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(1-10)街中がキレイな理由

よろしくお願いします。

(1―10)街がキレイな理由



 弓、乗馬の練習をしつつも、偶に街の見回りの業務にも就くようになって来た。乗馬はお尻の皮が剥けるかと思った。おまけに此処(ここ)の馬は、ばんえい競馬で使わているようなデッカイ馬だった。大人しくて力持ちなので、馬車を引くのは良いみたい。



 この世界に来て、今迄過ごして来て判った事が有る。


 一つ目は、自分が来た場所は、この惑星(多分惑星の筈)の南半球だって事だ。当初は、太陽が西から昇る世界なのかと思ったけど、パーソナル・デバイスで確認したら、太陽は東、北、西という順で回っていた。確率的には北半球と南半球どちらに行く事になるかは半々だと思うのだが、北半球に転生、転移するのが殆どだと思われる。なのでちょっと珍しいパターン。


 二つ目、一週間が八日。普通は異世界も七日なのに、何故か八日。ついでに一ヶ月は二四日。一年は一六ヶ月。一年は三八五日(一六ヶ月+一日)かなり他とは異なるって事が判った。とは言え住んでいるうちに慣れてくるもんです。


 勝手な推測だけど、地球は、五二週+1日になっていて、毎年曜日がズレて行く。こっちは四八週+1日で同様に毎年曜日がズレる。こっちの日数で週七日にするとピッタリ五五週になるので、変化が有る方が良いって昔の偉い人が考えたんじゃ無いかなと思っている。毎年曜日が変わらないとカレンダー屋さんとか不要になるしね。


 それと個人的には、八進数、十六進数の方が判りやすいし、遥か未来になってコンピュータが出来れば、ハードウェア的にも簡単に作れるだろうし、ソフトウェア的にも楽だと思う。


 三つ目。正確には計れて無いけど、二四時間じゃない。パーソナル・デバイスの時間が思いっきりズレているので。(いず)れちゃんと計ろうと思う。


 この世界の事に関しては、今のところ()のくらい。



 それとこの国に関しても少しだけ判って来た。この王都は盆地の山よりに有って水が豊富だ。〝水は命のお母さん〟って言うので、街が発展するには水が沢山必要だ。


 王都の道路は、レンガ舗装されている。王都を出るとまだ砂利道だけど。この舗装された道路脇には、浅い(十センチ位の深さ)の用水路が流れている。


 王都内の道路は馬車が通ってるのに〝ウ○コ〟が落ちていなくて何時(いつ)も綺麗なので不思議に思っていたら、王都の住人達が〝ウ○コ〟を見つけたら用水路に流して道路をキレイにしているらしい。暑い時には、この用水路の水で打ち水もしている。これは凄いって思った。こう言うシステムを運用している王家はちゃんとしているなって思う。他の異世界ではどうやって街中の〝ウ○コ〟を処理しているのか不明だけど、多分アルバイト的な人を雇っているのだろう。もしくは放置。放置だとしたら街中が臭いだろうね。


 地球でも他所の国では街中にゴミを捨て放題していて行政が雇った人達が掃除してるって聞いた事がある。どうもゴミを捨てないと行政が雇った人達の仕事が無くなるから敢えて捨てているとか屁理屈みたいな事を言っていた。





 以前、異世界小説に詳しい人から教えて貰った事を思い出した。


 現代では、肉と魚介類の消費量は、一人一日当たり一六〇グラム位。一〇〇万人規模の都市だと一日一六〇トン消費する事になる。牛で換算すると、一六〇頭分。年間だと約五万八千頭。他の肉類も食べるので、正確な数値は出ないが、トータル十七万五千頭規模の牧場が無いと、住人の食事を維持する事が出来ない。


 他の魔物がいる異世界では、魔物肉を良く食べるようだが、半分の八〇トンが魔物肉だとすれば、毎日その量の魔物を狩っている事になる。


『なんか魔物多くね?』


 殆ど魔物牧場から狩って来るような感じに思える。近隣に、これだけの魔物がいるとすれば、近隣の牧場は魔物に狙われて経営出来なくなるし、逆に魔物肉依存度が高くなる。


 冒険者が一人で運べる荷物の量は、自分の装備も有るので、五十キログラム位が妥当な所だろう。全てを魔物肉で賄うとすると、最低でも三千二百人の冒険者が魔物肉を運んで来る。実際は荷車を使うケースも有るだろうけど、平均すればこの位にはなりそうだ。


 野菜だって運び込まないといけない。全てが都市内で完結する訳では無いので、毎日、毎日相当な量を流通させなければ都市の食事事情は破綻する。大規模な物流街道も必要になる。


 これだけの魔物が近くに居たら、そもそも生活出来なくなる。なので城塞都市のようになっていて、衛兵がチェックしているんだろう。だけど衛兵でこれだけの物流をチェックしてたら、大渋滞が発生するだろう。多分一日では不可能だと思う。


 都市の規模が小さくても難しいのではと思う。なんで都市の入り口でチェック出来るのか謎だ。


 そう言う意味では、この都市は、基本フリーで入れるので平気だとは思う。都市規模も二十万人規模との事だ。








 さてそんなこんなで、三ヶ月位過ぎ収穫が終わりかけて来た頃、不穏な噂が団内に出るようになって来た。やっぱり今年も、収穫量は良くないようだ。それと合わせて聞こえて来たのは、このカッセルブラッド王国が、隣のグランデルグ王国に戦を仕掛けると言う噂だ。


 傭兵団が戦争に参加するのか、しないのかも判らないし、詳しい情報が未だ団長から降りて来ていない。何日か経つと、悪い噂が本当になってしまった。街中の雰囲気がガラッと変わった感じがする。住人達はこの国が負けるとは全く思って居ないようで比較的楽観視している雰囲気を出してる人も多いが、勝ち負けに関係無く、景気が悪くなったり、今以上に孤児や浮浪者が増えて治安悪化するのではと怯えている人もいる。


 そんな中、傭兵団でもマーリン団長の方から正式に、戦争が行われると通達された。傭兵団も半数が戦争に向かい残りは王都の治安維持の為に残すとの事。


 どっかから集まって来ている、傭兵達の集団も戦争に向かう。王都のトラブルは少なくなると思われるので、半数でも対応可能だろうと言っていた。本当にあの迷惑な傭兵集団は、鼻が効くんだと思う。早くからこの王都に来て、役人達と接触していたのだろう。


 この世界に来た時から、こう言う戦争が有るケースも推測していたが、来て大して時間が経って無いのに巻き込まれるとは思って居なかった。それと自分も、戦争参加組に組み込まれてしまった。正直行きたくは無いが逃げる訳にも行かない。



 そんなこったで、通常業務の街中の見回りと合わせ集団戦の訓練も追加になり時間が過ぎて行った。仕掛けるのは、こちらのカッセルブラッド王国だ。とは言え下っ端の俺達には戦争の目的は知らされていない。何処(どこ)まで戦ったら終わるのかが判らない。隣国のグランデルグ王国を滅ぼすまで戦うのか、領地を奪った所で終わるのか……。






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