(2-48)ゴムの樹液採取1
よろしくお願いします。
(2―48)ゴムの樹液採取1
「ナギ様、じゃあ出発しますか。王家の狩場で良いんですよね?」
「ああ、それで良いけどさ……。ちょっと聞きたいんだけど、この格好って騎士爵の格好で間違い無い?」
「はい、間違い無いですよ……。そう言えば騎士爵になったんですね」
「自分達全員も、もう直ぐ騎士になるんですよ。ナギ様と一緒に仕事が出来て運が良かったです」
こっちは何か運が悪いよ……。でも兵士さん達が言うんだから間違いじゃ無いのかぁ……。なんか引っかかるなぁ。今悩んでも仕方無いので後にする。
『で、どの馬に乗れば良いんだ?』
周りを見渡し空いてる馬を探して見るが見つからない。
「ナギ様、この馬車に」
「はぁ、馬車? 馬で良いよ」
「ナギ様は馬車に乗せるようにと、ボニート宰相閣下に言われてますので」
う〜む。ただの移動だけだから、まあ良いけどさ、馬車だと道が見えないからいつ揺れるか判んないんだよな。それに、もう少し地味な馬車で良いんじゃね? マーヴェイ殿下の馬車よりは落ちるけどハッシュが乗ってる馬車より豪華に見えるんだよな。使用してない余ってる馬車なんだろうけどさ。ゴネても仕方無いので諦めて馬車に……。自分で扉位開けられるよ俺。子供じゃ無いんだし。まあ素直に乗ったけど。一人じゃ広すぎだよ。なんだこの馬車は……飲み物(酒)まで置いて有るのか? こんな揺れる馬車じゃ飲めないだろ? 貴族の見栄なのかな?
ガタガタ揺られながら、王都の狩場へ。揺れが少なければ爆睡出来るのにね。眠くても寝れない感じ。到着した時も、扉を開けてくれた。なんでこんなVIP対応なんだ? 訳判んねえ。
『ふぅ……暇だったな。身体が固まっちゃったよ』
早速、森に入る準備をする……。けど、する事が無い。取り敢えず弓だけは持つ事が許された。兵士さん達は、皆んな手持ちで木製のバケツ(縦長の桶みたいな物)、樹液を持ち帰る為の比較的小さな一斗缶位の樽(自分は必要性に気付いて無かった)を木製の背負子で背負い、ロープ、ズタ袋(獲物用)を持っている。
自分は道案内するだけが今日の仕事だと思う事にする。
ゴムの樹はかなり森の奥の方に有ったので、結構歩く。だけど実際に集め始める時は他の森なので、あまり関係無いとは思う。それよりも周辺の森の危険な獣を狩って貰わないと素人にはオススメ出来ない作業になってしまう。後で宰相に相談する事にしよう。
森の中に入って行くが、どうするか兵士さん達に確認する。
「うさぎが出たらどうする?」
「出来れば狩っておきたいですね」
まあそうだよね。
「じゃあイノシシは?」
「是非狩りましょう!」
それもそうなんだけどさ。
「行きに、イノシシが見つかったらどうする?」
「狩りましょう。気合を入れて運びます」
「樹液も結構重くなると思うよ」
「じゃあ、何往復しても樹液は運ぶようにします」
兵士さん達に取っては、ゴムの樹液よりも肉の方が重要度が高いんだろう。そりゃそうだよな。なので獲物も極力狩る事になった。背負子があれば自分も運ぶんだけどね。自由度が高いので狩りは任されたと思う事にする。
ゴムの樹が有る所までに、運良くイノシシが出てきた。向かって来れば簡単なんだけど、離れていたので弓魔法でサクッと脳天を射抜いた。直ぐに兵士さん達が、倒れたイノシシの所に向かう。
「あの、イノシシかなり大きいけど、どうする? 運ぶ?」
「そうですねぇ……血抜きした状態で吊るしておきますか」
だよね。樽も持ってるんだし流石に無理でしょ。
「クマが食べてしまったら諦めてくれ」
「クマをぶち殺します!」
良いけどね。クマの食事中に戻って来れればだけどね。態々探してまでクマ狩りはする気無いよ。行きは、更にうさぎ三羽をゲットした。
森の奥の方に行きゴムの樹が自生している所に着いた。なんで自分がゴムの樹が判るのかと言うと、名前が木五倍子梛で姓も名も樹木なので他の樹木や草花の事も良く調べていたからだ。なので余程変な樹木で無ければ大体は判っている。
「これが、樹液を集めるゴムの樹だ。良く覚えておいて欲しい。まあ傷を付ければ直ぐに判ると思う」
手袋とナイフを借りて、ゴムの樹に斜めにグルっと傷を付けて行く。直ぐに白い樹液が出てくる。下の方は樹の皮を捲るようにしておく。その下にバケツを置く事でゴムの樹液が溜まり易いようにする。
「周りに、ゴムの樹は沢山有るから、やって見てくれ。バケツに溜まったら、樽に移して欲しい、結構時間は掛かると思う」
「判りました」
樹液を溜め始めたので、その間に肉祭り用の獲物を近くで探す事にした。




