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(2-47)ゴムを作ろう2

よろしくお願いします。

(2―47)ゴムを作ろう2


 既に、ぐったりとしてしまったが、今日の本題のゴム作りの件が残っている。


「えっと、今日の本来の用件はゴム作りですよね?」

「そうですね、王都の各商会を呼んで工房に集まって貰う日程を決めましたので、その前に、ナギ殿と王城の兵士達でゴムの樹液を採取して来て貰おうと思っています。工房が集まる日は四日後ですのでよろしくお願いします」


 結構、工房さん達の集まりは素早いな。王宮がゴリ押ししたのかな? したんだろうね。工房さん達だって都合が有るだろうにね。偉い人には逆らえないのが現実だもんな。


「では、明後日、集めに行きたいと思いますが、手伝って貰う兵士さん達の準備は大丈夫でしょうか?」


「大丈夫です。兵士達には伝えて有りますし準備は大丈夫です」


「では、明後日、十時位に王城へ……えっと、何処(どこ)に行けば良いですか?」

「そうですね、取り敢えず私の所へ来てください。何か他に持って行く物が有れば準備しておきますが」


「そうですね……。一応弓もお願いします、肉が狩れるかもですから。あっ手袋は必須ですよ、樹液で手がカブれますからね。それと取り敢えず何か森で見つかるかも知れませんので、スコップとかですかね……。まあそんなに良い物が見つかるとは思ってませんけどね。」


「でしょうな、そんなに有用な物なら、もう既に見つかっている筈ですからな」


 有ったとしても、キノコ位だと思うけどな。キノコって生で食べれたり栄養有るんだっけ? まあ食材が見つかるのは良い事だと思うけど。


「判りました」


 取り敢えず、その日はお終い。なのでミグラス伯爵家に戻った。


 ゴム作りに関しては、調べたけど実は詳しくは判っていないのが実情だ。生ゴムまではなんとかなると思うけど、そこから加工するやり方が良く判らない。なので相当時間が掛かると思っているし、工房さん達の研究が必要だって思う。




 ナギが退出した後の宰相の執務室では。


「陛下、ナギ殿を上手く騙す事が出来ましたな」

「全部、ボニートが仕組んだ事であろう」


「まあそうですけどね。多分ナギ殿は(しばら)くは気付く事は無いでしょうね。普通は騎士服には無い勲章を縫い込んで渡してますから。でも良かったんですか? かなり高位の勲章ですよ。もっと低位ので良かったのでは?」


「構わん。正式に叙勲した訳では無いが、別に叙勲しても全く困らんしナギには十分資格は有るしな。偶々(たまたま)騎士服に勲章が縫い付けて有るだけじゃ。今の所は居ないみたいだが、今後はナギに絡んでくる馬鹿共もいるじゃろ」


「まあ、そうでしょうね、ウォールとメアリーからの報告では、ミグラス伯爵家に居候しているマーヴェイ殿下の従者が色々と動いてい何かしている。それでミグラス伯爵家と王家が利益を得ていると言う誤った噂が出ているとの事です。高位貴族の中にはナギ殿を雇おうとする気配も有るようですよ。陛下や私と、かなりフランクに会話しているのも伝わっているようですな」


「ワシの執務室もボニートの執務室もナギが来る時は、人払いしてるんじゃがな。まあ〝壁にウォール、商事にメアリー〟って諺も有るからの、誰の手下のウォールとメアリーが何処(どこ)で見張ってるのかも判らんし。一番怪しいのは洗濯庫と脱水庫の時だとは思うが……あの時は特に口止めもしてなかったしの……」


「既にマーヴェイ殿下の従者には構うなと陛下の名前で通達は出していますけど……。ナギ殿が付けてる勲章の意味が判らないような馬鹿も居るかもですが……普通は侯爵以上で無ければ貰えない勲章ですからね。一部例外も有りますけど、与えた勲章は陛下と直接会食する権利が有りますから」


