(2-38)硫黄採取に行こう1(一日目)
よろしくお願いします。
(2―38)硫黄採取に行こう(一日目)
王家のゴリ押しなのか、気球のゴンドラは、一週間で完成した。早い方が言いけどね。工房の皆さんしっかりお金貰ってくださいね。
ゴンドラが出来たので、兵士さん達と、バラクポア山へ向けて出発です。
前回の試験飛行と同様に、五十人位の兵士さんに準備して貰う。現地から戻る時は、大丈夫か少し不安。まあなんとかするしかない。
態々、見に来なくても良いのに……。陛下と宰相も見に来ている。
『陛下、相変わらず、暇なん? 息抜きなのかも知れないけどね。本当は忙しいだろうから』
でも来ている以上、出かける前に挨拶しておかないといけない。
「では、行って参ります」
「ウム」
『それだけ? まあ良いけど。見に来なくても良かったんじゃ無いの?』
気球のゴンドラに兵士さん達十人と、乗り込む。ヘリウムをガンガン投入して浮き上がる。ゴンドラが重くなったので、全体的なバランスは良い感じ。
上空まではのんびりと浮かんで行く、気球全体を空気の層で包むようにして、風の影響をあまり感じ無いようにする。じゃないと風に逆らって進むのがバレてしまう。
宰相と陛下に地図を見せて貰っているので、方向は大体判っている。街道を使うと山を迂回するのでかなり遠回りする感じだ。王都から見た方向は、北東方向。一旦王都の背後の東の山を超えて、海沿いを北に向かうルートを取る事にする。直接向かうには、かなり高い山脈が有るらしく、無理だと判断した。それでも大分ショートカットしている。
『どの位の、スピードならバレないかな?』
取り敢えず、早く付きたいので、速度を上げたい所。
片道一ヶ月と言う事は、かなり遠回りな街道を使って大体二千キロメートル位かな。直線距離で言えば。千キロ無いと思う。一日位で到着したいので、時速二二〇キロメートル位で向かえば六時間位で到着出来るだろう。
除々にスピードを上げて行くが、ゴンドラ内は無風に近いので、怖がって座ってる兵士にはバレる事は無い。
「ナギ様、かなり速く移動出来るんですね」
『ナギ様は、やめちくりー』
立って景色を見ている兵士が話しかけてくる。多分数少ない、空を飛びたいと思っている兵士なんだろう。気が合いそうだ。
「そうだな、風に乗れば速いよ」
兵士と比べて従者ってそんなに立場が上だとは思わないんだけど、多分貴族の子弟だと思われてるんだろうね。陛下や宰相が伝えて無いみたいなので、あえて公表はしない事にしておくけど。
『あっ、しまった……。トイレも付けて貰えばよかったかも……。空から〝ウ○コ〟が落ちる事になるけど、人に当たる事は無いと思う』
「水を持って来てないので、ビールしか無いけど、酔わない程度ならば飲んでも良いよ。干し肉も有るし、炉で炙って食べるのも許可する。推測だけど、五、六時間位飛行すると思うから」
と言ったけど、緊張してるのか、誰も食事をしない。
『腹が減れば食べるかな』
まあそんな感じで順調に飛行して行く。ショートカットで山を超えると、遠くに海が見え、街も見えた。
『魚が食いたい……』
「俺、地理に、あんまし詳しく無いんだけど、あの街は何て街?」
「ああ、あれはリングアードの街ですね。あそこの港から東方のナパージュと交易してるんですよ」
『なんですと? マジで』
是非、行ってみたい。マジで。ナパージュにも行きたいけど。リングアードがナパージュと交易してるなら色々欲しいのが有るかも……。これは陸路にすれば良かったな。まあ無理だったけど。
そのまま進路を北に向ける。徐々に暑くなって来る感じだ。二時間位飛行していた。
「遠くに見えるのが、バラクポア山です」
まだ遥か遠くだけど、煙を噴いている山が見えて来た。
『溶岩出てないよな? 流石にそれは怖いぞ……』
更に三〇分位で、山の付近に着く。速度を落として着陸する場所を上空から探す。森の中では着陸出来ないので、それなりに開けた場所を。かと言って、山の麓では、山登りに時間が掛かってしまう。
バラクポア山の外周を回るようにして、着陸地点を探しつつ、硫黄が目視で有るか確認して行った。
『結構、硫黄は有りそうな感じだよな……』
白っぽいのが沢山有るのが判った。多分硫黄だと思われる。注意しないといけないのは、匂いだ。腐った卵みたいな匂いが有る所は未だ平気だけど、その匂いが無くなる所は危険。毒ガスですぐ死ぬ。なので、なるべく山の下の方が良い。
『んん?』
山の北側に回って行ったら、北の方向に広大な砂漠が見えた。
『砂漠も有るんだ……』
俺が、砂漠を注目してたら、教えてくれた。
「あの砂漠はアネクメーネ砂漠です。だれも住んでいない所ですね。どの位広いのかも判っていません、入り口は良いですけど、途中まで行ったら死にますからね。罪人を処刑するのに、馬車で一週間くらい入った所に、三日分の食料を与えて放置します」
怖ぇ処刑方法だな。絶対に死ぬぞ! あっ殺してんのか。
取り敢えず着陸ポイントは、東側の斜面に決めた。樹が殆ど生えて無い所が有ったのと、川が流れている所を見つけたので。やっぱり水は重要だ。それに、川伝いに山を登って行けば道に迷う事も無いと思う。森でなんか狩れるかも知れないし。
硫黄の採取ポイントは、北側の斜面で採取する事に。樹が生えて無い岩場が多く、硫黄が結構有りそうに見えたから。
ゴンドラ内の炉を消し慎重にダンプバルブを開いて気球を着陸させて行く。ギリギリまで降下した所で兵士さん達が飛び降りて、ロープを掴んでくれる。そのままタッチダウンした。
『ふぅ……なんとか着陸出来たな』
速攻で降りて全員で気球本体を潰して中のヘリウムを抜いて行く。気球の上に幾つも石を置いて風で飛ばされないようにしておいた。
先ずは、本日のベースキャンプを作らないといけない。明日以降は、場所を移動する事になると思う。兵士さん達が、慣れた感じでサクッとテントを張ってくれる。自分も出来るけど手伝う間が無い。
『まあ、良っか』
そんな感じで初日を終わった。翌日困った事になるなんて全く推測出来ていない。
リングアード ー> ひらめ
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