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(1-06)般若刀

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(1―06)般若刀


 翌日、日の出ととも同室のドゥレッグスさんに叩き起こされる。爆睡してしまった。多分十時間位寝たんじゃないかな、かなりスッキリしている。速攻で着替えて昨日の広場に行った。


 先ずは全員の前で挨拶して、朝の訓練を開始する。朝食は時間的には十時位。


 なんと言っても、照明が無い世界なので、パンを焼くのにも時間が掛かるらしい。遥か大昔は、パン屋さんは早起きだって聞いた事が有るけど。たぶん朝食にパン焼きを間に合わせる為に早起きしてたんだと思う。豆腐屋さんが早起きなのも朝食に間に合わせる為じゃないかな。


 なので、食事は一日二食らしい。夕食は暗くなる前なので、夕方の四時、五時位との事。肉体労働派には二食は少し辛いとの事で、団員達は夕食後に夜間営業している飲み屋さんで少しお酒とツマミを食べているそうだ。


 訓練が終わり朝食後、モーレイさんに呼ばれる。直ぐに他の傭兵団の所に行くのかと思ったけど違った。


「ナギ。お前の持ってる変わった剣を見せてくれ、東方の剣なんだろ。見た事無いんだよな」


 別に壊される事も無いと思うので素直に〝般若刀〟を見せる事にする。〝般若刀〟は英語で言うと多分〝Wisdom Sword〟更に日本語変換すると、〝知恵の剣〟になると思う。なんだけど〝真剣〟と書いて〝マジ〟と読むみたいな事をすると、〝賢者の剣〟って強引に変換出来そうかなって思った。なんか中二病発令して格好良いと思って〝般若刀〟って命名した。〝箱根の山は賢者の剣〟って有名なセリフも有るしね。


 モーレイさんに〝般若刀〟を渡す。鞘から刀を抜いて見てビックリしてた。


「な、何だこの剣は?」


 まあ普通じゃ無い刀だもんね。一応刀身は反りの有る日本刀っぽいんだけどな。取り敢えずモーレイさんに説明する。


「えっと、片刃の剣なんですけど」

「そりゃあ見れば判る。判んねえのは、刃が無い方だ」


 ですよねぇ。先ず、刃の有る方だけど、こっちも普通じゃない。〝般若刀〟の鍔元付近には、(わざ)と刃を付けていない。刃が有るのは、刀身の剣先から三分の二位までだ。切る時は、刀の真ん中位から剣先に向かって引くようにして切るので、鍔元付近には無くても平気だと思ったからだ。それと鍔迫り合いすると刃が欠けるんで、欠けると手入れするのが面倒だし、血判を押す事なんて絶対にしないと思うので鍔元付近の刃はいらないって思ったから。本当の目的は別だけど。


 峰の方はもっと特殊な造りになっている。


 峰の鍔元付近から刀身の三分の一位がノコギリのようにギザギザになっている。この部分で鍔迫り合いすると、相手の剣が噛んで滑らなくなる。上手くタイミングを合わせれば相手の剣を折る事も出来るけど滅多な事では上手くいかない。昨日、ギザギザしている木剣を選んだのは〝般若刀〟と似たような事が出来るかなと思ったから。


 それとこの、キザギザの所で受けた時に、パワー負けする時は手を添えたくなる。刃側に刃が有ると手で押さえたら切れてしまうので、鍔元付近に刃を無くしたのが本当の理由。


 このギザギザの所で切ると、相手は酷い事になるので、絶対にやらないですよ。


 とこんな感じになってるってモーレイさんに説明した。


「そうか、だから昨日のドゥレッグスとの試合で、アイツが剣を手放したんだな。何が起こったのか良く判んなかったんだよな」


 そうなんです。


「こんな感じの剣も有りかもしれんな……試しに何本か工房に言って作ってもらうか……使いこなすのは難しそうだが……」


「それはお任せしますけど、作るのに工数がかかるので、かなり剣が高価になると思いますよ。掛かる費用に見合うのかは判りませんから」


「確かにそりゃそうだな」









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