(2-39)硫黄採取に行こう2(二日目)
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(2―39)硫黄採取に行こう2(二日目)
◆困った事
バラクポア山二日目
初日のベースキャンプを片付けて川沿いにバラクポア山を登って行こうと思っていたら……襲われた。運が無いよね俺って。
「お前ら、その変なもんに乗って何しに来た?」
出たよ、定番の盗賊が。いるかもとは思ってたけど、此処で出くわすとは思わなかったよ。この近くに街道でも有るんだろうか? 上空から見た時は街道っぽいのは無かったけど、謎だ。まあ海沿いには、小さな町(漁村)が有るからそこに来る商人とかを狙ってるのかな? 全く警備隊は何してるんだよ? ついでに陛下と宰相も、これは、でっけえ貸しにするからな!
「はぁ? 色々だよ」(俺)
『相手するの面倒だなぁ……』
「食いもん置いて行ったら見逃してやるよ」
『それはちょっと勘弁して欲しいなぁ……』
川沿いに下りながら行けば、徒歩でも、なんとか海岸まで辿り付いて戻れるかも知れないけどさ。ちょっとパスだよね。もう面倒だから、サクッと逝っちゃうか?
「だが断る!」
「じゃあ、死んで貰おうか……王国の兵隊なんだろ、こっちは王国に恨みが山程あるからよぅ」
ですよねぇ。そうなるのは判ってましたよ。まあ殺されたく無いので戦う事にする。相手は二〇人位。こっちは十一人。ちょっと厳しいかもだけどね。未だ死にたく無いもん。全力で殺るよ!
「あのバカ共が、何かお宝とか隠し持ってたら、約束は出来ないけど、偉い人に掛け合って、それなりに貰えるように手配するから、頑張ってくれ!」
「「うぃっす」」「「承知!」」「「任せてください」」「「マジっすか?」」「イェーイ!」「ヒャッハー!」
『なんか、頼もしいな。兵士さん達は、見た目若いけど、ハッシュみたいに達人なのかも……二人少し変だけど』
さて、やるか! 般若刀は抜かない。持って来た弓を手に取る。距離が有れば弓はかなり有効だもんね。
当然開始の合図なんて無いので、盗賊達がいきなり切りかかってくる。
兵士さん達が、応戦する。なんか兵士さん達は集団戦に慣れた感じだ。危なげが無い。俺は森に向かって弓を射った。
「うぎゃぁ!」
森の中から悲鳴が聞こえる。まあ伏兵がいるのは定番だよね。気配ダダ漏れだし。バシバシと射って十人倒した。生きてるヤツも未だいるかもだけど、それは後で良い。
般若刀を抜く。若干乱戦気味の戦いに入って行く。狙いは一番偉そうなバカ。
駆けて行きながら、盗賊の腕を切り飛ばして行く。本当なら足だけど、後でアジトに案内して貰ってお宝ゲットしないといけないので。たんまり溜め込んでいると良いんだけどな。
一番偉そうなバカの所に着いたら、背後の乱戦は殆ど終わっているようだ。
「た、タンマ! ちょ待った!」
「さてと、オッサン、何が欲しいんだっけ?」
「な、なんにも、要りません! そんな事言ってません。多分空耳です!」
「そうか。判った」
「ほっ……」
『DQNが安心してんじゃねえよ!』
「実はさあ、俺、欲しいのが有るんだよな」
「な、なんでしょうか?」
「先ずは……オッサンの剣をくれ」
スパッと、オッサンの右腕を切り飛ばす。
「うぎゃぁ……い、痛ぇぇぇぇぇぇ。や゛め゛でぇ……」
「あっ、悪ぃ。剣だけ奪うつもりだったんだけど、腕が取れちゃったよ。ほんと勘弁して! 謝れば許してくれるよね?」
頸に刃を当てて、頼み込む。オッサンは親切で良い人みたいだから許してくれた。良かった。平和が一番だよね。
「確か、盗賊は死刑でも良いんだよな? オッサン一回死んで見るか? 大丈夫気合を入れれば生き返る可能性が、ほんの少し有るよ」
『法律判んねえから本当か知らないけどさ。それに運が避ければ転生するよ! 多分ね』
振り返って、兵士さん達に伝える。
「生きてるヤツは縛っておいて、あと森に十人いるからそいつらも生きてたら縛って来てくれ!」
って言ったんだけど、背後の盗賊は全滅してた……。
『兵士さん達、強ぇな』
森の中も調べて貰ったけど生きてるのは……居なかったみたい。まあ頭を狙ったしな。と言う事は、このオッサンに案内して貰わないといけない訳だ。
兵士さんにオッサンの腕の止血を頼む。
「さて、オッサン。アンタ達の寝蔵に案内して貰おうか……。断っても良いけど、もう片腕も無くなるよ。まあその前に、指を一本づつ落として行くけどな。どうする?」
「あ゛、あ゛んな゛い゛じます……」
『泣くなよなぁ、DQNなんだろ? いつも真面目な人達を脅してさ、ほんとDQNって駄目人間だよな』
「それで良いよ。良かったね、指も腕も失くならなくて。案内してくれたらもう切らないであげるよ」
肩をポンポンとして優しくしてあげる。俺って親切で優しいよね。全く、硫黄採取に来てんだから余計な時間取らせるなよなぁ。
◆盗賊のアジトに行こう!
