(2-41)硫黄採取に行こう4(四日目〜)
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(2―41)硫黄採取に行こう4(四日目~)
翌日、ガンバさん達がロヘドロ伯爵邸に来た。怪我人の盗賊も、担架を作って運んで来た。ガンバさんは取り敢えず、宰相と会話中。
「ナギ殿、取り敢えず、王城に犯罪者として送る兵士達は庭に纏めるようにしておきます」
「判りました」
「問題は、女性達なんですけどね。全員が無実と言う訳では無いと思いますけど、居なくなると色々と手が回らなくなるんですよね。後、重要なのは料理人達ですな。一人でもロヘドロ伯爵家に忠義を立てているのが居ると、いつ毒を盛られるか判らないんですよ」
確かにそうだよね。屋敷の掃除とかは、女性達がいないと困るだろうし、料理も。
「まあ仕方無いので、女性も含めて一旦全員王城に運ぼうと思います。相当な人数になるので、ナギ殿には申し訳ありませんが、今日明日は、輸送に協力お願いします」
「判りました」
宰相と朝の話しを終えて、自分と最初に硫黄採取に来た十人で、気球の置いてある所迄戻る。午前中になんとか気球の所迄辿り着き、気球を膨らませて、全員分の大量の糧食も全部積み込んで、再度ロヘドロ伯爵邸に戻る。多分戻る頃には、色々準備も終わっていると思う。
午後を回った位で、ロヘドロ伯爵邸の広い庭に着陸。庭には沢山のロヘドロ伯爵家の兵士達が縛られていた。最初は兵士達を王城へ運ぶんだろう。
『何人位、居るんだろう』
「ナギ殿、取り敢えず、今日は六十人お願いします」
「判りました」
ゴンドラ内に入れて暴れられるのも困るので、全員ぶら下げて行く事に。最初の盗賊だけは、動けなさそうなのでゴンドラに収容する。何往復もするのは面倒なので、一気に三十人を運ぶ事にして気球を飛ばし王城へ。
繰り返して計二往復して、本日の輸送は終了。
翌日も同様に、輸送を行う。今度は宰相も含めて百人以上。朝から夜中まで三往復半した。夜間の王城にて、陛下、宰相と話しをする。
「陛下、ロヘドロ伯爵家の犯罪に関わる証拠は押さえました。後はガンバが纏めるでしょう」
「ボニート、助かった礼を言う。ナギも兵達、犯罪者達の護送感謝する」
「えっと、はい。一応後で気球の使用量を請求しますよ」
「ウム。判っておる。言い値で払おう」
マジっすか? 高額請求しちゃおうかな。まあそれは後から計算して文句を言われないようにしておこう。後は陛下と宰相がなんとかするだろうし、陸路で兵士も送っているようなので、一ヶ月も経てば領地の混乱も収まるだろう。
誰が次の領主になるのか判らないけど、王家の直轄地になれば王都と同様に、洗濯庫、脱水庫も設置されるだろうし、孤児院達にも仕事が依頼されると思う。良い方向になると良いよね。
で、本来の目的について話さないと。
「それで、硫黄の採取なんですけど……」
「ウム。ナギには暫くは、特に何も無いと思うので、明日から再び取り掛かって貰えるか?」
「判りました。手伝って貰う兵士さんは、最初の十人で宜しいですか?」
「構わん。明日、元ロヘドロ伯爵邸に行って連れて行ってくれ」
と言う事で、本日は此処まで、ミグラス伯爵家に戻って久しぶりに風呂へ……。だったけど未だ裸祭りしてるし……。結局湯船に浸かったけど、裸祭りに付き合わされてしまった。ミグラス伯爵家にも早く風呂が出来ないかな……。
王城の、陛下の執務室では。
「ボニート、それで態と一緒に行ったのは判っておるが、どう見た?」
「そうですね、ナギ殿は、かなり優秀だと思われます。兵の指揮も出来ますし、最初から全権委任していれば、もっと早く解決したかも知れませんな。
ですが王家に忠誠は持っていないでしょうね。一応敬意は払ってくれていますよ。それと気球の事は全く判りませんでした。なんで動いているのかも不明です。一応紐を引っ張ってコントロールしているようですが、それだけであの速度で移動出来るのかは疑問ですな。別な秘密が有るのでしょう。現状、ナギ殿にしか動かせないのは間違い無いかと、秘密を聞き出そうとして逃げられたら困りますから、当分は現状維持がよろしいかと」
「そうか、元ロヘドロ領まで、少人数しか運べないとは言え一日で数往復出来るのは非常に魅力なんじゃがな……」
「お金を払って、ナギ殿に頼むのが宜しいかと、結構応じてくれると思います。上空からの地図作成はこれから依頼したほうがいいでしょう」
「そうだな、だが戦争で使い難くなって来たな」
「そうですね、カッセルブラッド王国の密偵も王都にいますし、商人達も気球を見ているでしょう。空を飛ぶ兵器が有ると言う情報が伝わっているでしょうな。ですが使わなくても警戒させる事は出来るでしょう、向こうは、どの位の戦力になるかは判っていないでしょうからね」
