(2-21)洗濯庫と脱水庫を作ろう3
よろしくお願いします。
(2―21)洗濯庫と脱水庫を作ろう3
これを作るのがスッゴク大変なのを、説明して行く。先ずは構造から。
洗濯庫の方は、大きな箱の中に、大きな酒樽を入れる。酒樽を洗濯槽にする為だ。内側には侍女さん達が使っている洗濯板を四方向に貼り付ける(釘打ちかネジ止め)、酒樽の底に穴を開け、洗濯をする時はコルクで栓をしておく。次にモーターの代わりだが、人力を使う。自転車に似た形状のペダル付きの物を作り、そこでペダルの縦回転軸をシャフトを使って九十度向きを変換する。シャフトを伝い。洗濯庫内部で歯車で縦回転を横回転に変換する。このままだと、酒樽の回転軸が一箇所だけになって強度的に心配なので、大きな箱の上から酒樽を押さえ付ける蓋と軸を用意して上下に回転軸を作る。
脱水庫の方も基本的には同じ構造だ。違うのは酒樽の側面に小さな穴を沢山開けて置く位だ。一番の異なる部分は、ギヤ比。洗濯をする時は、高速回転は必要無いので、ギヤ比を低くして、軽く回せるようにする。脱水庫の方はギヤ比を高くして高速回転出来るようにする。
「それでですね、これを作るのに、かなり鉄を使う事になるんです。設置して欲しい所は膨大なので……」
「鉄か……。それは確かに、ちと困るの。この前の戦争でカッセルブラッド王国に武器を山程持って行かれてるので、武器も作らんといかん」
そっか、戦利品として勝った側が持って行っちゃうんだよな。相当量の剣を持って行かれたんだろう。
「鉱山は見つかって居ますから、鉱夫を募集して採掘を始めないといけませんな。まあそれは戦に負けた時点で既に決まっていた事ですが」
「ボニート、カッセルブラッド王国と国交は回復しておる、鉄を輸入出来ないか?」
「それは無理でしょうな。こっちが食料輸出を交換条件に出したとしても、鉄は輸出してくれないでしょう」
だと思ったよ。鉄は国家だもんね。取り敢えず先に進める。
「これは未だ、どの商会にも話しを出していません。全ての商会、工房で対応して貰わないと難しいと思ったからです。これに関しても、賄賂の件で商会と話しが既に出来ているので有れば税収は期待出来ると思います。ただ街に無料設置していくだけでは、支出の方が大きくなりますので、貴族には、王家から強制的に購入命令を出して頂きたいです。出来れば二セット単位で。二セットの根拠なんですが、王城、王宮では大量の洗濯をしている筈です。そうすると一セットだけでは、洗濯が終わりません。ご存知無いと思いますが洗濯は、洗い、脱水、濯ぎ、脱水の工程が必要なので、それぞれ用に用意して効率を上げた方が良いと思います。王城、王宮では、八セット位ないと駄目では無いかと、貴族達に強制的に購入して貰えればその分の税収がプラス方向になるでしょう」
まだ説明しないと行けない事が有るんだよね。はぁ大変だ。
「先ず、王城、王宮の場合ですが、洗濯庫と脱水庫を動かすのに、平民の兵士を、それも独身の兵士を割り当てて頂きたいです。これは街中に設置した場合も同様に、独身の兵士を派遣して貰いたいと思っています」
「それは、どう言う意味と言うか目的が有るんじゃ?」
「女性でも使えるとは思いますが、やっぱり体力は必要ですから、男の力の有る兵士達の方が良いでしょう。兵士をする事で給料は得ているので、追加報酬は必要無いですからね。それと独身の兵士達ならば、下働きの侍女さんや、街中の娘さんと知り合う機会が増える訳で、上手く行けば、洗濯庫と脱水庫を動かす仕事は人気が出るかなと、野郎ばかりの所よりも女性の居る場所で良い格好を見せる方が良いかなって……。王城で知り合ったなら王家にお互い感謝するでしょうし、街中で有っても、王家、国家からの仕事で知り合う訳ですから、王家に感謝すると思いますよ」
