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(2-27)気球作り3

よろしくお願いします。

(2―27)気球作り3


 気球作りに、必要な場所として教会を使わせて貰う相談をしに、王城へ向かう事に。未だ一ヶ月経って無いけど仕方無い。


 この前と同様に、王城に行って同様に宰相の執務室に案内された。


「ナギ、来たか。こっちから呼び出そうと思っていた所だった」


 なにそれ? 俺なんかやったか?


 って言うか、陛下暇なん? ここ宰相の執務室だよね? 宰相のチェックした書類が回ってるんでしょ? 盲判(めくらばん)じゃ無くてちゃんと読んでサインしないと駄目だよ。


「えっと……。何か用事でもありましたか?」


「おお、有るぞ思いっきりな。全く何してくれちゃってる訳?」

「はぁ……。全くなんの事を言われてるのか判りませんけど、申し訳ありませんでした」


 取り敢えず、謝ってやり過ごそう。土下座した方が良いかな?


「陛下。ナギ殿は、気付いていないでしょうね。自分が何を仕出かしているのかを」


 マジで、判んねえ。でもなんか不味い事した感じがする。


「ナギ、お前! これは何じゃ?」


 陛下が机の向こうから歩いて来て、思いっきり足を見せて来た。


「なんで陛下、草鞋(わらじ)履いてるんですか? 似合わないですよ」

「私も履いてるんですよ。この草鞋(わらじ)は中々快適ですね」


 宰相も、見せて来た。


『えっと、どゆこと?』


「似合わなくても、陛下や私がこの王城で草鞋(わらじ)を履いても誰も何も言いませんし、言わせません」


『そりゃそうでしょうけどね』


「ついこの前、ロテック商会のリウットが、ペンと振り子時計の納品、それとこちらからの注文を受け取りに来たんです。その時に、麦わら帽子と草鞋(わらじ)を献上して来たんです。どうもリウットは、麦わら帽子と草鞋(わらじ)作りは、王家の指示だと勘違いしてたようですな。詳しく話しを聞いてビックリしました。上手く話しを誤魔化して王家の依頼だと言う事にしましたけどね」


「ワシもボニートから聞いて、驚いた。ナギよ、こう言うのは、先に相談してくれんかの。完全に役所がやる仕事じゃからの。麦わら帽子と草鞋(わらじ)を作って売るだけならば好きにすれば良い、干渉する事は無い。

 孤児院や母子家庭を、アルバイト的に使うのも良い。だが長期的に安定的に依頼するのは、国からの依頼にして貰えんとな」


 ああ、そう言うことか、孤児院には国から仕事の支援をされたって事にしたいのか……。確かにそうかも。


「申し訳有りません、気付いていませんでした」


「で、これに幾ら掛かった?」

「お金は掛かってませんよ。ただロテック商会のリウットさんが、麦藁を集めてくれているのと、木槌(きずち)を自腹で配っていますので、そちらの支援をして頂ければと思います」


「判った、支援しよう」


 う〜ん。モノ作りも色々あるなぁ……。難しい。


「だけど、変ですな……。孤児院への支援が十分では無いのは確かですが、そこまで困窮する程では無いと思っていたのですが……。支援金は貴族や商人から寄付を集めて配っている筈ですし……」


「ボニート。自分の懐に仕舞い込んでる役人がいるか調べろ」

「ハッ。至急調べます」


 マジかぁ……腐ってんな。


「そう言う役人が居たら、全殺ししてください」

「ほう……。どうしてじゃ? 賄賂の時はかなり甘かったと思うが」


「完全に殺人ですよ。絶対に支援不足で亡くなった孤児がいる筈です。もしそんな役人がいたら、同じ目に合わせてやりたい位ですね。物乞いで生活させるような罰を。街中だと治安の事も有るでしょうから、獄中か鉱山あたりで。〝人はパンの耳のみでは生きて行けない〟と言われてますが、パンの耳だけでギリギリ生かすようにお願いします」


「フム。言いたい事は判った。確かに同じ目に合わせたほうが良いじゃろうな」


 ホントだよ。そんな役人なんていらねえって思うし。


「それで、ナギ殿。今日の要件は?」

「もう金が足りなくなったのか?」


「いえ、お金は、ちょっと微妙ですけど……未だ足りない状況にはなってません。実はですね……」


 リウットさんに話したのと同様の内容を説明し、気球を作るのに教会を借りる事が出来ないかと伝える。


「教会ですか……」

「ワシに生臭坊主共に頭を下げろと申すのか?」


「嫌いなんですか? 教会」


「嫌いじゃな。はっきり言って。一応、お布施はしておるがな……。贅沢三昧しおってムカつく!」

「陛下の気持ちはさておき、教会は多分ですが許可はしないでしょうね。孤児達を中に入れるを嫌がるでしょう。平等を謳ってるんですけどね。沢山お布施をくれる貴族や商人が好きですからね、坊主達は」


 さて困ったな。じゃあどうすれば良いんだ?


「王城の倉庫を使えば良いじゃろ。坊主に頭を下げるよりマシじゃ」

「陛下、宜しいので?」


「構わん。入場チェックを厳しくすればよかろう。それに来るのは、なんの力も無い女性と孤児達じゃろ」


「王城が使わせて貰えるので有れば……」


 でも良いのかな。陛下が良いって言うんだから良いよね。ついでにワガママも言っておこう。


「でしたら、追加で、お願いしても宜しいでしょうか?」

「なんじゃ?」

「針子さん達が来て仕事をするようになったら、ご飯も食べさせてあげて頂きたく。お金の方は、追加で借金にしてください」


「そんくらいは、構わんし、借金を増やす必要も無い。それと生地の手配も、こっちでしてやろう。値上げされたら困るのじゃろ、王宮経由で、各商会に言えば集まるじゃろうし、値上げなんぞしてくる馬鹿もいまい」


「有難う御座います」


「それと、これに関しても王家からの、仕事の支援にするからな」

「はい、構いません」


 これで、気球作りにも目処がついたかな。借りたお金は宰相に預ける事に、生地とかの購入資金は、此処(ここ)から払って貰う事にした。それと進捗を見るのに何度も王城へ来ないといけないけど、まあそれは良いだろう。現場に陛下や宰相が来る事は無いだろうからね。




『ん? なんか騙されて無いか? 王城で作るって事は、多分と言うか間違いなく出来た気球は王城に保管される事になる訳で、使うにも色々と許可が必要になって来て……』


 絶対陛下は、判って王城を使うようにしたな。探せば他にも有るって思うもんな。








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