と言う会話をしていた。
六日目
先ずは、王城に向かい直ぐに気球の準備をして貰う。食事は向こうで摂るつもり。サクッと気球を飛ばして。午前九時位に到着。色々と話しをして食事をさせて貰う。
その後に、最初のメンバーと共に、初日に気球を着陸させた場所に気球で向かう。着陸させた気球を潰し、テントや糧食を持って、川沿いにバラクポア山を登って行く。山の中腹付近の川沿いに、本格的なベースキャンプを設置した。
此処からなら、北側斜面にも結構近い筈だから。以降ここを拠点にして鉱物採取に向かう事にする。本日は此処まで。
七日目
ベースキャンプから、北側の斜面に向かって森の中を進む。そんなに距離は無いと思うけど、道が全く無いので、兵士さん達が、樹に目印を刻みながら、北側の斜面を目指した。草を踏みつける位は良いのだが、枝を切り払ったりしないといけない。斜面の森は、非常に歩き難いし、進み難い。北斜面に辿り着く前に引き返す。
八日目
前日の目印を辿って、行き、更に道を開拓していく。なんか、北側の斜面に着陸すれば良かったんじゃねって思えて来た。だけど、今回のみならば其れでも良いが、今後、硫黄採取に来るとしたら、今の兵士さんが道案内をする事になると思うので、川沿いから来るのが正解だと思う。
なんとか、北側の斜面に辿り着いた。ここで一旦引き返す。
九日目
北斜面まで迷わないで行けるようになって来た。目印もあるけど、切り開いたり踏み固めて歩いていたので、獣道が出来始めている。スムーズ(?)に、二時間位で、北斜面に出る事が出来た。今日から本格的な鉱物採取になる。と言っても、持って帰れる量なんてたかが知れてるので最大でも気球の所まで持って行ける量だ。まあ一人当たり五〇キログラム位かな。他の世界の冒険者が持てる魔物肉の量位。
北斜面の、あちこちに、硫黄だと思うのが有る。少し離れた所には、煙(蒸気かも)が出てる所も。近付くと危険かも知れないので煙が出てる所には行かない。近付かないように注意した。火傷の心配も有るけど毒ガスの心配も有るから。
黄色い塊を採取するんだけど、兵士さん達に、注意しておく。硫黄を直接手で触らないように。平気かもしれないけど、硫黄は硫酸の原料になるんだし、化学反応も起こしやすいので。
硫酸が出来ると更に色々と出来るんだけどね。欲しいのは硫酸紙。コレが有るとむっちゃ便利。ビニールが無いから、漏れ無い染み無い紙は凄く欲しい。
手袋をして、集め袋に詰めて行く。斜面の森の中を戻るので、取り敢えず一人十キログラム位を目処に。
十日目〜十三日目
繰り返して、ベースキャンプに、硫黄を運んだ。一応これで硫黄採取は完了。
十四日目
後は戻るだけなんだけど、北側斜面で見つけましたよ、温泉。なので温泉に向かう。
だけど温泉は、入れない位熱い……。吹き出している源泉だから仕方無い感じ。水を引ければなんだけど、もしくはその辺を掘って別な温泉を掘り当てるとか。何方も難しいので、湧き出て溢れて流れてる温泉の下流側で丁度いい温度の所で池を掘り始める。道具は、盗賊が持っていたボロボロな剣を使って。
十五日目〜十九日目
人的パワーで、掘って行く。頑張る! なんとか三人が入れそうな池が完成。湧き出ている温泉を引き込む。
二十日目
湯が溜まったので、温泉満喫。近くに窯も作って、全裸パーティーになってしまう。この世界の人達? 兵士は風呂と酒がセットなのかも知れない。
これで、今後も此処を利用するようになれば良いんじゃ無いかな。そのうち建物も作れば、硫黄採取場兼湯治施設になると思う
二一日目
帰る事にする。もう少し温泉を楽しみたい気分も有るけど、持ってきている食料はイマイチなので。気球の有る場所に戻る事にするけど少し調査したい事が有る。
ベースキャンプの脇の川(清流)の砂と石を拾って見る。何か他に鉱物が無いかなと思って調査した。
『んん? これは……』
砂金っぽいモノが含まれている石が採取出来たんだけど、専門家じゃ無いので判らない。定番の黄鉄鉱かもしれない。でもコレが有るって事は他の鉱物(鉄)が採れるかもしれない。取り敢えず拾っておく。本当に近くに金山が有るかもね。次に領主になる人はウハウハかもだけど、鉱山は王家の物になるのかも。
二二日目
山下りは上りよりも慎重に、荷物がむっちゃ重いので、川沿いで途中泊する事に。
二三日目
気球の所へ到着。此処で一泊。
二四日目
さて帰りましょう。結局硫黄採取は本当に一ヶ月掛かった。まあ良いけどね。
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