで森に行く時もだけど。多分想像だけど、ダンジョンや魔物が出る森には安全地帯に多機能トイレが設置して有るんだろう。じゃないと絶対に女性冒険者なんて誰もなりたがらないと思うから。出来ればそう言う情報は詳しく書いて欲しいよね。決してアダルト要素を期待してるんじゃ無いよ。
山芋なら絶対に醤油が欲しい所なんだよな。と言っても無い物は仕方無いので、茹でて塩をつけるとか、焼いて塩を付けて食べるしか無いかな……。チーズが有れば美味しく食べれるんだけど。後は定番の揚げ物にするくらいだろう。
取り敢えず蔓の下を掘って行く、慎重に掘らないと、途中で山芋が折れてしまう。結構時間も掛かるから、これを孤児達にさせるのは無理かも知れないね。でも無料で食べれる食材が有るならば掘っちゃうだろうな。零余子を植えて山芋を育てた方が良いのかもと思ってしまう。
兵士さん達は、穴掘りスキルが高いのか、簡単に掘って行く。やっぱ現代っ子とは違うのかも。一応山芋は取れたけどやっぱ期待するほど育っては居なかった。まあ食べれるだろう。後一ヶ月位経てばそれなりになりそうだ。やっぱ寒くなってからの方が山芋掘りは良いと思われる。
「この山芋って、イノシシの好物の筈だから、山芋が有る所ならイノシシ狩りが比較的容易に出来るかもよ」
「そうだったんだ……。じゃあイノシシが良く狩れる場所に行けば、山芋も有るんですかね?」
「可能性は有ると思うよ、ドングリとかも食べてると思うけどね」
十数本の山芋を持って、一旦ゴムの樹液採取してる所に戻る。溜まった樹液を樽に移して、再度樹液採取する。兵士さん達の案内で、イノシシが良く現れる所に向かった。
「おっ、ムカーゴ(零余子)が有る」
「ホントだ。秋になったらイノシシ狩り放題だな!」
それは、どうかな? まあ狩り尽くさないようにして欲しい。イノシシが居なくなると生態系も狂っちゃうだろうから。
「イノシシは狩るより、罠を仕掛けて獲った方が早いと思うよ。鉄の檻に山芋を置いておけば簡単に捕まえられると思う」
「罠かぁ……肉祭りメインならそれも良いかもだけど、王城に居る偉い人達が作るのを許可してくれるかな、それと予算も出るかな……」
「だよな、一応訓練を兼ねた狩りを定期的にしてるんだもんな、罠で獲っても駄目かもな」
そう言う理由も有るんだろうね。と会話してたらイノシシが一頭現れた。逃げられる前に弓魔法でサクッと射殺した。これで今日は二頭目だ。一回じゃ運べないかもしれない。
再度樹液採取の所に戻って樹液を樽に移すが、未だ足りない。これは今日一日、樹液採取をしないといけない感じだ。
「イノシシを、一旦、荷馬車の所に運んだ方が良いかな、ゴムの樹液採取に結構時間が掛かりそうだ」
「そうですね」
もっと小さなバケツを沢山用意した方が良かったみたいだ。そうすれば同時に複数のゴムの樹から採取出来るので、早く集める事もできると思う。これは問題点が見つかったと言う事で良いだろう。子供には大きなバケツも重いだろうしね。小さな樽も必要だね。四リットル位が妥当な所かな?
