(2-29)トマトが食べたい1
よろしくお願いします。
(2―29)トマトが食べたい
久しぶりに、狩りに行く事になった。マーヴェイ殿下からのお誘いだ。マーヴェイ殿下とハッシュが勉強したく無いだけじゃ無いかなとは思ってるが、マーヴェイ殿下の従者なので呼ばれたら一応控えていないといけない。まあ肉祭りは嬉しいので喜んで参加するけどね。
アルフォンシーノ殿下は今回は見送り、流石に狩りには連れて行く事は出来ない。王城でお茶会と言う名の集団お見合いをしてるらしい。王族は大変だ。レスフィーナ様も王城へ、ミグラス伯爵家に降嫁していても、直系の元王女殿下だし実の姉だから影響力は大きい。
と言う事で、前回と同じ王家の狩場へ向かう。前回よりも大人数だ。兵士さん達が三倍以上いるんじゃないかな。荷車も多い。王城の兵士さん達は皆んな肉が食べたいんだろうな。
狩りは、スムーズに進んだ。ハッシュと俺の出番があまり無い。うさぎが出たらマーヴェイ殿下が狙う。外したら兵士さん達が仕留める。
「ハッシュ。今日は、若しかして、定期的な狩りなのか?」
「ああ、そうだ。普段なら、王族が狩り付き合う事は無いんだけどな……兵達の訓練も兼ねてるからな。まあ視察って名目かな」
マーヴェイ殿下は、本当に勉強したく無いんだろうな、なんでも良いから外に出る用事を見つけてる感じがする。
兵士さん達の訓練も兼ねてると言う事なので、ちゃんと隊長さんが居て指示を出している。統率された軍隊だよね。森の中だと特殊作戦部隊のような雰囲気が有る。迷彩服は着てないけどね。気配を殺して獲物に見つからないように慎重に森の中を進んで行く。
『まあ、合わせるか』
自分も気配を殺し、足音を立てないようにする。訓練の邪魔をするのは良くないもんな。なんだけど、殿下の専用護衛は、兵士程練度が有る訳じゃ無いので、足音と気配を消すなんて真似は出来ていない。騒いでいる訳じゃ無いですよ。
そんな感じで、前回とは異なり森の中の広範囲を調べて行く。途中何度も樹に、目印を刻んで行く事も忘れずに。
何だかんだで、かなりの肉がゲット出来ている。兵士さん達も荷物を抱えて移動して大変だけど、こう言う訓練は必要だもんね。頑張ってください。
狩りを終え戻っている途中で、見つけてしまった。
「ハッシュ。あの植物、持って帰っても良いか? 物置の裏で育てたい」
「なんだあれは? 緑の実が付いてるけど……見た事ねえな」
「あれはトマトだよ」
「はぁ? ナギ、お前何言ってんだよ、トマトって毒だろ? 鏃とか剣に塗るのか?」
やっぱりなぁ……。市でも全然見かけないと思ったら、やっぱ毒だって思われてるんだ。って言うか暗殺って発想がちゃんと有るんだな。そっちの方がビックリだ。
「ちげーよ。食べるんだよ!」
「嘘だろ、食べられる訳ないじゃん!」
「東方では、毎日食べてたんだよ。すっげぇ美味いんだよ……。まあ人夫々好みは有るけどな」
なんとかハッシュを説得して、持ち帰って育てる事は許可して貰った。兵士さん達に協力して貰い根本から大量に取って持って帰る。
ミグラス伯爵家に戻って、早速トマトを自室(物置)の裏に植える。
『植えるのは良いんだけど、育つかなぁ……』
さっぱり判らない。森で自生してたんだから根性ある気がする。そう思う事にして放置。水をやる必要も無かったような……。
『植物育成魔法が有れば良いのに……』
無理な事は考えない。見た目から一ヶ月位で収穫出来る感じがする。
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