オッサンを連れて……。オッサンに連れられて森の中を歩いて行く。方向的には川から離れる感じで北側の斜面に向かっている。変な所に案内されるかもだけど、兵士さん達は、帰り道が判るように樹に傷を付けているので、戻る事は出来るだろう。俺は真ん中位で歩いている。なんかこの場所にされてしまった。別に偉く無いんだから囲んでくれなくてもと思ってしまう。
兵士の一人が、小さい声で訪ねて来る。
「ナギ様。コイツ等は……何処から来たんでしょうか?」
「う〜ん、良く判んないね。可能性が有るのは、砂漠に放置した罪人の生き残りじゃ無いかな」
「えっ? 砂漠を生き残った……。嘘でしょ?」
「多分ね。生き残るのは、むっちゃ難しいけど、不可能じゃ無いと思う。移動を夜間にして、途中で見つけた死体から衣類を剥ぎ取って日除けに使い、昼間は日陰でじっとして、水分と食料はサボテンを食べて飢えを凌ぐ。蛇とかトカゲが取れれば未だ生き延びれそうだよ。バラクポア山迄辿り着いて生き残れば、その後、砂漠を監視しておいて、罪人が放置されたのを確認したら助けに行くって事が出来るからね。そうすればあっと言う間に集団になるよ。集団になれば森での狩りも、盗賊行為もやり易くなるからね」
処刑されるのが集団ならば、何人かを犠牲にすれば帰って来そうだ。でもそれは想定して単独で放置してるとは思う。普通に首切りとかの処刑だと死体の処理が面倒だもんな。砂漠まで連れてくる手間は有るかもだけど王国としてメリットも有るんだろうね。
街で犯罪を犯して盗賊になったってのも有るとは思うけど、こんな辺鄙な場所で盗賊なんてしてられないって思うもん。もっと実入りが良い街道沿いをアジトにするんじゃ無いかな。
確認すれば良いんだよな。今の会話は聞こえて無い筈だし。前を歩いているオッサンの所に行く。
「オッサン。王国に恨みが有るって言ってたよな、なんでだ?」
「お、俺は、王国に罪人として処刑されたんだよ、砂漠に放置されて、だから恨んでるんだ、それの何処が悪い!」
ビンゴだ。でもこのオッサンは馬鹿そうだから、自分で生き延びたんじゃ無いだろう。だとするとアジトに未だ何人も居るんだろうな。
「で、オッサン。後、何人居るんだ? バカな盗賊は?」
「ひ、百人! 居る、お前らなんて、全員皆殺しだ!」
「そうか、オッサン、ここ迄案内有難う」
「えっ?」
オッサンの肩を引っ張って寄せる。そこに向こうから放たれた矢がオッサンの顔を射抜いた。ちゃんと約束守ったんだけどな。オッサンの指と腕を切らないって。でも何故かオッサンは旅立ってしまった。謎だ! 世の中は不思議な事がいっぱい有るんだよね。
さて、囲まれたようだ。兵士さん達も既に気付いているし戦闘態勢に入っている。
『バカだなぁ、百人いるなら全員で来れば良いのに……。各個撃破されるだけだよ。まあそこまでは居ないんだと思うけどね』
囲んで居るのは二十人位だ。弓を構える。もう面倒だし、森の中だとバレないだろうから、弓魔法でサクッとプチプチして行く。
最後の一人は、足を狙っておいた。逃げて貰わないと、アジトが判らないから。オッサンが生きていれば良かったのにな。未だこれから役に立つ人生を送る筈だったのに惜しい人を亡くしてしまった。残念です。
『あと何人いるんだ? 未だ二十人位いるのか? そこまでは居ないと思えるんだけど、気になるなぁ……』
一つ目、オッサンをあっさりと処分した。これはもっと偉い奴がいるからだろう。
二つ目、なのに二十人程度で待ち伏せ襲撃。指揮官が馬鹿なのか、それともこの程度は居なくなっても構わないと思っているのか……。ぁゃιぃ。マジで百人残っているのかも……。百人居たとしても二十人失うのは大きい筈だ。ぁゃιぃ。
『あぁ、判んねぇ! そう言えば毎年どの位、死刑にしてるんだろうか?』
