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(2-23)気球作り1

よろしくお願いします。

(2―23)気球作り1


 陛下から即金で大金貨二十枚(二千万ネィ)貸して貰った。気球は、やっぱりオーバー・テクノロジーだとは思っていない。ただし、ヘリウムを使うのは内緒だ。これはもっと化学が発展しないと教える訳にはいかない。見た目的には普通の熱気球を作るつもりでいる。


 何だったら、ちょっとしたパラシュートみたいな物を作って、ローソクで浮き上がるデモをしても良いと思っている。


 先ずは、設計を始めないといけない。それと色々相談しないといけないので、ロテック商会のリウット(商会長)さんの所に行く。


 足が無いので、テクテクと歩いて。と言っても、ロテック商会は貴族街を少し出た所に有るのでそんなに歩く訳でもない。一応偉そう? なマーヴェイ殿下の従者の格好をしているので、貴族街で不審者扱いを受ける事も無い。


 ロテック商会に着く。中に入ると、ササッと良い格好をした店員さん(男性)が手をモミモミした感じで近付いて来た。


「いらっしゃいませ、旦那様」


 どこのカフェだよ! 女の子に言われるんだったら良いけど、執事っぽい人に言われても全然気分良くねえよ! と思ってしまう。でもこれが普通の対応なんだろう。


「えっと、ミグラス伯爵家のナギです。リウットさんは、居ますか?」


 すこし偉そうにする。こっちが下手に出るのは良くない気がした。


「リウット会長は、現在外出しております。午後には戻って来る予定です。中でお待ちになりますか?」


 いや、あと二時間あるじゃん。そんなに待ってられねえよ。いや待つ事は良いんだけど、なんか歓待されたりするのが嫌なんだよね、キレイなお姉さんが横に付いたら困るし。三〇分位なら待たせて貰うんだけどさ。


 さてと……。取り敢えずプラプラして時間を潰そうかな。そんなに平民街をウロウロした事無いし、良い機会だから。


「じゃあ、午後の鐘が鳴ったらまた来ます」

「畏まりました、ミグラス伯爵家のナギ様ですね。午後にお待ちしております」


『うん。非常に丁寧な対応だよね。素晴らしい』


 お店を出て、平民街をテクテクする。


『ん〜。だよねぇ、知ってた』


 街の中は、普通にキレイだ。カッセルブラッド王国と同様にグランデルグ王国も道路脇に小さい用水路が敷かれている。人出もある、活気が有る街だと言うのは判る。


『屋台は無いんだよねぇ……まあ想定してたから良いけどさ』


 カッセルブラッド王国は収穫が悪いって聞いてたので、()しかしたらその影響かなぁとは思ったけど。グランデルグ王国も屋台は出ていない。


『冷蔵庫無いもんな』


 オマケに魔導コンロなんて無いから、火を取り扱うのは、即席で窯を作るか、七輪みたいなのが必要だし、消すのも大変。煙も凄い事になってしまう。焼き鳥ならばって思えるけど、以前リウットさんに聞いたら、金串は有るけど、使い捨ての木の串は、有るみたいだけど使い捨てに出来る程安く無い。一本二〇〇ネィ以上するらしい。職人さんが作るんだからその位になるんだろう。


 魔物肉ならば腐り難いらしいので屋台でも使えると思うけど、魔物肉が無いもんね。


 街中を見てると気付いた事が……。


『参ったなぁ……。気球に取り掛かってる場合じゃないなぁ……設計は後回しにして、リウットさんには必要なモノの手配準備だけお願いしよう』


 かなりの時間、街を観察する事が出来た。時間的にはそろそろな感じがするので、ロテック商会に戻る。


 途中で、馬車に乗ってたリウットさんが、歩いている俺を見つけてくれたので、馬車に乗せて貰い、ロテック商会に戻った。早速応接室に案内されて話しを始める。喉が乾いていたので遠慮なくお茶を飲ましてもらう。お代わりもね。


「ナギさん、今日はどう言ったご用件で? また何か凄い物でも作るんですか?」


「まあ、そうなんですけど、ロテック商会には、定期的に利益になるモノでは無いです。一回作ったらお終いなんですけどね」


「それでも構いませんよ」


 親切だな。大して利益も出ないと思うんだけど。お世話になります。


「所で、リウットさん。唐突ですが、空を飛びたいと思いませんか?」


「ナギさん。唐突ですなぁ……。空は特に飛びたいとは思っていません。落ちたら痛いでしょ?」

「じゃあ、背中に翼が生えたらどうします?」


「直ぐに医者に行きます。下手したら服も着れなくなりますよね」


 やっぱりかよ! なんで皆んなそんなに現実的なんだ? ファンタジー世界の住人だろ!


「えっと、ナギさん、()しかして、空を飛ぶ何かを作るつもりですか?」

「流石リウットさん、察しがいいですね。その通りです。ただ未だ何にも準備が出来てないんですよ。ただ必要になるモノは大体判っているんで、その準備をお願い出来ないかと」


「判りました」


 と言う事で、紙を貰い、ペンを借りる。サラサラっとイメージ図を描いて行く。


「気球と言うんですが、この丸い部分は、布製になります。目の細かい布が必要です。それも大量に。下のゴンドラ部分は、藤で編んで作りたいと思っています。家具工房とかで作れそうかなと思っています。

 大金貨二〇枚(二千万ネィ)用意しています。ですが一番お金が掛かるのは、布の代金でしょう。それと縫い合わせてくれる針子さんも大量に必要になります。合わせて広い場所も必要です」


「なるほど……。では取り敢えず、大金貨一五枚(千五〇〇百万ネィ)で集められる布の量を見積もりましょうか、残りが下の箱と工賃と言う感じで」

「お願いします。布は新品で有る必要性は無いんです、古着から取っても構いません」


(しばら)く時間を頂きますね」

「お願いします、私の方は、必要な布のサイズが不明なので、計算してみます」

「計算ですか? 出来るんですか?」

「出来ますよ。それが無いと量が判らないですよね?」

「まあそうですけど」


 取り敢えず、話しは出来た。でも設計はちょっと後回し。集められる布が多すぎても構わないので。足りない場合は、最悪、陛下に追加の借金を頼む事にする。


 それよりも、街を歩きながら考えていた事を、しないといけない。こっちの方が重要だ。




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