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(2-28)定番の風呂を作ろう1(やっぱ風呂は必要だよね)

よろしくお願いします。

(2―30)定番の風呂を作ろう(やっぱ風呂は必要だよね)


 麦わら帽子、草鞋(わらじ)作りは、気球作りは順調に進展している。街中を歩くとポツポツと草鞋(わらじ)を履いている人を見かけるようになった。


 で、平民街をウロウロしてたら見つけました。蒸し風呂(ロウリュウ)。カッセルブラッド王国にも有ったのでグランデルグ王国にも有ると思っていた。


 ミグラス伯爵家にも有るんだけど、準備には結構手間が掛かるらしいので。滅多には入らせてくれない。仕方無い事だと思う。


 取り敢えず、昼間っから蒸し風呂(ロウリュウ)に行かせて貰いました。見つけたんだからね。入って見るでしょ普通は。


 やっぱ蒸し風呂(ロウリュウ)って良いよね、ダメダメ成分が身体から出て行くって気がする。健康になるのかは不明だけど不健康にはならないだろう。値段はまあお手頃より少し高い感じ一五〇〇ネィ。でも週に一回使うならばと言う値段設定。満足しました。


 でもやっぱ湯船に入りたいって思って来た。完全な個人的な趣味だ。そもそも異世界で風呂を作るのは定番中の定番だし、自分がやっても良いよね。


 街中には蒸し風呂(ロウリュウ)が有るんだし、湯船が無くても生活している人達は多いのだから、無理やり文化の押し付けは良くないって思う。万人が風呂を気に入る事は無い筈なので広める必要は無いでしょう。


 まあ、広めようとしても各家庭、貴族の家、全てで統一された湯船サイズで作れる訳でも無いので。やるとしたら工房の完全受注生産になる。なので広まらない可能性の方が高いって思う。


 湯船を作るのは、そんなに難しくは無いと思う。自分だけが隠れて使うなら、湯船だけ有れば良い。魔法で水は出せるし、お湯も沸かせるから。だけど小屋の脇に置く事を想定すると、カムフラージュ用に風呂として沸かす機能も必要だ。


 ささっと、絵を描いて行く。お風呂は広々と浸かりたいので、二メートル四方。深さは肩が浸かる位で良いので七〇センチも有れば大丈夫だと思う。あとはハッシュに設置許可を取って、リウットさんに工房を紹介して貰おう。


 先ずは、ハッシュに。


「小屋の脇に、少し作った物を置いても良いか?」

「ん? ああ構わんよ」


 良し。詳細聞いて来ないハッシュが悪いんだ。これで風呂を設置しても平気のハズ。文句は言われないし、言わせない。


 次は、ロテック商会のリウットさんの所へ、最近良く行くけど迷惑じゃ無いよね。


 で、執事っぽい店員さんを経由して応接室へ。


「ナギさん。今日は、どう言ったご用件で?」


 定形文だけど、仕方無い。


「個人的に作りたい物が有るので、ホントのほんとに自分しか使わない予定なので……全くロテック商会には利益が一銭も入らないんですけど……」


「構いませんよ、利益に成るか成らないかは、後から判る事ですし、聞いて何かに繋がる物かも知れませんからね」


 まあ、何処に商売のチャンスや切っ掛けが有るか判らないもんな。商人さんて前向きだよね。


 持って来た資料を見せる。


「なんですか? ただの箱でしょうか?」

「えっとまあ、見た目は、そうですね。まあ箱として使うのは間違い無いんですけど、入れるのは水ですね」

水瓶(みずがめ)の代わりですか?」


「いえ、風呂を作ろうと思いまして……。これは湯船って言うんです。お湯を張って、そこに全身浸かるんですよ。東方ではメジャーな物なんですけどね。蒸し風呂(ロウリュウ)も良いですけど、これも中々良いんですよねぇ……。まあ王都では必要になる事は無いと思うので、完全に個人用です」


「ふ〜ん……。イマイチ良く判りませんが。多分良い物なんでしょう」


 そうなんですよ。でも、あんまり興味無いみたいだよね。まあ無理に勧めるつもりも無いので。安心していいですよ。


「それで、これが作れそうな工房を紹介して貰いたいんですけど、湯船は多分簡単なんですけど、お湯を沸かす所が少し難易度が有るかなあと思いまして」


 形状を説明する。湯船の横に、穴を上下に二箇所開けて、うねうねしたパイプを作って繋ぎ込む。うねうねさせる理由は、熱を効率よく伝えてお風呂を沸かし易いようにする為だ。湯船の端には、排水用の穴を開けて貰う。本当は、排水し易いように角度も付けたい所だけど、それは湯船を設置する時に付ければ良いかなと思ってる。


 それと、簀子(すのこ)も作って欲しい。風呂から上がって土の上を歩きたく無いからね。材質は湯船も簀子(すのこ)も当然ヒノキ一択だけど無ければなんでも良い。


 次に窯の所、これはレンガが一〇〇個位有れば自分で積み上げる。欲しいのは鉄板一枚と網。網はこの窯でなんか焼いて食べたい時用。鉄板は単なる蓋。


「なるほど、こう言う仕組みで、お湯を沸かすんですね」

「鍋底部分がパイプになってるだけですよ」

「いえ、何か応用する事も有るかなあと思いまして」


「簡単な応用ですけど、沸騰させるまでガンガンに火を焚いて、この湯船の上に簀子を置けば、サウナっぽい事も出来ますよ、かなり薪か炭が必要になるでしょうけど」


「そう言う使い方も出来るのか……なるほど。蒸し風呂(ロウリュウ)だと石を焼くのが大変なんだよな、運ぶのが大変だし……。これはイケるのか? 少し考えてみるか? ナギさん。このアイデアを頂いても?」


「全然構いませんよ。好きにしてください。何か上手に商売が出来ても私には何も必要無いですから」

「いえ、そう言う訳にもいきませんから。ちゃんと報告します」



 説明の後、工房を紹介して貰った。ついでに案内も。今回は自腹なので、できれば安くなれば良いかなと思う。


 湯船は安いし早く作れるけど、やっぱりパイプ部分が時間がかかるとの事。五〇万ネィで出来るか確認したら、三〇万ネィで良いと言ったので、払って来た。


「もっと安く出来ると思いますよ」


 リウットさんが、言ってくれたけど、その位は必要じゃ無いかなと思う。ミグラス伯爵家の名前も出してるんで、明らかにボッタクリ的な安物は作って来ないと思う。納期は一ヶ月を目処にと言う感じ。完成が待ちどうしいな。




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