「なあ、毎年砂漠に死刑として放置してるのは何人位なんだ?」
「えっと、五~十人位だと思いますけど……大体は夏にやってる筈です、普通は確実に死にますから」
とすれば十年で最大百人。三〇年で三百人か……。盗賊になったのは全部で二百人位が妥当な所かな? 全員が生きてるって事は無いだろう。でも、そんなに大きな盗賊集団のアジトなのかな、略奪だけで生活出来ないんじゃ無いか? 盗賊っぽく無いけど、アジト周辺で農業とかやってたら人数は多そうだが……。上空から気球で見た時は、そんな集落が山には無かったんだけどな。全部で五十人位倒しているから、未だ百五十位居るのか……。むっちゃ多いな。矢が足りないし、この人数(十一人)で相手をするのは厳しいな。
『もう少し、慎重に上空から見ておけば良かったかも』
逃げて行ったヤツを追いかける。此処迄くると、獣道もハッキリ出来てる。多分、川の水を利用してるんだろう其の為、獣道が出来ていると思われる。道伝いに行けば、追いつけなくてもアジトは判ると思う。
後を付けると定番の洞窟に逃げ込むのが見えた。バラクポア山は火山の山だから溶岩が固まる時に出来た洞窟が有るんだろうね。相当前から噴火してた火山なんだと思う。
『困ったなぁ……』
他に出入口が有る洞窟だと、逃げられてしまう。中に居るのが全員盗賊なら、サクッと殺るんだけど、攫われて来た人がいると助けないといけない。
誰か出て来るかもと思って少し待っていたけど、誰も出て来ない。
『うーむ。どうすんべぇ』
「ナギ様、矢を回収して来ました」
「有難う」
兵士の一人が矢を回収して来てくれた。矢の本数は、これで三〇本位だから大分良い感じなんだけど全然足りない。皆んなに相談しよう。
◆女の人を助けよう!
洞窟から少し離れた所で相談する。
「どうしたら良いと思う?」
「煙攻めは、どうでしょう?」
なるほど。それも有りだよなぁ、洞窟攻めの基本だよね……でも煙でも出てこない時に、死ぬまで待ってられないから突入すると、こっちも相手が見えなくなるんだよね。消防署の避難訓練で消防署が持ってきたテントで疑似体験したけど本当に進行方向が判らないんだよ煙って。それに空気の流れが洞窟に入って行くなら良いけど、逆向きだと意味無いしね。
「洞窟内に罠は、有ると思うか?」
「多分、無いと思いますよ、作るのには技術が入りますから、それに洞窟内を時間を掛けて掘ったりしないといけませんよね。洞窟を掘る道具も必要になりますし」
「じゃあ、近隣に鉱山って有る?」
「無いですね」
だとすれば、ツルハシとかは無いかな。多少は剣とかで掘れると思うけど。落盤する可能性だって有るんだよね。
『まあ、突っ込むか……』
別な出口が有ったとしても、そう遠くへはいけないだろうし……もう一つ位、隠れ家とかが有る可能性も有るんだよね。昔は少人数だったけど大人数になったから広い洞窟に変えたって場合。
「待っていても仕方ない、洞窟に入る、一応罠の警戒もしてくれ、有るとしても落とし穴だと思うが……」
慎重に、洞窟の入り口まで行く。
『洞窟に向かって、空気が流れてるな……。他の出口が有りそうだ』
これならば、取り敢えず一つ手が有る。上手く行くかは微妙だけど。
「もう少し様子を見よう」
様子を見るフリで、一万ppmの濃度の二酸化炭素を洞窟に投入した。運が良ければ中の盗賊はフラフラになるだろう。十五分位様子を伺っても、中から音が聞こえる事も無かった。
「行くぞ!」
当然魔法解除して空気を投入する、自分達の戦力が落ちるのは馬鹿だから。
『全員逃げてるんじゃね?』
とは思うけど、足に矢を当てたヤツが逃げ遅れてるかも知れない。
洞窟に入ったら、取り敢えず松明は未だ燃えていた。消える程の二酸化炭素濃度では無かったようだ。
