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(2-18)空を飛びたいと思わないか?

よろしくお願いします。

(2―18)空を飛びたいと思わないか?


「ハッシュ。空を飛びたいと思わないか?」

「なんだ急に? 別に思わないかな、剣でも、ジャンプしたら逃げ場所が無くて殺されるんだぞ」


 つまんねえ奴だなぁ。普通飛びたいって思うだろ!


「じゃあ、背中に翼が生えたらどうする?」

「ハァ? そんな事が起きたら、医者に行くに決まってるじゃん」


 なんでだよ! そこは空を飛ぶだろ! 駄目だ、コイツとは話しにならん。


「ナギ。空を飛ぶのか?」

「飛べねえよ。だけど飛ぶ物は作れると思う」


「作りたいのか?」

「ああ、作りたい」

「幾らかかるんだ?」

「判んねえ……でも大金貨二〇枚(二千万ネィ)位は必要かも」

「返せる当ては、有るのか?」

「無いな、皆んなにメリットが有る訳じゃないし」


「じゃあ駄目だな。さすがにそんな大金は投資出来ない」


 だよなぁ……。気球が有れば、イザという時に逃げれるんだけど……。作ったとしても、動かせるのは俺だけだもんな。魔法でだけど。金を稼がないと無理だなぁ。と思っていた。





 最近、良くマーヴェイ殿下とアルフォンシーノ殿下が、ミグラス伯爵家に来るようになった。マーヴェイ殿下は、勉強をしたく無いのが理由な気がするけど、来る毎に、アルフォンシーノ殿下の付添いとか言い訳をしている。


 で、俺は、この前の狩りの時から、何故かアルフォンシーノ殿下に気に入られてしまったようだ。う~ん。別に良いけどそんなに大した事は出来ないんだけどな。


 マーヴェイ殿下にも、ハッシュを同様に〝空を飛びたいと思わないか?〟と〝背中に翼が生えたらどうする?〟って聞いてみた。答えはハッシュと同じだった。まったくロマンが無い奴等だ。これがジェネレーション・ギャップ……世界間ギャップかな、なのかも知れない。


 アルフォンシーノ殿下の方は、王城で木剣を作って貰ったみたいだ。流石に実剣は危険なので渡していないのであろう。遊びに来た時に、無茶苦茶嬉しそうに自慢して来た。


 こう言う、子供の自慢は素直に羨ましがる方が正解だ。なんだけど、俺に自慢しているアルフォンシーノ殿下を見てマーヴェイ殿下は〝そんな玩具の木剣じゃ何にも切れねえよ!〟と言った。


『良くないよ、そう言うのは。義理の兄弟かも知んないけどさ、お兄さんなんだから弟には優しくしないと』


「れんしゅう、すれば、これでもきれるもん! ぜったい、きれるもん!」

「絶対切れねえよ! 無理だって」


「ナギ! きれる、よね!」

「そうですね。切れますよ。本当ですよ」

「ナギ! 嘘付くな! アルフ(アルフォンシーノ)は直ぐ信じちゃうからな!」


 まあ、信用して貰えないのは判ってるけどね。


「ハッシュ。駄目になっても良い、実剣って有るか?」

「ああ、有るけど」

「貸して、じゃ無いな、頂戴(くれ)! それと木剣を一本。ついでに手伝って欲しい」

「ああ良いけど、なにするんだ?」


 そう言いつつも、ボロボロな剣を持って来てくれた。


「ハッシュ、剣を正眼に構えてくれ。それと落とさないようにしっかり握っていてくれ」

「ああ良いぜ」


「アルフォンシーノ殿下。木剣も、ちゃんと切れるんですよ、見ていて下さい」

「ナギ、木剣で実剣なんて、どうやっても切れねえよ!」


 マーヴェイ殿下の事は無視しておく、見れば判るだろう。居合の構えで借りた木剣を握る。息を整えて気を練り上げて行く。刃に気が纏い付くようにして、十分溜めを作って。


「ハッ!」


 ハッシュの構えてる実剣を切り抜く。

「野獣テンサゲ流、(さきがけ) 大狠浄(だいぎんじょう)辛口」


 実剣がスパッと切れて半分になり、刀身の半分が落ちて行った。


『お袋は、全く刃が無い、木刀で石も切るからなぁ……これが出来るようになるまでの修行で死ぬ思いしたんだよなぁ。俺もマーヴェイ殿下と同じで絶対に切れないって思ってたけど実践されると切りたくなって来るんだよね』


「えっ、嘘だろ……」

「ナギ、何やった?」


 マーヴェイ殿下とハッシュが驚いている。そりゃそうか。


「普通に気合を入れて切ったんだよ、それだけ。アルフォンシーノ殿下見てましたか? 木剣でもちゃんと切れるんですよ」

「うん! にいさま、きれたじゃん! うそ、じゃないもん!」


 まあ簡単じゃ無いけど、溜めとかいるし、普通に戦う時は全く使えないし技だしな。


「いや、切ったの見たけど……。なんで切れるんだよ!」

「マーヴェイ殿下。世の中、不思議な事が沢山有るんですよ。これもその一つです」


 アルフォンシーノ殿下が、袖を引っ張ってくる。


「ナギ! どうやったら、きれる、ようになるの?」

「先ずは、身体を大きくしないといけませんね」

「じゃあ、いっぱいたべて、いっぱいあそんで、いっぱいねれば、いい?」


「そうです。先ずはそこからです。勉強もするんですよ」

「うん! わかった」


 なんか余計に懐かれた感じがする。まあ良いか。


「所で、アルフォンシーノ殿下。空を飛びたいと思いませんか?」

「とびたい!」

「背中に翼が生えたらどうします?」

「そらを、とぶ! あたりまえじゃん」


 だよねぇ……。これが普通だと思うんだけどな。


「アルフォンシーノ殿下、意見が合いますね。ハッシュとマーヴェイ殿下は、空を飛びたく無いんですよ」

「にいさま、へんなの」

「変じゃねえよ!」


 取り敢えず、同じ意見も有るって判った。とは言え気球作りは未だペンディングだな。


 アルフォンシーノ殿下は、未だ剣をブンブンしたいだけのようだ。そのうち飽きるか、本格的に練習を始めるのかは判らない。流石に弟子にする事は避けよう。免許皆伝でも無いし。




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