(1-01)良くある異世界転移
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(1―01)良くある異世界転移
『ん? 何で森の中に居るんだ?』
ナギ(木五倍子 梛)は、そう思った。
『確か、高校の試験が終わって帰って来てから、ベッドで横になりながら新刊の異世界小説をDLして読みながらウトウトしてたハズなんだけど……』
ナギは、小、中学生の頃から、異世界小説を良く読んでいて、異世界に憧れていて、何時かは異世界に行って見たいと思っていた。実際に異世界に行く事は出来ないとは思っていたが、異世界に行っても困らないように、リュックにサバイバルキットを詰め込んで準備していたし、両親(二人共、防衛軍の教官。父:格闘バカ。母:刀剣バカ)に頼んで身体も鍛えていた。
『若しかして……』
ふと思い、自分の格好を見る。
『なんだ? この格好は? 制服着てたんだけど……』
着ている物は、黒い作務衣のような格好で有った。
『若しかしてじゃ無くって、マジで来たのか? 異世界に?』
かなり驚いているが、それと同時に興奮して来た。
『にしても……なんで刀を持ってるんだ? これって去年の夏休みに、お袋に強引に山ごもりに連れて行かれて作らされた〝般若刀〟(命名:梛)だよなぁ。ベッドの脇に立てかけていたハズなんだけど……手甲も付けてるし……謎だ! それよりもリュック持って無いんだけど、なんで? リュックには色々詰め込んでいたのになぁ……』
まあ、無い物は仕方ないって思う事にする。それよりもこれからどうするかを考えないといけない。このまま森の中に居ても、何も出来ないし、凶悪な魔物でも出てきたら、刀は持っているけど確実に勝てるとは思えない。
『さて……取り敢えず異世界に来たなら先ずは確認しておかないと……』
「ステータス・オープン!」
異世界での定番のコマンドを言葉にしてみた。
『……何も起きないなぁ……確か頭の中に自分のステータス・ウィンドウが開いて見えるって思ったんだけど……若しかしてコマンドが違うのか?』
「メニュー・オープン!、状態表示!、なんか見せろ!」
『……駄目かぁ……まあそう言う異世界も有るよねぇ……仕方ないか……』
取り敢えず、自分のステータスを見る事は出来なさそうだと判った。多分だけど、街か都市の冒険者ギルドに行けば何か判るんじゃ無いかなと思う。
『ステータスが見えれば、少しは判るんだけど、出来ればレベルが無い異世界の方が良いんだよな……って言うかレベルの有る異世界って、沢山小説を読んだけど良く判んないんだよなぁ。想定通りだとすると、絶対に生活する事が難しいって思えるんだよなぁ……』
ナギが想像していると言うか、理解しているつもりのレベルが有る異世界は、一般人の成人男性のレベルが仮にレベル10だとして、最強レベルの冒険者が、レベル10,000とした場合。
最強な冒険者が、一般人の1,000倍、力が有ると仮定すると(実際は違うと思うけど取り敢えず)、一般人が野球のボールを時速100kmで投げれるとすれば、最強冒険者は、10万kmで投げる事が出来る。だとすると第二宇宙速度(時速40,300km)よりも早く投げれるので、石を月に向かって投げれば、見えないだろうけどクレーターを作る事が出来ると思っている。
沢山の石を、上に向かって投げれば、隕石状態になって燃えながら落ちて来る(かもしれない)だろうから。物理でメテオを起こせる。とっても凶悪だって思う。
そんな冒険者に石を投げられぶつけられたら確実に死ねるし、石を投げるだけで、城だって壊せるハズ。実際に石を投げて城を壊してる異世界小説は未だ読んだ事は無いけどね。まあ自分がレベル10,000だとしても大人しくしてればって言う考え方も有るには有るが……。
それ以外にも、気合を入れて走ると音速を超えるだろうし、速攻で靴底がすり減るだろう。毎日何足も靴を履き替えないと、足の裏が血だらけになる。
そんな強烈最強レベル10,000の冒険者が、なんかの拍子に全力を出してしまった場合、確実に、一般人の1,000倍カロリーを消費してしまう。
通常一日2,000キロカロリーの食事を取れば生きて行けるのだが、全力パワーを使って一日過ごしたら、200万キロカロリー相当の食事を摂取しないと駄目だろう。
野球のボールが約0.15キログラムなので、時速10万キロメートルのボールを投げると、運動エネルギーは5700万ジュール。なのでカロリーに変換すると約1万3800キロカロリー。一球投げるだけで、普通の人の一週間分位のカロリーを消費してしまう。
(ちなみに時速100キロメートルの1トン車の運動エネルギーは、38万6千ジュール。なのでレベル10,000は凄いんです)
牛肉100グラムが大体300キロカロリー位。なので牛肉660キログラムを食べないとダメ。そうなると空腹の時はお店に行っても食べ物全部を食い倒ししてしまうだろうし、食べてる最中に〝ウ○コ〟していかないとお腹が破裂する。一般人が大体一日一回〝ウ○コ〟するのでレベル10,000だと1,000回〝ウ○コ〟をするだろう。大体1分半に一回〝ウ○コ〟する計算になる。
一般人が10センチ位の〝ウ○コ〟を出すとすれば、レベル10,000はトータル100メートルの〝ウ○コ〟をする。絶対にトイレを貸して貰えなくなるって思う。
これが全力ダンジョンアタック中だともっと大変な事になる。マジック・バッグに大量の食料を詰めて持って行くと思うけど、片手に武器を持って、もう片手に食料を持ち食べながら攻略しないと駄目だろう。さらに食べながら大体1分半に一回〝ウ○コ〟もしないといけないから、下半身はスッポンポン状態でダンジョン攻略する必要がある。絶対にド変態だって思われるのは確実だし。ダンジョンを〝ウ○コ〟だらけにしてしまう。自分が出した〝ウ○コ〟の後を辿って戻れるメリットは有るだろうけどね。
まあ実際の所は、ポーションや回復薬が超高カロリーなんだと思うけど、無茶苦茶不味いって思える。ガソリン1リットルが8000キロカロリーだから、もっとカロリーの高い物じゃないと駄目だろうね。
そんな感じで想像している異世界だとしたらマジでヤバい。異世界小説はもう少し〝ウ○コ〟事情の事を詳しく書いてくれてれば良いのに……と現時点では思っている。
『えっと、街に向かう前に、もう少し確認しておかないとな』
取り敢えず、定番の魔法が使えるか確認する事にした。
レベルの有る世界に関して現時点では、ナギは本文の通り思っていますが、第二章で誤りに気づき再考し訂正します。
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