慎重に進んで行く。通路には、寝る場所と思われる所に毛布が放置してあった、下っ端の寝る場所かな。定番っぽい宝物が置いてそうな部屋は無い。扉を作るのも大変だしね。
さらに進んで行くと、少し開けた所に出た。
『ん? 人が……』
近付くと、縛られて逃げられなくなってる女の人が三人。
「大丈夫か?」
「は、はい……王国軍?」
「そうだ、盗賊を討伐に来た」
話しながらも、縄を解いて行く。
「本当ですか?」
「ああ、本当だ」
別目的で来たけど、今は盗賊を討伐する事が、最重要任務だ。三人を良く見たけど別段怪我をしてるようには見えなかった。
「だって、ここの盗賊は貴族と繋がっていて……」
『な、なんですと! マジか?』
「何処の貴族だ、あとでついでにプチっとするから、教えて貰えるか?」
「オブーツ・ド・ロヘドロ伯爵です。盗賊の被害を訴えても、盗賊は居ないって……。それと盗賊達が言うには、私達は売られるそうです……」
以前宰相が言ってた、駄目貴族の名前じゃん。重税だけで無く、人身売買までやってんのか? どうしようもねえな。これは徳田新○助の出番か? なんだけどロヘドロ伯爵家が何処に有るか判んねえし。まあこの証言だけじゃ証拠としてちょっと弱いけどね。
「この洞窟は、他に出口が有るのか?」
「はい、向こう側です」
『やっぱりなぁ……』
「それと、貴方達以外に捕まってる人は居ますか?」
「判りませんが、多分居ないと思います」
『さてと、困ったぞと』
この女性達を放置して、盗賊討伐に行くのは……。駄目だな。かと言って隊を二つに分けるのは、戦力ダウンだし。
此処まで来るのに、二時間位だろうか……。未だ午前中だな。
「良し決めた」
「ナギ様、どうするんですか?」
「俺はこの女性達と一緒に一旦、王城に戻る。兵士さん達は、ベースキャンプの所で待っていて欲しい。陛下と宰相に話して追加の兵を用意してもらう、その兵達を運んでくる」
「判りました」
直ぐに行動だ、時間は限られている。
「申し訳有りませんが、背負わせて貰っても良いですか? 山道が少々厳しいので、早めに進みたいんです」
「えっと、はい。判りました」
『えっ、なんで?』
俺が提案したんだから、俺がお姉さんを一人背負うんじゃ無いんだっけ? 何故か兵士さん三人に、女性達が背負われている。
ここで駄々をこねるのは駄目だよねぇ……。仕方無いので、そのままベースキャンプに急いで戻る。
火を熾し、女性達に白湯と食料を与え、急いで気球の準備をする。十一人なので結構大変だ。まあ運ぶ必要は無いので、ファサファサして膨らまして行く。もう面倒だし時間も無いので最初からヘリウムを投入して行く。
こう言う時、電話が有れば良いのにね。残念ながら自分に携帯電話を作る能力は無い。他の異世界小説で魔導携帯電話を作ったのを読んだ気がするけど。電話って言ってる時点で電気使ってんじゃね? とか、電波って電気じゃねとか。基地局どうしてんの? ルーター(交換機)は? とか疑問だらけだったもんね。有線電話も同じだけど。
まあそれは置いておいて、気球が膨らんだので、女性達にゴンドラに乗って……。難しそうなので抱えて乗せた。
「夜間に戻って来ると思うから、火を炊いて明るくしておいてくれ! それと余力が会ったら盗賊共の武器の回収を頼む。無いと思うけど戦闘は回避するように」
そう伝え、気球を浮き上がらせた。
「あ、そうだ盗賊の死体は……」
「川に流しておきますよ。下流まで流されれば魚が食べてくれると思います」
「頼む」
亜熱帯っぽい気候だけど、そんな肉食の魚がいるんか? アリゲーターガーとか? カミツキガメとか? ワニがいたら川に近付けないじゃん。川で〝ウ○コ〟する時、怖いな。すてぃんぐ・すてぃんぐを噛まれたら死んじゃうよ!
