(2-24)麦わら帽子とワラジ1
よろしくお願いします。
(2―24)麦わら帽子と草鞋
先ずは、リウットさんに相談する。
「それでですね、欲しいモノが有るんですけど、入手出来ますかね? 季節的にも有るのか判って無いんですよね」
「なんでしょうか?」
「麦の藁が欲しいんですけど、一抱え位有れば、取り敢えずは良いかなって。それと木槌が有れば……」
稲藁でも良いんだけど、米が有るのか判って無いんだよね。
「その位ならば、直ぐに集める事は出来ると思いますよ。別にお金も要りません。木槌も渡します」
「本当ですか? お言葉に甘えさせて頂きます」
「入手したら、ミグラス伯爵家に持って行きますね」
「はい。お願いします」
取り敢えずは、これで良い。ミグラス伯爵家に戻り、パーソナル・デバイスを見て、格納した情報から探し出す。確か保存した記憶は有るので。そう思って探して見つけた。
探したのは、麦わら帽子の作り方。それと草鞋。特に草鞋は水虫防止になるって思ったから、保存しておいた。
とは言え、藁が無ければ始まらないので、麦わら帽子のデザインから。普通の定番的なカンカン帽から、女性向けとして、カプリーヌ(キャプリン)、スラウチ、ガルボ、クローシュ、ベルジェール、クルー。アレンジ次第で使えるパナマ等多種なデザインの絵を紙に描いていく。
帽子と草鞋の作り方も。絵にして行った。これで二日間。やっぱ作り方を描くのは難しい。だけど、この後これを見て自分が作れなければ、修正も必要だ。
ちょうど、絵が出来上がった翌日に、リウットさんが藁と木槌を持って来てくれた。想定よりも多いけどまあ良い。応対に出たハドック(家宰)さんが不思議そうな顔をしている。
「ナギさん。藁でなにするんですか?」
「内緒です。ミグラス伯爵家には、何も影響は無いですよ」
「ならば良いんですけど、藁で何か商売でもするんですか?」
「しませんよ、藁じゃあ儲からないでしょ」
と言っておく、実際儲かるとは思って無いし、自分が利益を得る事は無い。
早速作って行こうと思う。藁を自室に持って行き、木槌で叩く、叩く、叩く。これをすると良いらしい。で帽子作りから。
自分で描いた絵を見ながら、カンカン帽を作って行く。意外とスムーズに出来た。と言っても素人なのでまる一日掛かってしまう。
翌日は、草鞋作り。こっちは大変だ。先ず藁で縄を作らないといけない。これが難しい。先人達って凄いっす。縄が出来れば、草鞋作りは、そう難しくもないが。結局両足作るのに二日掛かった、どちらかと言えば縄作りに時間が掛かった感じ。
普通(かな?)の草鞋。と少し違うのは、草鞋って、結ぶ所がいっぱい有って履くのも脱ぐのも面倒なので、サンダルみたいに履けるようにした。それと縄が余ったので、もう一足作っておいた。
取り敢えず履いてみる。
「やっぱ足が楽だな……だけど慣れないと少し痛いかも。慣れるまで我慢しよう」
と言う事で、自慢する為にロテック商会に、草鞋を履いて、カンカン帽を被る。着ている服がマーヴェイ殿下の従者の格好なので捕まる事は無いが、少し不審な目で見られてしまった。何方かと言えば、目立つ帽子よりも足元の方を見てる感じだ。
『別に良いだろ! まだ季節的には、早いかもだけど、楽なんだしさ』と言い訳を心の中で言っておく。
ロテック商会に入る時は帽子を取って入りましたよ。多分その方が正しいって思うから。だけどあの礼儀正しい店員さんが足元をジロジロ見てくるんだよな。そんなに草鞋はこの店のドレスコードに引っかかるのか? そんなんで客を判断して欲しく無いんだけど。
「えっと、この前いらしたミグラス伯爵家のナギ様ですよね?」
「はいそうです。リウットさんは、居ますか?」
「はい。少々お待ち下さい、確認して参ります」
直ぐに戻って来て、リウットさんが待つ応接室に案内された。
「えっと、ナギさん、その履物は?」
「あっ、これですか、楽ちんなんですよ。足が臭くならないですし、多分水虫にもなり難いって思います。一つ余計に作って来たので、どうぞお試しください」
「有難う御座います。これってこの前渡した麦藁ですよね」
「ええ、そうです。もう一つ作って来たモノが有るんです」
麦わら帽子のカンカン帽を見せて渡す。
「ほう、帽子ですか……。これは涼しそうですね。若しかしてコレを売るんですか?」
「まあ、売るには売るんですけど、利益なんて殆ど出ませんよ」
「そうでしょうね。では何故態々持って来たのでしょうか?」
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