「ワシと飯を食うのが嬉しいのかは判らんがな」


「十分名誉な事かと」


「馬鹿が出た時は、処分すれば良いであろう。王の命を無視したのじゃから」


「そうですな。それと後でハッシュ殿にも、ナギ殿から聞かれても、ただの騎士爵の服だと言う事にして貰います」

「そうじゃな。任せる」


 と言う会話がされていた。





翌日、王城から新しいビシッとした騎士服が届いた。なんか胸元が派手なんだけど、全く判って無いので、これが普通なのかも知れない。



 更に翌日(二日後)、新しい騎士服を着て王城に向かった。いつものように王城の正門の脇の衛兵さんに話し掛けるんだけど、なんか衛兵さんの態度が変だった。妙に緊張してると言うか……。少し格好がグレード・アップした位でどうしたんだろう? とは言え、いつものように王城の入り口迄案内される。一人で行けるけど案内されるのがマナーみたいだから。


 王城の衛兵さんと交代したんだけど、やっぱ態度が余所々々しい……って言うか、ビビってないか? そこまで顔見知りと言う訳じゃないけど何回か会ってるよね? そんなに騎士爵って偉いのか? 殆ど最下級の爵位でしょ?


 王城内を連れられて待合室に案内される……。今迄も豪華だったけど、更に何段階も豪華な部屋に案内して貰った。なんでだ? 振り子時計も置いてあるし……。宣伝用の時計なんだろうか?


『う〜む……謎だ!』


 これ本当に騎士爵の制服なのか? なんか怪しいな。でもサインしたのは間違い無く騎士爵だったけど。もしかしてイカの墨で書かれていたのか? 後から子爵とかに書き換えて……陛下ならやりそうだよな。帰ってから書類の確認しなきゃ。文字が消えてるかも。


 メイドさんが来て……。なんか若いメイドじゃ無くってピシッとした落ち着いた年齢のメイドさんが来た。個人的には若い娘の方が良いんだけど今日は休みなのかな? お茶を出してくれるのかと思ったら、お茶にしますか、お酒にしますかって聞いてくる。昼間っから飲まないよって言いたいけど、貴族は別なんだろうか? お茶を頼んだらスイーツまで出てきた。騎士爵ってめんどくせー! ハッシュと一緒に来た時だってこんな接待じゃ無かったのに……。まあハッシュは貴族だけど、未だ後を継いだ訳じゃ無いからなのかも知れない。


 メイドさんが控えたままなので、困ってしまう。これは帰って良いよと声を掛けるべきなんだろうか? 駄目だ慣習(しきたり)が判らない。


 お茶も飲まずにじっとしていてしまう。う〜ん完全にアウェイで場違いな感じなんだけど……困った。


 かなり余裕を持って来たんだけど、もうすぐ約束した時間だ。もしかしてスイーツ食べないと抜けれないのか? マジで困ったぞ。と思ったら、(ようや)く執事さんが来てくれた。


『ふぅ……やっと拷問部屋から出れる……』


 執事さんの後を付いて行くのはいつもの事なんだけど、今日は何故が、偉そうな人とすれ違っても止まらない。いつもだと、執事さんが止まって礼をするので、自分も一緒に偉そうな人に礼をするんだけど、そんなの知ったこっちゃねえって感じでスタスタ進んで行く。逆に向こうの方が止まって礼をしてくる。


『どう言う事? マジで判んねえ』


 絶対に向こうの方が偉いって思うのに。謎だ! なんか絶対に騎士爵じゃ無いって思えて来た。陛下や宰相に聞いても教えてくれそうに無いから、帰ったらハッシュに聞いてみるかな。でも一応聞いておこう。


 なんとか、宰相の執務室の前に辿り着く。入り口の衛兵さんも、自分を見てギョッとしてる。


「何か変?」

「いえ、そのような事は御座いません」


 いや、絶対変だろ? でも良く判んないままノックして貰って宰相の執務室に入る。


「おっ、ナギ殿、来ましたか。では早速案内します」

「いや、ちょっと待ってください。この騎士爵の服って何なんですか? ここに来るまで、むっちゃ変に見られたんですけど」


「そうですか? 普通の騎士爵の服ですよ、今迄と変わったからじゃ無いですか?」


『教えてくれねえし……』


 やっぱ後で、ハッシュに聞いて見よう。


 宰相の案内で、山側の東門(裏門側)の方に案内された。山側の方は軍関係が集まってる所だね。沢山の荷車が置いてある。そこに行くと、この前一緒に硫黄採取に行った十人が居た。


「彼等が、ナギ殿と一緒に樹液採取に行く兵士達です。すでに顔見知りでしょうけど」


 兵士さん達がビシッと整列する。


「ナギ様、本日はよろしくお願いします」

「えっと、こちらこそ」


 後は任せたって感じで、宰相が戻って行った。



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