◆追加戦力を輸送しよう
女性達三人は、空を飛んだ事なんて無いので、かなり怖がっている。だけど取り敢えずは大人しい。それにバレる心配も無さそうなので、全開バリバリで気球を進める。リニア位かな? バラクポア山に来るのに六時間だったけど、二時間掛からずに王城の上空に着いた。未だ明るい時間だし、三時前位だろう。
ゆっくりと着陸して行く、兵士さん達が、訓練場に沢山いた。多分だけど判っているみたいで、手を振っている。
じわじわと降下し、ロープを掴んでもらい無事に着陸。魔法バリバリで着陸した。女性達が乗ってるので荒っぽい事は控えたんだよ。偉いでしょ。
女性達を抱えてゴンドラから下ろす。
陛下と宰相を呼んで来て貰おうと思ったけど、なんか急いでこっちに来てくれた。
「随分と早く帰って来たな」
もう相手してらんないので、起こった事を説明をする。
「オブーツ・ド・ロヘドロ伯爵の方は頼みます。なんとかしておいて下さい。それとこの女性達の保護を」
「判った。ナギ、そっちも王国の事を煩わせてすまん。ボニート直ぐに兵士の手配を」
「はっ」
速攻で、軍の偉い人が来て、宰相に指示をされている。
「詰め込めば、二〇人乗れます! 早くしてください」
こっちは気球を潰さずに待機してる状態だ。
選ばれた兵士達が気球に乗り込んだ。速攻で浮き上がらせ、バラクポア山へ向かう。
「もう一度戻って来ます。篝火を炊いて着陸する場所を判り易く見えるようにお願いします。では行って参ります」
今回も全力で気球を進める。同様に二時間程度だったけど、未だ暗くなってない。着陸させずに、兵達を飛び降りさせる。高さが二メートル位だから平気だろう。
そのまま浮かび上がらせ、再度王城へ。日が沈んだ夕暮れに、王城へ到着。篝火が焚かれていたので、着陸場所が判り易かった。
再度兵士を乗り込ませ、出発する。夜だけど、もう一度戻って来る予定だ。弓と追加の矢、それと追加の兵士さん達のテントと糧食を持っていかないといけないから。これが無いと野営は厳しいもんね。兵士十人で一ヶ月分有るので、五十人でも一週間は持つけどね。多くて困る事は無いし。
そんなこんなで、往復し終わったのは、夜中になってしまった。
「ふぅ……。なんか疲れたなぁ……」
「ナギ様。お疲れ様です」
「ああ」
白湯を渡される。不味いビールよりも、こっちの方が個人的には嬉しい。
「この人数なら、間違いなく平気だろう。明日、盗賊共を殲滅する!」
「「ウィッす!」」
「一応、残党がいないか確認するのに、一人位は生かして捕らえるよ」
「そうっすね。じゃないと何時までたっても残りますもんね」
なんか軽いなぁ。まあ皆んな強いんだと思うけど。
若しかしてだけど、可能性は有るよな。
「前言撤回! 五人位生かして、王城に連れて行く。別に手足が無くなっても良いから。気球にぶら下げて連れて行くし」
「ナギ様。理由を聞いても?」
「なんか一番、駄目な事が起きてるのかもって思ったから証人が必要かなって思ってね」
「駄目な事とは?」
「オブーツ・ド・ロヘドロ伯爵が、黒幕で罪人を助けている可能性が有るかなと思ってね。だとしたら未だかなりの人数が残っているかも知れない。証言をして貰うのに、盗賊の出来れば偉そうなヤツを五人位生かして捕らえたい」
「なるほど、判りました」
いつもは早く寝るのに、今日はかなり遅くまで起きてしまった。やっぱ早寝は必要だよね。
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