「参ったの……。こう言う視点は、ワシには全く出来んことじゃ……」
「私も同様です。こんな発想は無理ですな」
「ボニート、確かに支出は多いかも知れんが、見えないメリットも大きい、手配してくれ」
「はっ、判りました」
ほっ、良かった。時間は掛かるだろうけど、これで侍女さん達が少し楽になるだろう。
「各領地は、その領主に任せる事になるとは思いますけど、王家の真似をして頂けたらと思います。ですが、お金が無くて購入出来ないと言う理由が無いのに、領民達に洗濯庫と脱水庫を提供しない領主は、何か有りますよ目を光らせておいた方が良いでしょう」
「これは、厳しい事を言うな。だが確かにそうじゃの、普通なら領主の人気は上げる必要が有ると判断するだろうからな、それをしないと言う事は……」
「税を搾り取って、民達を苦しめてる領主でしょうね。そう言う事をしている領主には心当たりが有りますから、監視を強化するようにします。それと何かペナルティを考えた方が良いですかな」
「ボニート。重税を課してるのは、デキシー・ド・ザエモン伯爵、ゲリラー・ド・シャブリー伯爵、オブーツ・ド・ロヘドロ伯爵辺りであろう。違うか?」
「そうで御座います。金回りが良い風に装って、色々と自慢し、連日の様にパーティーをしていますね」
「勝手に潰れるのは良いが、他が迷惑しないようにキレイに退場して欲しいの」
「では、そのように図るようにいたします」
なんか怖ぇ、話しをしてるなぁ。この国も、本当に駄目ダメ貴族が居るんだね。
「それと、最後にもう一つ、必須な事では無いのですけど、王城で洗濯庫と脱水庫が稼働し始めたら、下働きの侍女さん達に……。出来れば水仕事をしている侍女さん達全てに、手荒れを防ぐハンドクリームか何かを、特別ボーナスって感じで陛下の名前でプレゼントすればもっともっと感謝して貰えますよ。値段は不明ですけどハンドクリームって高価だと思いますから。定期的にプレゼントすれば更に陛下の人気アップでしょう。ですが、陛下よりも洗濯庫と脱水庫を動かす兵達からプレゼントを渡した方が良いかもですね。上手く情報を兵達に渡してあげてください」
「判った、善処しよう」
取り敢えず、これで良いだろう。後は好きにしてください。出来るだけ早く量産して貰えると嬉しいですね。
「さて、ナギよ、この洗濯庫と脱水庫の開発権利を国と王家に譲ってくれた訳だが、報酬は何を渡せばよい? 子爵で良いか」
ハァ? そんなの期待してねえよ! 男爵も子爵も要らねえと言いたい。
「特に、何も頂かなくても……」
「そう言う訳にもいかんのが、統治を行ってる立場の者なんじゃ。功績に対して、報酬、報奨を渡さぬのは、統治者無能な証拠だからな、ワシを無能統治者にするつもりか?」
そりゃそうかも知んないけどさぁ。まあ言って見るか。
「それでは、今後もミグラス伯爵家で暮らす権利と、マーヴェイ殿下の従者を続ける権利をお願いしたく」
「お前、随分と狡賢い、奴だなぁ、本当に面白い奴だ、そんなに王家に縛られるのは嫌か?」
「えっとですね、今回のような物を閃くのも、王城では無く、城下で暮らしているから判る事なんです。多分、王城で暮らすようになったら、何も出来なくなりますよ」
「確かに、それを言われたそうじゃな、もう暫くは諦めるか」
「そうして下さい」
もう暫くじゃなくって、永遠にして欲しいんだけどね。
「では、お主の要求した権利を認めておく」
「有難き幸せ」
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