狩った獲物を一旦、荷馬車まで運び、再度戻って来て三回目の樹液採取をする。その間に再度獲物を狩りに向かう。
「近くに獣達の水場って有るの?」
「有りますよ」
だよね。水が無いと動物は生きて行けないもんな。
「水場も動物が集まるから、狩りをするんだとしたら有効だと思うよ」
「そうですね、一応水場も訓練の時は行く事も有ります。行く前に獲物が狩れれば行かない事も有りますけど」
そっか。狩った獲物を担いで移動するのは大変だもんね。兵士さん達に水場まで案内して貰う。水場は少し流れが有る池って感じだった。川から池に少し流入して、また川に戻るって具合。水場に近付いて行く時に、鹿が見えたけど直ぐに逃げて行ったので、狙う事は出来なかった。
「ワニとかって居ないよね?」
「居ないですよ」
良かった。ワニは怖いもんね。引きずり込まれたり噛まれたらグリグリ身体を回転してくるんだよね。身体がバラバラになって即死だもん。
『おっアレは……』
良いものを見つけてしまった。
「アレ、知ってる? あの水に浮いてる葉っぱ」
「えっと、ロタースですか?」
ちょっと違うけど合ってる筈。見つけたのは、ロタース(蓮)の葉っぱ。
「そう、ソレ!」
「ロタースがどうかしたんですか?」
「多分間違い無いと思うけど、あの葉っぱの下に食べれる根っこが有る」
一応食用の蓮に見えるけど……どうかな? 気候的にも有って不思議じゃ無いし。時期的にも、そろそろ収穫出来る気がする。
「食べられる根っこ?」
「そうだよ。でも山芋と同じで味はどうかなぁ……。食感を楽しむって感じかも。まあ味付け次第だけどね」
マヨネーズが有るんだから、辛子蓮根を作りたいけど、辛子を結構使うから難しいかも。そもそも和芥子が有るのか判らないし。まあ無難に炒めるか揚げるかかな。和辛子は料理長に聞いてみよう。マスタードが有るのは判ってるんだけどさ。
さて、どうやって掘ろうかな……やっぱ潜るしか無いか……。それしか無いだろうな。
「燃えそうな木を集めて、火を焚いて待っててくれるか?」
「ナギ様、何するんですか?」
「ちょっくら潜って蓮根を……、レンコンって、ロタース(蓮)の根の部分の事だから。それを採って来ようと思う。水場だから獣が出て来るかもだから注意してくれ」
「そんなの、俺達が行きますよ!」
「採り方知らないでしょ? 難しいよ、俺も採り方説明出来ないもん」
と言いつつ自分も知らない。足で探って潜って引っこ抜くかなと思ってる。土の中で出来る野菜は水に浮かないから浮いたのを取る事が出来ないんだよな。玉ねぎとトマトは逆だけどね。なので手で掴まないといけない。先ずは火を焚いて貰う、煙が出てれば野生の獣は、あんまり近くには来ないと思う。
下着は乾かす暇が無いと思うので、スッポンポンになる。肉食魚は居ないよな? いたら困る。すてぃんぐ・すてぃんぐ食べられたら死んでしまう……。
足がハマったりして沈んだままになる危険が有るかもなので、ロープを身体に結ぶ。
「暫くしても、浮かんで来ない時は、俺が死ぬ前に引っ張り上げてくれ」
池の中に入って行く、下はドロだけど沈む事は無かった、そこまで深く無いみたいだ。蓮の葉の根本を足で探ってレンコンらしき物を探り当てる。
『おっ、多分コレだ』
足元に蓮根らしき物体を確認した。足をグリグリして、ドロを避けて行く。手を突っ込めば取れる感じになったので、思い切って潜って蓮根を掘り出した。採った蓮根は、兵士さんの所に投げて渡した。同様にして全部で十本蓮根を掘り出した。取り敢えずこの位有れば良いかな。欲しくなったらまた採りにくれば良いと思う。その時は着替えも用意してから。
ドロだらけになったので、この池に流れ込んでいる川で身体を綺麗にした。あんまり綺麗になって無いかもだけど我慢する。
蓮根が有ったのは良いけど、牛蒡は多分無いと思われる。牛蒡は、日本でしか栽培して無いので、有るとすればナパージュだと思う。キンピラ牛蒡食べたいんだけどね。牛蒡の代わりにウドが有ればとも思う。山に行けば有るかも……でも季節的には蓮根の時期から外れそうだから無理かも知れない。それに牛蒡は誰も食べない可能性も有る。昔々、外国人の捕虜に食事で牛蒡を食べさせたら捕虜虐待って言われた位だからね。牛蒡が見つかったとしても食べるのは自分だけかも。でもやっぱ醤油が無ければ始まらないんだよな。
服を着て、火を消して……。と思ったら水場に鹿が現れたので仕留めた。ゴムの樹液の所に戻り再度樽に移す、鹿を馬車に運んでいる時に、現れたクマもゲット。
狩りと樹液集めを繰り返し樽に溜める事が出来た。ついでに更に鹿も二頭。イノシシを一頭。かなりの量の肉を狩る事が出来た。冷やし終わったらイノシシ肉を一部分けて貰おう。
「そうだ、ハッシュに確認しないといけないけど、なんなら山芋と蓮根を食べて見るか? 夕食後、日が暮れてからなら、食べさせる事が出来ると思うけど」
「是非!」
「俺も! 美味い不味いは食べないと判りませんからね。美味いなら今後は積極的に採ろうと思います」
と言う事で、王城に帰る前に、ミグラス伯爵家に寄って貰う事にした。良い時間なのでハッシュも戻って来ているだろう。




